EVENT|デザイン、使い心地を極めた日本各地の伝統工芸品が一堂に
EVENT|デザイン、使い心地を極めた日本各地の伝統工芸品が一堂に
初の常設店「大日本市 伊勢丹店」オープン
おしゃれな日本各地の伝統工芸品が集まる「大日本市 伊勢丹店」が8月29日(水)に伊勢丹新宿店にオープン。長年にわたり受け継がれてきた技をもちい、デザインや使い心地を極めたアイテムが一堂に会する場が誕生する。
Text by YANAKA Tomomi
月替わりの“市”(いち)にも注目を
手紡ぎ手織りの麻製品を扱い、300年の歴史を誇る奈良県の中川政七商店。100年先を見据え「日本の伝統工芸を元気にする!」と掲げたビジョンを実行するため、2010年に立ち上げた全国各地の伝統工芸メーカーによる雑貨やファッション、インテリアの展示会が「大日本市」だ。今回、はじめて常設の直営店が、伊勢丹新宿店にオープンする。
「大日本市 伊勢丹店」では、中川政七商店が展開する、生活雑貨を扱う「粋更kisara」や、暮らしの道具を販売する「中川政七商店」、靴下のファクトリーブランド「2&9(にときゅう)」をはじめ、これまで「大日本市」に参加してきた全国のブランドの商品を常設で販売。さらに、月替わりで各ブランドの商品と合わせて地域の特産品まで販売するイベント“市”を開き、連綿と受け継がれてきた伝統工芸を風土ごと紹介するという、ブランドのバックグラウンドを感じられる企画も。
オープン後の8月29日(水)から9月25日(火)までは、陶器ブランド「HASAMI」と「馬場商店」を展開し、長崎県波佐見町に本社を置く有限会社マルヒロによる「波佐見市」を開催。「HASAMI」と「馬場商店」の全商品が揃うのはもちろんのこと、長崎の伝統菓子であるカステラや五島手延べうどん、あごだしスープなど、産地直送の食品と陶磁器がセットになって売り出されるという。
「波佐見市」以降も、ストールブランド「ITO」を展開する愛媛県今治市の工房織座による「今治市」を9月下旬から、10月下旬からは石川県能美市の九谷焼窯元、上出長右衛門窯による「九谷市」なども予定されているというから見逃せない。
ここ数十年で携わるひとが7割も減ってしまったという伝統工芸産業。「大日本市」は、長い時をかけて受け継がれた伝統の技の美しさ、すばらしさをあらためて実感できる“モノ”と出会いを身近にし、ひいては伝統工芸の継承を促す場ともなりそうだ。