第2回:森山大道との出会い、衝撃
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2015年4月17日

第2回:森山大道との出会い、衝撃

第2回:森山大道との出会い、衝撃

© DAIDO MORIYAMA

前回のお話の中でお伝えしたとおり、去る10月13日、東京・青山の「ラットホール ギャラリー」がついにグランドオープンを迎えました。

現在その第一回目のイベントとして、「森山大道写真展it」が開催されています。そこで、今回のコンテンツでは、その森山大道さんとの出会いと、そのきっかけとなったヒステリックグラマーの出版活動についてのお話をしようと思います。

写真を突き抜けた音楽が、
頭の中で鳴り響いた

ヒステリックグラマーが出版活動を開始したのは、1987年のこと。1991年からは“hysteric”というカタチで写真集の発表を始めたのですが、当初はさまざまなアーティストによるオムニバス形式を採っていました。

ちょうどその頃、僕ははじめて森山さんの写真と出会います。最初に見たときは、なにか写真を突き抜けた音楽が、頭の中で鳴り響いたように感じました。衝撃を受けた僕は、彼にもぜひ、僕らの写真集に参加してもらいたいと思い、お声を掛けたのですが、そのときは軽く断られてしまいました。

でも、しばらくして、「一冊丸々ならやりたい」と森山さんの方から連絡があり、1993年発表の“hysteric no.4/Daido”(通称:青Daido)へとつながっていったのです。“hysteric”が、ひとりのアーティストをフィーチャーする写真集という形態になったのは、まさにここから。そういう意味では、いまのカタチがあるのも、森山さんとの出会いがあったからこそといえるでしょう。

その後、1995年に森山さんの2冊目となる“hysteric no.6/Daido”(通称:赤Daido)を発表するのですが、ともに、すべての写真を1年から1年半ぐらいかけて撮りおろしてもらいました。圧巻だったのは、そうやって時間をかけて膨大に撮りためた写真(掲載分の倍以上)を、森山さんと僕らは、約400ページの構成を一晩でエディットして写真集にしてしまった点です。

これは文学でいうところのビートニク的手法なのですが、一点ものにはない、本でなければ出せないものに仕上げるために、あえてこういう手法をとりました。その後の作品に対しても同じ手法でおこないました。その何回かの体験が、今となってはアーティストにとっても、僕らにとっても、とても貴重な体験となりました。

ラットホール ギャラリーは、
ヒステリックとアートをリンクさせる場所

あの森山さんとの最初のセッションから、僕らの本格的な写真集出版活動が始まり、その後、この出版物が海外でも好評を得るまでに発展したわけですが、おもしろいもので、そうなると逆に、洋服の分野でも海外と話がしやすくなるといった相乗効果が生まれてきました。

ですが、これまでは服とアート、あるいは出版が、具体的にリンクする場所というものは、ありませんでした。つまり、ラットホール ギャラリーができたことで、はじめてそれをリンクさせる場所ができたというわけなのです。
なお、今回の「森山大道写真展it」では、10月21日(土)16:00から森山さんによるトークショーを予定していますので、お時間のある方は、ぜひ足を運んでみてください。

HYSTERIC GLAMOURオフィシャル:http://www.hystericglamour.jp
森山大道オフィシャル:http://www.moriyamadaido.com
Bueno! Books:http://www.buenobooks.com

■森山大道展「DAIDO MORIYAMA it」

日程:2006年10月13日(金)~11月19日(日)
時間:12:00~20:00(月曜定休)
場所:RAT HOLE GALLERY(ラットホール ギャラリー)
港区南青山5-5-3 HYSTERIC GLAMOUR 青山店B1F
TEL:03-6419-3581

●トークショー開催
10月21日(土) 16:00~17:00(定員80名)
森山大道×北村信彦 @ RAT HOLE GALLERY

●森山大道サイン会開催
11月4日(土) 16:00~17:00
詳細は、www.ratholegallery.comをご覧ください。

           
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