COLE HAAN|ふたりのキーマンが語る「ゼログランド」の現在とブランドの展望
COLE HAAN|コール ハーン
コール ハーン社長兼COO & コール ハーン ジャパン社長インタビュー
ヒットシリーズ「ゼログランド」の現在、そしてブランドの展望(1)
アメリカントラッドのデザインと、革新的な技術による快適な性能を備えた「ゼログランド」が、いま世界的な注目を浴びている。そのゼログランドを主軸とする「COLE HAAN(コール ハーン)」のニューショップが3月13日、千葉県船橋市の「ららぽーとTOKYO-BAY」にオープン。そこでゼログランドの魅力と新生コール ハーンの今後を、ふたりのキーマンに取材した。
Photographs by JAMANDFIXText by TSUCHIDA Takashi
銀座本店同様のエクスペリエンスをもたらす店舗デザイン
コール ハーンららぽーとTOKYO-BAYは、同社が日本ではじめてショッピングセンター内に出店を決めた店舗だ。扱うアイテムもメンズ、ウィメンズ、そして他店に先駆けてキッズコレクションを先行で発売するなど、ショッピングセンターというフレンドリーでスタイリッシュな空間を通じて、コール ハーンはあらたな取り組みを展開する模様だ。
グレゴリー・C.ディンゲス(以下、ディンゲス) 昨年6月、コール ハーンはライフスタイルをコンセプトとしたフラッグシップストアを、どこの国よりも早く東京・銀座に出店しました。そのことを我われはとても誇りに思っています。店舗デザインはとても美しく、ブランドのコンセプトをよく表現できていると思っています。
コール ハーンららぽーとTOKYO-BAYは、銀座本店のミニバージョンといった嗜好で、外観のファサードも店舗内も同様にデザインされています。ここでも銀座本店のような居心地の良さを感じていただけると思います。ファサードは、日本で生産したインディゴブルーのタイルで構成されていますが、世界中に展開中のあたらしい店舗も、日本からこのタイルを調達して建築しているんですよ。
――銀座本店と、ららぽーとTOKYO-BAYでは、お客さまの層が異なりますか?
ディンゲス はい。ショッピングセンターでは、特に若い世代のお客様たち、ファミリーでお越しいただくお客さまたちを見込んでいます。夫婦で一緒に買物に来られたり、またお子さまをお連れになるケースも多いでしょう。
現在、男性、女性ともに爆発的な人気を博しているゼログランドシリーズのキッズアイテムも、今秋以降、この店舗で取り扱います。つまり、こちらの店舗ではゼログランドのメンズ、ウィメンズ、キッズのフルラインを手にとっていただけることになります。
COLE HAAN|コール ハーン
コール ハーン社長兼COO & コール ハーン ジャパン社長インタビュー
ヒットシリーズ「ゼログランド」の現在、そしてブランドの展望(2)
伝統と革新の“衝突”が生み出すあらたなる価値
――いま、お話に出てきたゼログランドの魅力を改めて教えてください。
J.マイケル・プリンス(以下、プリンス) ゼログランドは、新生コール ハーンを語るうえで、最も重要なシリーズと位置づけています。その一番の特徴は、軽さです。実際、本当に驚くほど軽いんです。そしてソールがとても機能的です。完全に折れ曲がるほど柔軟性が高く、先進的なテクノロジーを採用したクッションが入っているので、格別に心地よく歩けるはずです。
ディンゲス スーツにも合わせられ、ジーンズともコーディネイトできる。週末、友人と一緒にリラックスした時間を過ごすときも、ウィークディに重要な会議に出席するときも、上司の前でも、接待のときだって履くことができます。まさにシーンを選ばない靴と言えるでしょう。
――伝統的なオックスフォードシューズのデザインを保ちつつ、最新スニーカーのようなコンフォート性能をもっているんですね。
プリンス その通りです。しかもおなじデザインで、異なる素材をもちいたアイテムをラインナップしています。これによりスポーティなものから、ドレス感を高めたものまで、ご自身の感性でお選びいただけます。
ディンゲス ユニセックスな製品となっているところも特徴のひとつですね。ゼログランドシリーズは、昨年7月にメンズシューズをローンチしました。すると、それを見た女性たちが「私たち向けの靴はないの?」という話になり、秋にはレディースアイテムをローンチ。いま、このレディースシューズがとても注目されていて、世界中で売り切れ店舗が続出しています。
――ファッションに対する信条があれば教えてください。
プリンス 自分で服を選んだり買い物をするときは、まずおなじ業界の人たちを見渡します。アスリートやセレブリティのファッションも参考にします。しかし、最終的には自分自身が着ていて心地よさを感じられることが一番重要です。
私は無類のファッション好きなんです。特にファッションに見る技術的な革新が好きです。そして前衛的なコンセプトであることも大事ですね。昔ながらの靴も好きですが、コール ハーンは、その双方の側面をもっていることが気に入っています。
とても気に入っているので、仕事でも常にゼログランドを履いて出掛けるんですよ。もちろん役員室にいるときも履いています。靴下を履かずにね(笑)。
――スタイルのみならず、着心地であったり、革新性をもって生み出されたスマートなスタンスであったり。そうした複合的なイメージが、コール ハーンのアイデンティティを作り上げているのですね。
ディンゲス その通りです。伝統的な要素と、現代的な要素との“衝突”。それは決して“融合”ではありません。相反する要素、たとえばスポーティなものとファッション性のあるものをぶつけて、まったくあたらしい価値を創造する。それが私たちの姿勢です。
いくら機能的でも、ファッション的に劣るものでは意味がありません。逆に、ただカッコイイだけでもNG。カスタマーが双方に満足できるものでなければ、コール ハーンではありません。
――「ゼログランド ウィングオックス」のパーフォレーション(目打ち穴)など、伝統的なディテールを取り入れているところが“衝突”なのですね。
ディンゲス そうですね。それがトラディションの要素です。そしてソールが現代性を示しています。このアイテムは、世界で最もハイテクなオックスフォードシューズです。
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ヒットシリーズ「ゼログランド」の現在、そしてブランドの展望(3)
そして、新生コール ハーンが目指すものとは?
プリンス ゼログランドは今後、ライフスタイルコレクションへと進化させていきます。具体的には、アウター、アイウェア、バッグ、ソックスをこの秋にローンチする予定です。
――これらのアイテムに通底して、ゼログランドの“衝突”が落とし込まれていくのですね?
プリンス そうです。軽量で機能的で、柔軟性のある製品となります。
――コール ハーンのこうした展開は、ほかのライフスタイルブランドには類を見ないですよね。具体的なコンペティター名がすぐに浮かばないのですが。
ディンゲス そういう点では、リーダーシップを取れていると思います。もうひとつの側面として、全アイテムを男女双方にリリースしていることも、ユニークな形態と言えるのではないでしょうか?
――なるほど、興味深いですね。ところで、コール ハーンは、誰もが知るアメリカの老舗シューズブランドです。そのブランドが、なぜライフスタイルブランドへの成長を目指すのでしょうか?
プリンス たしかにコール ハーンはすでに認知度も高く、昔からご愛用いただいているお客様も数多く存在します。そうしたロイヤルカスタマーと、モノづくりに対する思いを常にシェアしたい。そのことをアウターやハンドバッグ、アイウェアといった靴以外のアイテムを通じても感じていただきたいですし、ゆくゆくは彼らの子どもたちにもコール ハーンブランドを使ってもらいたい。そうした思いが我われをライフスタイルブランドへと駆り立てているのです。
コール ハーンは、シューズ以外にもクラフトマンシップとタイムレスなスタイルに、イノベーションを取り入れたさまざまなプロダクトをつくりつづけており、その意味においてすでにライフスタイルブランドへと成長していたと形容できる。だが、新生コール ハーンが目指すスタイルとコンフォートの両立は、「ゼログランド」の“衝突”により飛躍的に影響力を強めている。そのコンセプトは、ファッションピープルに留まらず、より多くの人にフィットするだろう。そして「ゼログランド」が多アイテム化された暁には、再びファッション界に激震が走るにちがいない。
コール ハーン ららぽーとTOKYO-BAY
営業時間|10:00〜20:00(金曜・土曜・日曜・祝日 21:00まで)
住所|千葉県船橋市浜町2-1-1 北館 1F
Tel. 047-421-7377
コール ハーン カスタマーサービス
0120-56-0979
http://www.colehaan.co.jp