ACT 8|talk about MEDICOM TOY LIFE Entertainment Vol.02
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2015年3月12日

ACT 8|talk about MEDICOM TOY LIFE Entertainment Vol.02

ACT 8|talk about 「MEDICOM TOY LIFE Entertainment」 Vol.02

デザインと素材の「組み合わせの妙」を楽しむ──

トイメーカー メディコム・トイからオモチャにくわえて、生活に密着したアイテムをリリースするプロジェクト「MEDICOM TOY LIFE Entertainment(以下MLE)」についてキーマンが対談を繰り広げる第2回目。MLE事業部主任 渡邊孝史さんと、赤司竜彦代表取締役社長が考える、これからの展望とは──?

Text by OPENERS

──「FABRICK®(ファーブリック)」は毎年、数多くのアーティストとコラボレーションされていますね。その選定などは基準があるのでしょうか?

赤司 アーティスト名と、商品の企画内容を渡邊に出してもらって、僕がチェックするというカタチで選定しています。でも、彼が挙げてくるアーティストでNGを出したことは一度もありません。
また、逆にアーティスト側から「何かやりたい」というケースでお話をもらうことも多かったりします。

──デザインをオーダーするときは、どのようなやり取りをされるのでしょうか?

渡邊 ある程度アーティストの特性を活かせる「テーマ」のようなものは提示させてもらいます。たとえば「エコ」だったり、ときには「水」であったりとそのテーマはさまざまですね。世界各国のアーティストとやり取りをさせていただいているのでとてもやりがいがあります。また、国によって商品が売れるアーティストの傾向がちがうこともありますので、シーズンごとにデザインを売り切りしていくという方法ではなく、バックストックをためていく方法にしています。

たとえばアパレルでは、約半年間しかそのシーズンの製品が生きる時期がないのに対して、ヨーロッパなどでは50年前に作られたテキスタイルが、現在でも通用する伝統的なモノになっています。そういうイメージで「FABRICK®」も浸透させていきたいですね。
もっと広い範囲にテキスタイルを応用して、色々なものをつくっていけたらなと思っています。

原宿にあるSHOP「ACYCLE」でのエキシビション風景

──ひとつのテキスタイルでさまざまなモノをつくるというのが「FABRICK®」のスタイルですが、製作されるグッズの形態はアーティストによって異なるんでしょうか?

渡邊 デザイン画をいただいてから「こういうのをつくりたい」と決めてはいますが、アーティストにもどういうものがあったらいいか、などリクエストをします。そのなかで実際商品にできそうなものであれば製作します。そのほか、コラボレーションを希望される企業側からこのテキスタイルで商品をつくりたいというオーダーをいただくこともあります。そういったケースはこちらの発想になかったものができることがあるので大変おもしろいですね。

──具体的にはどういう?

渡邊 「コールマン」とはキャンプ用品を、「テンピュール」とは枕カバーを製作しました。あとは「ベビー服」など多岐にわたり、こちらが想像もしていないものをご提案していただくと、より世界観は広がっていきます。

──「BE@RBRICK」もそうですが、「FABRICK®」はお客様にアーティストを教え広めていく場ともとれますよね?

渡邊 アーティストへ依頼するケースもありますが、逆に自分が知らないアーティストから直接アプローチされるケースもあります。
自分が知らなかったアーティストがデザインしたものをお客様に気に入ってもらえて、アーティストの知名度が上がればありがたいですね。そこからさらにイメージも広がっていきますし。

ACT 8|talk about 「MEDICOM TOY LIFE Entertainment」 Vol.02<br><br>デザインと素材の「組み合わせの妙」を楽しむ──

「コールマン」とのコラボレーションアイテム

──製作にあたっての苦労などはありますか?

渡邊 実際にカタチにしてモノをつくってみないとわからない、ということでしょうか。デザインや生地は「いいな」と思っても、モノにしてみたら「あれっ?」ということもあります(笑)。
また、アーティストも人によってさまざまですが、テーマに沿ってあげていただいたデザインが、「おやっ」て思うときもあります。でもアーティストは、これがベストだと(笑)。

良い結果が出るときは、最初から円滑に進んでいく傾向がありますが、良くないときは最初の打ち合わせの段階から、かなり暗礁に乗り上げることも……(笑)。逆になにも言わないでOKっていうアーティストもいます。そこはアーティストの性格ですよね。
それと、これは苦労話ではないかもしれませんが、「組み合わせの妙」みたいなものもかなり考えてつくっています。アーティストがデザインした柄と素材の組み合わせも重要になってきますし、プリントも染色と顔料のどっちにするかで悩みます。柄によっては少し味が出る素材を選択したり、素材を活かすことについて日々考えています。音楽のミックスみたいな感じですね。

赤司 モノをつくることにおいてすべてに対してそういうことが言えると思う。一個あっても、それが全部組み合わさったときのことは想像でしかなくて、果たしてどうなるか、と。
僕としてはMLEの製品たちは「化学反応」が毎回感じられるので、いつも仕上がってきたモノをおもしろがって見ていますけどね。

「SP DESIGN」と「POTER」とのコラボレーション バッグ

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「SP DESIGN」と「GORE-TEX」との
コラボレーション ジャケット

──では最後におふたりに、今後のMLEの展望を聞きたいのですが

赤司 自分たちの考える広がり方と、一緒にやってくれる世界各国のアーティストや企業がもたらしてくれる広がり方が混ざり合って、いまの地点に来ていると思っています。渡邊の入社前は、まさか「ポーター」とバッグを一緒につくると思っていませんでしたし、まさか「コールマン」でテントを一緒につくるとは思ってもいませんでした。

すごくうれしかったのが、休日に下北沢をぶらぶら歩いていたら、通り過ぎた女の子がMLEのバッグを持ってたんですよ。
「メディコム・トイが雑貨やアパレルをやる」ということは、僕らにとってはある意味大きいことなんですが、お客さんにとってはひとつの雑貨にすぎないじゃないですか? 数多くあるそんな雑貨のなかから、「あぁ素敵なデザインの製品だな」と手に取っていただけることが、一番の理想だと思いますね。

渡邊 子どものころからおもちゃ会社に入るというのが夢だったんです。そんな自分が、最初はアパレル業界に身を置き、そのあとメディコム・トイに入社し、過去やってきたことがうまく融合できて、お客さんにも喜んでもらえるこの職業は、本当に幸せを感じることができるんです。メディコム・トイだからこそできて、そしてそれをもっと、いま以上にたくさんの方に知っていただいて、「こういうのが欲しい」「ああいうのが欲しい」というお客様のご要望に応えていけるような部署にできればと思ってます。

だからオウプナーズさんもなにかつくりたいものがあったら、言ってくださいね!

──エコ企画として、「more trees」さんとなにかオーガニックな素材でモノがつくれれば、プロダクトとしていいカタチで進められるのではないかと思うのですが──

赤司 おもしろいですね。なにをつくるか教授からアイデア出してもらったり……。ぜひぜひやりましょう!


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