Rie OMOTO|オモトリエ
特集|THINK POSITIVE!
Rie OMOTOが考える「いま私たちにできること」
──あなたが考える「いま私たちにできること」とは?
命、人生の意味、現実を見つめ、いま私たちにできること。まず義援金。ニューヨークでも多数開催されているチャリティイベントへの参加。さらに人種を問わず友達、仕事関係者に対し、少しでも協力してもらえるようメールなどで援護金の呼びかけをしています。かなりのひとたちからレスポンスが返ってきていますよ。大自然の力の前に、自分の力の小ささに愕然としたりもしましたが、それでもなにかはできる、生きているのだから。個人個人が以前とおなじアティチュードで仕事をしたり、生活しようとする意志、明日を信じるという意思、そして自分ができることを行動に移すという勇気。それが必ずパワーになると信じています。元気でいることも大事なことだと思います。私たちが必要とされるとき、自分にバトンがまわってきたとき、踏ん張れるように精神的にも肉体的にも強くいること。
──自分たちの職域やライフスタイル上でできるアクション
THREEでは4月6日から、ホワイトリボン(実施ジョイセフ)への義援金寄付を目的とした限定リップグロスを発売し、このリップグロスの売上1本につき1000円を寄付します。被災地で必要な物資を遠慮して口に出せないような女性たちのために、ジョイセフさんの助産婦ネットワークも活用し、生理用品や赤ちゃんのおむつを買ったり、助産婦さんの無料健診の費用にあてたり、福島原発の周辺から避難している妊婦さんの生活費や健診費用の一部に役立てていただくためです。
さらに、私や私のエージェントの活動としては、ニューヨークでフォトグラファーに呼びかけ、作品を寄付してもらい、それをオークションにかけ義援金を集めるという企画も進めています。4月22日、『トライベッカグランドホテル』にて開催を予定しています。
被災地の方への支援はもちろんのことですが、日本全体が元気になる必要があると思います。“自粛”という言葉を耳にします。理解はしています。でもそれをふまえたうえで、いろいろなことを日本でおこなうことが日本を元気にできるのではと思い、私の仕事関係者、フォトグラファー、アートデレクター、クライエントなどに、日本で撮影をしてはどうかという提案をしていこうと思っています。仕事だけではなく、エキジビションを開いたり、ホリデイにもぜひ日本に行ってほしいと思います。
やはり世界の日本です。日本のすばらしさを知り、日本が大好きなひとたちが世界中にたくさんいます。日本のプロデューサーの方にも相談してみます。どこまでできるかわかりませんが、やってみます。ニューヨークから盛り上げ、少しでも日本を元気にできればと思っています。メイクアップアーティストとして、被災地の方にできることも考えています。私たちが必要とされるときには、大きな愛をメイクアップとともに提供できるようにします。はやくその日がくることを祈っています。この震災により、多くの尊い命が失われたことに、心より追悼の意をささげます。皆さんに笑顔が1日も早くもどってきますように。
Rie OMOTO|オモトリエ
THREE メイクアップ クリエイティブ ディレクター
リンダ・カンテロのアシスタントを経て、本格的にメイクアップアーティストへの道に入る。トム・ペシュー、パッド・マグラスのチームメンバーとして数多くのコレクションに携わり、モード誌やブランド広告キャンペーンのメイクを担当。モード界の第一線で活躍し、2005年にはアメリカの『WWD』誌が選ぶトップメイクアップアーティストのひとりとして賞される。ニューヨーク在住。