華美過ぎない洗練された雰囲気

世界的に有名なモンテ・ナポレオーネ通りとも接するサンタンドレア通りにオープンしたフラッグシップストアは、クリエイティブ・ディレクターであるリカルド・ティッシの店舗デザインにおける美意識を表現しつつ、脈々と受け継がれるメゾンのヘリテージと、創業者ユベール・ド・ジバンシィのビジョンを具現化。店内はいくつかの小さい部屋に分かれていて、各部屋には貴重な品々がミニマルな背景と対比的に配置されている。

リカルド・ティッシは、サンタンドレア通りと共鳴するような大胆でユニークな店舗設計を目指して細部にまで神経を注ぎ、ミラノでもアップスケールのエリアにダウンタウンフィーリングを持ち込んだ。

ファサードは、もともとあった3つの窓がそのまま生かされ、店内に入るとすぐ、奥にある巨大な水槽に目が止まる。そこから店内を見わたすと、訪れた人びとはエレガンスとスタイルの世界へと誘われていく。

ジバンシィのエレガンスと革新

ジバンシィのコレクションのアイコニックピースが陳列された白いエリアは、ミラーの棚が壁に沿って配置され、その部屋の細長い形状が、ミラノのにぎやかで活気のある通りを想起させる。

ミラー素材の階段を上がると、そこには1階のマスキュリンスペースが出現。重厚なステージが大きなブロックと対比されるかのように配置され、そのようすは祭壇の長椅子を思い起こさせる。そして、シューズとアクセサリーはそのステージ上に陳列される。

リカルド・ティッシが語るフラッグシップストア

このフラッグシップストアは、コンクリートやミラー、ガラスなどの素材がギャラリーのような雰囲気をつくりあげ、人びとを惹きつける。そして、ここを訪れた者に、リカルド・ティッシが表現するジバンシィの世界を体感させる。

「ミラノは世界においてもっともファッションが活気づいている都市であり、私が心の底から落ち着ける街でもあります。私は、人びとがジバンシィというブランドを感じ、またそこから驚きを得られるスペシャルでユニークな店舗をつくりたいと思っていました。この店舗は、我われのフレンチ・クチュールの世界観とDNAを見事に表現し、またそれらを、この街や人びとの溢れるエネルギーと調和させたものになったと思っています」。リカルド・ティッシは、そうコメントする。

GIVENCHY SANT' ANDREA
Via Sant’Andrea 11
20121 MILAN