Factelier by TERUTA|老舗ニット工場の技術を凝縮したカーディガン
Factelier by TERUTA|ファクトリエ バイ テルタ
老舗ニット工場の技術を凝縮したカーディガン
“メイド・イン・ジャパン復活”をコンセプトに掲げ、日本のアパレル工場と直接提携し、高品質のオリジナル商品を展開するウェブサイト「Factelier(ファクトリエ)」。シャツ、ネクタイにつづく今回の企画では、東京・墨田区の老舗ニット工場「テルタ」とタッグを組んだ。制作されたのは、デザイナーの角田陽太とテルタが共同で開発したカーディガン「ファクトリエ バイ テルタ」だ。
Text by IWANAGA Morito(OPENERS)
従業員70名から20名に減少した工場の復活を目指して
テルタ株式会社は1923年(大正12年)に創業し、今年で80年目を迎える老舗ニット工場だ。世界的なブランドのニット製品を数多く手がけ、得意とするミラノリブ・ジャケットやカシミア・ジャケットは「テルタのジャケット」と言われるほどの人気を博した。しかしながら、ファストファッションの台頭、低コストの海外生産へのシフトなどの要因で、70名いた従業員もいまでは20名となり、非常に苦しい状況にある。
このような状況を打破するため、ファクトリエは「メイド・イン・ジャパンの職人と技術を守り、消費者にも工場にも利益をもたらす」という精神のもと、今回テルタと提携することとなった。
伝統の技巧を惜しみなく注ぐ
完成したカーディガンでは、テルタの技術力が存分に発揮されている。リンキングと呼ばれる横編(よこあみ)ニット特有の縫製技術には世界的にも定評があり、端正なVゾーンを生み出す。裾・袖口部分のリブは、総針ゴムの針抜きにより制作されることで適度なテンションを保ち、すっきりとした直線のシルエットを実現した。
また、生地に使用されている19.5マイクロンのエクストラ・ファイン・ウールには防縮機能を付加しているので、家庭での洗濯も可能だ。“洗える高級素材”という理想的なアイテムというわけだ。
日本国内におけるアパレル品国産比率は、経済産業省の「繊維・生活用品統計月報 2010年」によると、1990年の50.1%から2009年には4.5%まで減少したという。しかし、このような現状を見かねて、日本のものづくりを守ろうという気運が高まっているのも事実だ。
日本のアパレル工場の技術力は世界一と言っても過言ではない。それは「ファクトリエ バイ テルタ」が証明してくれるだろう。
80年ものあいだ培われてきたニット工場の技術と情熱を、実際に袖を通して感じていただきたい。
ファクトリエ
http://factelier.com