特集|人気日本人デザイナーズブランドの、春夏マストハブアイテムはこれ!
sacai、TOGA、kolor、MUVEIL、FACTOTUM、poral.、AMBELL
ブランドPRがこっそり教える人気アイテムTOP3
2012年春夏コレクション、全ルック紹介!
人気セレクトショップのバイヤーたちから熱いラブコールを寄せられる、日本人デザイナーズブランドの2012年春夏コレクションを全ルック紹介! さらに、ブランドPR担当者にこっそり聞いた、バイヤー支持率の高かったアイテムTOP3を発表。はたして目利きたちが注目した、お墨付きアイテムとは?
Text by FUJITA Mayu(OPENERS)
阿部千登勢|ABE Chitose
リーンでミニマルなシルエットに、シアーな素材の動きで生まれる軽やかな立体感が印象的なコレクション──キーワードは“透明感のあるエレガンス”。カラーはクリーンなホワイト、ネイビー、ベージュをベースに、春夏らしいブルーやイエロー、グリーン、そしてペールトーンをポイントに使用。鮮やかなソリッドカラーや、フラワープリントのキュプラ素材をもちいたボーラーレースやシフォンが、春夏シーズンらしいフレッシュな表情を与えている。バックスタイルが立体的に仕上げられたライダースジャケット、カーディガンにプリーツをほどこしたブラウスとシフォンプリーツのスカートが組み合わされたワンピース、ブラウスとキャミソールドレスが組み合わされたニットジャケット……。なじみのあるベーシックなアイテムをベースとした、これまでにない新鮮なスタイルをつくりだしている。
sacai
東京都港区南青山5-4-44 南青山シティハウスA-1F、2F
Tel. 03-6418-5977
www.sacai.jp
「今季コレクションを象徴するボーラーレースを使用した存在感のある“トレンチコート”は、1枚羽織るだけでシンプルなスタイルも印象的に仕上げてくれます。ニットのプルオーバーとレースのスカート、そしてブラウスが組み合わされた“ニット×レース ドレス”は、素材のコントラストが注目されています。そしてケーブル編みのニットにシャツワンピースと、なじみのあるベーシックなアイテムが組み合わされた“ニット×シャツドレス”は、ボリュームのあるシルエットがお薦めです」(PR担当 Kさん)
阿部千登勢|ABE Chitose
sacaiとおなじく、“日常のうえに成り立つデザイン”をコンセプトに、よりリラックスしたシーンにフォーカスしたコレクションを展開するsacai luck。2012年春夏シーズンは、鮮やかなカラー、パターンをポイントに、エレガントかつフレッシュなコレクションを提案。トレンチコート、ノーカラージャケット、セーラーパンツ、カーディガンなど、クラシックなアイテムをビビットカラーのレース、ラメ糸を使用したマルチボーダー、パステルカラーのペイズリープリントなど、素材やディテールで変化をつけ、あたらしいスタンダードのカタチを生み出すクリエイションがすばらしい。
sacai
東京都港区南青山5-4-44 南青山シティハウスA-1F、2F
Tel. 03-6418-5977
www.sacai.jp
「レースの上にグログランテープがボーダー状に叩きつけられた“レースボーダードレス”と、ボーダーのカットソーカーディガンと、光たく感のあるキュプラのティアードドレスが組み合わされた“ボーダーカットソードレス”という趣の異なるドレスがそれぞれ人気でした。ラメ糸を使ったマルチボーダーの“ラメボーダーノーカラージャケット”は、袖やポケット、ファスナーにほどこされたチェーンとフリンジが特徴です」(PR担当 Kさん)
古田泰子|FURUTA Yasuko
ハンス・クリスチャン・アンデルセンの童話が原作となった、1948年のイギリス映画『赤い靴(The Red Shoes』。物欲などによって信仰心が失われる、という寓意が込められた本作は、近年、マ-ティン・スコセッシ監修のもと、同作のオリジナル・ネガが修復され、鮮やかに蘇った。TOGA 2012年春夏コレクションのテーマは“Vicky's nightmare"。バレエという芸術の魅力や名声のなかで生きた主人公 ヴィッキーの栄華と、最期の姿にインスピレーションを受けたという。イエローやブルー、グリーン、パープルなど、淡いペールトーンで彩られたカラーパレットに、透け感のあるやわらかな素材づかいで表現された透明感、まるでプリマドンナに捧げられた花束を思わせるフラワープリント、そしてブラック一色のシックなドレスまで、映画『赤い靴』の世界観をみごと表現してみせた。
TOGA 原宿店
東京都渋谷区神宮前6-31-10 マンション31B棟1F
Tel. 03-6419-8136
http://www.toga.jp/
「袖のボリュームのシルエットが印象的な“ハイコットンジャージーギャザースリーブカットソー”は鮮やかなイエローがとくに人気でした。襟、身ごろ、袖のフリルが配色になっている“シルクコットンニットモザイクカラーセーター”は、袖にチュール、襟と袖のフリルにストーンパーツがそれぞれあしらわれたディテールがポイントです。ペールトーンの透けるチュール生地を使った“レザーベルト付きナイロンチュチュスカート”は、ルックで紹介しているような、ジャンプスーツとの組み合わせがお薦めです」(PR担当 阿部眞知子さん)
阿部潤一|ABE Junichi
一見“シンプル”とは相反する手法をもちいながら、あくまでシンプルでリアルな印象を与える絶妙なさじ加減は、ブランドの得意とするところ。たとえばメンズライクなヴィンテージチノに手編みで仕上げた繊細な衿を組み合わせたり、張りのあるリネンコーティングやコットンラミーモールスキンとフェミニンなキュプラサテンのコンビネーション、また、薄手のニットをパーツで切り替える手法や、左右で異なるデザインの袖をほどこすアシンメトリーなディテールや素材づかいなど、異なるエレメンツを組み合わせ、たんに綺麗で洗練されただけの表現に留まらない独自のスタイルを提案する。
kolor 南青山
東京都南青山5-6-10 B1F
Tel. 03-5464-5471
www.kolor.jp
中山路子|NAKAYAMA Michiko
独自のシュルレアリスムを描きつづけたメキシコの画家 フリーダ・カーロにインスピレーションを受けた今シーズン、テーマは“Go to chaotic sowth”。根底にさまざまな要素が混在するコレクションは、まさに“CHAOS”! パターンはトロピカルなものから絵画のように繊細で柔らかな表情のものまでさまざま。バティック、フラワーパターンのプリントを上質な生地にほどこし、南米の素朴な熱気と独特の土っぽさをモダンに表現。また、過去のコレクションより力を入れてきたハンドワークも、今季はより多く盛り込まれ、服そのものに独特のぬくもりをもたらしている。コーディネイトのキーアイテムにはメンズライクなカマーベルトを合わせてアンバランスを楽しむとともに、“クラシック”ではない、MUVEILらしい“レトロ”なスタイリングを提案する。ビビッドではなく、落ち着いた優しい色合いで統一することで、大人の女性らしい落ち着いた印象に仕上げられている。
MUVEIL
Tel. 03-5456-2012
www.feelthegarden.com
「一番人気の“デニムワンピース”は、インディゴ染めのテンセルデニムをブリーチ加工で色落ちさせた、ほどよいヴィンテージ感が深みのある表情を与えています。フェミニンな襟もとのフリルと、マニッシュなカマーベルトを合わせたコーディネイトが新鮮です。今季コレクションのメインとなるプリントシリーズの“プリントキャミドレス”は、ほどよい光たく感と、薄く柔らかな素材感が、女性らしく優しい印象に仕上げてくれます。そして「MUVEIL WORK」にて展開する“チノパンツ”は、素材・シルエットともに人気が高い! 麻ベルトをポイントに、幅広いコーディネイトが楽しめます」(PR担当 寺井久美子さん)
相澤陽介|AIZAWA Yosuke
東京ファッションウィークの花形として人気を博すメンズブランド「White Mountaineering」デザイナー 相澤陽介氏が手がけるウィメンズブランドとして話題を集め、2011年にスタートしたporal.。女性らしいデザインのなかにメンズウェア特有ともいえる細かなディテールを取り入れ、優しく、美しくありながらも力強い女性像を表現する。2012年春夏シーズンでは、インパクトのある強いカラーと、おだやかで柔らかなカラーを組み合わせた、霧がかったような色合いが印象的なコレクションを展開。繊細なカラーにジャカードやプリントを掛け合わせることでウェアを立体的に表現した。歩いたとき、どのようにウェアが動き、美しく見えるかを計算して作られた、横から見たときのシルエットにも注目である。
おもな取り扱い店舗
伊勢丹新宿(Re-Style PLUS)、BEAMS STREET、BEAMS TIMEなど
Poral.
Tel. 03-6416-9111
poral-web.com
「オリジナルのジャカード柄の前身ごろと、ボリューム感のあるコットン素材の後ろ身ごろのコンビネーションが特徴の“Vネックニットプルオーバー”は、リブ部分の鮮やかなカラー配色や、サイドから見たときのシルエットが新鮮。また、オパール加工で表現したタペストリーパターンの“ショップコート”は、後ろ身ごろにやわらかい素材を使用したプリーツがほどこされ、シルエットや歩いたときの動きが女性らしい1着です。切り替えが印象的なオリジナルの“小花柄シルクワンピース”は、1枚でさらりと着るのがお薦め」(PR担当 太田和亜弥さん)
有働幸司|UDO Koji
デニム、ミリタリー、ワークをベースに、訪れたさまざまな国で出会ったひとや風景、空気から感じ取ったイメージからコレクションを構築するFACTOTUM。2010年よりウィメンズコレクション「FACTOTUM femme」をスタートさせ、毎回ひとつテーマのもとコレクションを展開し、ユニセックスな提案をおこなっている。2012年春夏シーズンのテーマは“Sunday at the park”。1970年代アメリカのヒッピーカルチャーにインスピレーションを得たというコレクションでは、日曜日の公園に集まったコミュニティのような、明るく自由な精神につつまれたスタイルを表現する。
FACTOTUM FLAG SHOP
東京都渋谷区鶯谷町11-3
Tel. 03-5459-9779
http://www.factotum.jp
FACTOTUM femme
Tel. 03-6692-7426
「メンズブランドならではの細かいディテールをぜひ女性にも取り入れてほしい。メンズライクな“デニム オーバーオール”は、ライトオンスで着心地も軽い! 軽やかなシャンブレーデニムの“ワンピース”は、どこか懐かしい色目がこの春夏のお薦めポイント。爽やかに着こなしてほしいですね。“デニムセーラーパンツ”はメンズでも人気ですが、ウィメンズでも人気アイテム。異なる明るい色を何度も重ねて染め上げ、明るい色味ながら深みのあるデニムに仕上がっています」(PR担当 浅場直哉さん)
門野文蔵|KADONO Bunzo
細部にまでこだわった丁寧なモノづくりを信念に、古くから愛される“ベーシック”をモダンなアプローチで表現するAMBELL。2012年春夏コレクションのテーマは“Flapper Marine Functional”。大きな時代の変化とともに、女性たちは窮屈なコルセットをはずし、腕や足を軽やかに露出してみせ、自由奔放にファッションを楽しみはじめた1920年代を象徴する“フラッパースタイル”を軸にコレクションを展開。春夏シーズンらしいフレッシュなマリンスタイルや、あたらしいスタイルの誕生をイメージした鮮やかなフラワープリントで、20年代らしい自由な精神を表現する。
AMBELL
Tel. 03-6452-4231
http://ambell.jp
「リバーシブルで着られるのがうれしい2ウェイ仕様の“リバーシブルコート”は、袖をブラウジングし、レイヤードを楽しんでほしい一枚。縦糸にナイロンを使ったしなやかな生地は着心地がよく、上品な光たく感がおとなのカジュアルを叶えてくれます。ウエストリボンのブラウジング加減で表情を変える“花柄レイヤードパンツ”は、糸をパウダリ―加工しているため着心地がとてもいい! 花柄のほかに無地のブラック、ベージュがあり、どの色も人気でした。ヴィンテージライクなボーダー柄の“フラッパーマリンドレス”は、なんといっても1枚でレイヤードが完成する気軽さが魅力です」(PR担当 戸簾麻里子さん)