戸田恵子｜ニューヨーク観劇三昧！

連載｜戸田恵子

ニューヨーク観劇三昧！

一週間のオフを死守しました！　大好きなニューヨークへ行くためには仕事をあちこち詰めていかねばならないのですが、案の定、いや、むしろいつにも増して前後のスケジュールはビッチリになってしまった……それでもいいのだ。たくさんの宿題も持っていかねば……それでもいいのだ！　というわけで、6月29日～7月5日までのあいだ、私はニューヨークへ行ってまいりました。もちろん目的は観劇三昧！

文＝戸田恵子

休んで、飲んで、観て！

オフはいただけてもせいぜい1週間が限度。ニューヨークでは観劇しかしないので、マチネ・ソワレのある水曜、土曜日をいかに滞在日程に組み込むかが勝負なんですが、今回はうまくいきました。火曜日に日本を発って、火曜日にニューヨークに着くパターンです。

観劇本数は火／水／水／木／金／土／土と7本になり、日曜日にニューヨークを発って月曜日に帰国、と、なんとも有効的なスケジュール。

到着前までは酷暑だったニューヨークも、滞在中はじつに過ごしやすかったです。なんと言っても、日頃のおこないがいいからね（笑）。観劇以外はいつも本当にのんびりしています。そもそもオフなので休む。ニューヨークまで来て寝ているのです（笑）。じつはニューヨークには昨年9月に1度おとずれているので、前回から1年に満たない再訪となるわけですが、めずらしくそそられる演目が少なかったです。なので、今回の観劇ツアーは“でもトニー賞を受賞した作品は観ておかなきゃ！”といったタイトルラインナップとなっております。

6月29日（火）　『Come Fly Away』
ニューヨークに着いた当日に観るのは、いつも時差ボケもはなはだしいので軽めの作品をチョイスします。今回到着初日に選んだのは『Come Fly Away』。フランク・シナトラの名曲の数々にのせたダンスショーです。以前観た『ムーヴィン・アウト』という作品とおなじ振付師の方が手がけている作品でした。人気のトワイラ・サープ、ビッグ・バンドもすてきでした。もちろんシナトラの歌声も。それにしても、相変わらず劇場が冷房利きすぎのニューヨークです……。

6月30日（水）　マチネ『Rock of Ages』
前夜はうまく眠れず、夜中に起きてビール飲んで、だらだら寝坊して起きたのが13時過ぎ。それでもブロードウェイのど真ん中に泊まっているので、マチネ14時開演に十分間に合うのです（笑）。物語は1980年代のヒットソングでつづるロックを愛する若者の青春物語。最近こういうの多いですね。オリジナル曲ではないんだよね……『Come Fly Away』もそうですけど。

ソワレ『La Cage aux Folles』
ご存知、ラ・カージュ・オ・フォール。ロンドンで作られた作品がニューヨークで絶賛されています。もう、本当にすばらしかった……泣けました！　初演は1983年だとか。ゲイカップルが家族愛を描いた最高傑作だと思います。名曲『ありのままの私』では私、涙が止まりませんでした。

この後、夜中にFAXを日本から送ってもらうのに一騒動。海外にいると簡単なことがなかなかうまくいかないもんです……トホホ。無事に届いて、夜中2時～4時に寝て、起きてまたまたビール飲みながらトニー賞のDVD観て、7時に寝て15時30分に起きる。もうダラダラの生活ですね（笑）。

7月1日（木）　『Promises,Promises』

『Promises,Promises』はどうしても観たかった。映画『アパートの鍵貸します』がもとになっているこの作品は、私自身劇団時代にヒロインのフラン役を演じているのです。バート・バカラックの曲も大好きですし、『I’ll Never Fall in Love Again』はいまでもよく口ずさみます。とにかく“懐かしい”の一言でした。

いつも観劇後はデリに寄ってホテルで食べてます。この夜は2時半に寝て4時に目覚める、そしてまたまた朝からビールを飲む（笑）。結局朝まで寝つけず、今回は本当に時差ボケっぱなしのニューヨーク滞在でした。

7月2日（金）　『The Addams Family』

キャラクターがほんとに楽しい！　おなじみオバケ一家のドタバタです。なんといっても大好きなネイサン・レインが出ていますから、楽しさも2倍でした。今回観劇記念のTシャツを買ったのはこのアダムス・ファミリーだけ。

7月3日（土）マチネ　『Memphis - A New Musical』
今回私の一押し作品はこれ！　メンフィス。正直、ニューヨークに着いてからの時差ボケがひどくて、この日も相変わらず睡眠がうまくとれず寝不足状態。しかも開演直前にご飯をしっかり食べたので、絶対観ながら寝てしまうだろう……とあきらめていた。が、しかし、幕が上がるやいなや目が覚める強烈なパワー！　迫力！　圧巻！　寝るなんてとんでもない！　黒人音楽に惚れ込んだ白人DJの愛と葛藤の日々。本当にすばらしかった！

7月3日（土）　ソワレ『Fela!』

フェラとはひとの名前です。黒人解放運動家としても活躍したナイジェリアのミュージシャンフェラ・クティの半生を描いた作品。オフから上がってきた作品で熱いパフォーマンスでした。

滞在当初のお目当てであった『A Little Night Music』は、キャサリン・ゼタ・ジョーンズの公演が終わってしまい、ちょうどキャスト交代のお休み時期で観られなかったのが残念でした。次回は必ず！　そして今回も三ツ矢雄二さんとの気心知れた旅。休んで、飲んで、観て！　の繰り返し。またニューヨークに行くためにお仕事がんばろうね、と誓って帰国しました。