第8回 「住」にまつわる話 自動販売機編
第8回 「住」にまつわる話 自動販売機編
photo by Yuichi Sugita (BIGHE)
身近なグッドデザインというタイトルで連載をやっておりますが、今日はグッドでないゆえに不快な気持ちになってしまうものについて、あれこれ言いたいと思っています。皆さんもともに憤っていただければ幸いです(笑)。
自販機統一規格、そろそろつくりませんか?
まず憤りたいのは「自動販売機」のデザインについて、です。あると便利、実際、夏場はぼくもお世話になりますが、あの、街並みの何物にも馴染まない外観は何とかならないのでしょうか? 物販が目的だから、より目立たなくてはいけないというのも解ります。しかし、道ばたに置いてよしと許可されている以上、それは公共物。ピカピカ光ったり、ルーレット音が鳴ったり、もう好き放題というのはあんまりじゃありませんか。ぼくはビジュアルだけでも統一感のあるものにすべきだと思うのですが、いかがでしょう? それこそワンダーウォールの片山正通君あたりが手掛ければカッコいい自動販売機ができると思うんだけどなぁ……。
空を見上げると電線、というのも悲しい。
それはそうと、日本は感性豊かな国のはずなのに、どうも日常あるものに対する意識が低い気がします。その原因を考えたところ、ぼくはマーケットの方向が「子供」に向いているから、という仮説に行き着きました。いつの頃からか、子供たちにウケるものを作った方が売れる、という図式が優先されるようになってしまった。あらゆる日用品が、子供の目を気にして生産されるようになったのです。平たく言うと、子供だましのインチキプロダクトが増えた。「早く大人になって大人の道具を持ちたい」いうのは、子供の健全な発想だと思うのですが、これでは「いつまでも子供でいたい」と、ピーターパンみたいなことをいう子供たちが増えても文句は言えません(それも全部、我々大人たちの無責任が招いたことなのです)。
だいぶ話が逸れましたが、話をほじくり返せば、何でもありのジュースの自動販売機よりも、大人向け「明るい家族計画」の自販機の方がまだマシかもしれません。あれは目立たないよう目立たないようつくってあるはずですからね……。
電線の話。先日、宮島の温泉旅館から海を眺めたところ、すばらしい風景が広がっていました。しかし、目前にずらーっと並んだ電線に目が留まった瞬間、現実に引き戻されてしまいました。コレもなんとかならないもんでしょうかね……、なんだか愚痴っぽい話ばかりでゴメンナサイ。