「ロンドンコレクション メン」2015-16秋冬コレクションリポート(4)|JOHN LOBB
JOHN LOBB|ジョンロブ
「ロンドンコレクション メン」2015-16秋冬コレクションリポート(4)
アーティスティック・ディレクターのパウラ・ジェルバーゼからのメッセージ
「ジョンロブは素晴らしい靴を作っています。ここでの自分の役割は、クオリティと顧客に敬意を払いながら、あらたな視点で “エモーショナルに訴える” という要素をくわえること」と、プレゼンテーション会場で語るパウラ・ジェルバーゼ。2015-16秋冬コレクションより、ブランドロゴを一新し、新ラストを積極的に取り入れ、デザインも一見してわかるほどの変化をもたらした彼女の手腕は、大きな驚きをもって迎え入れられた。
Photographs by ARAKI RyujiText by KAJII Makoto (OPENERS)
鮮明に打ち出されていたパウラ・ジェルバーゼの表現
アーティスティック・ディレクターに就任したパウラ・ジェルバーゼの初のディレクションによるジョンロブ2015-16秋冬コレクションは、まさに衝撃的な内容で、プレゼンテーションは彼女が語る “エモーショナルに訴える” という要素を、ビジュアルで見事に表現した。
会場のスクリーンに映し出された英国の南西部、コーンウォールの風景は、まさにこの地に22歳まで住んでいた創業者ジョン・ロブが見ていたもので、パウラがこだわった「ジョンロブのルーツ」への想いが会場全体に浸透して、ビビッドに伝わってくる。
彼女が旅の途中で見た街、風景、色
今回パウラがクリエイティブのベースにしたのは「創業者のジョン・ロブは、誰で、どこから来て、なにをしたのか」―― 当時22歳の若者だったジョン・ロブが旅したコーンウォールからロンドンまでの約490キロを、パウラも実際にジョンロブの靴を履いて旅したという。
彼女が旅の途中で見た街はモデル名に使われ、風景や色は新作モデルのデザインやカラーに表現されている。
「ジョン・ロブの旅を知って、それがどれほど過酷なアドベンチャーだったか、素直に感動しました」とパウラは言う。「ジョンロブでのあたらしい仕事に期待と不安がありましたが、彼の気持ちに敬意を表してたどった旅路では、海があって、苔があって、自然があって、砂があって、さらに物語がありました」。
その旅を思い描きながらコレクションをつくり出せば、「それは必ずエモーショナルなシューズになるにちがいない」と語るパウラ。新作にブーツが多くみられるのも、ジョン・ロブの旅からの発想だという。
ブランドのルーツをたどり、物語から生まれてくる2015-16秋冬コレクション。彼女が与える変化に期待は高まる。
Paula Gerbase|パウラ・ジェルバーゼ
パウラ・ジェルバーゼは、サヴィル・ロウのテーラーでキャリアを積んだ後、2010年に、ピュアで抑制された物質主義をコンセプトにしたブランド「1205」をスタート。カット、素材、プロポーションを何よりも重視し、まるで喧噪のなかの静寂を見つけるように、本質的要素を探求することによって伝統的なクラフツマンシップを際立たせる。
ジョン ロブ ジャパン
Tel. 03-6267-6010
http://www.johnlobb.com/jp