Chapter 1 History 「ルイジ ボレッリ」は100年輝く
Chapter 1 「ルイジ ボレッリ」は100年輝く
アンナ、ルイジ、ファビオ、三代物語
イタリアを代表するハイクオリティ・メンズブランド「ルイジ ボレッリ」の歴史をひもとくと、ナポリにおいて1957年にシャツメーカーとして創業したというのが有名だが、じつはその50余年前にひとりの女性が仕立てたシャツから物語ははじまる。
シャツづくりに人生を捧げる
1904年、アンナ ボレッリは、ヴェスーヴィオ(日本ではベスビオ火山として有名)の麓、サンセバスティアーノにある自宅で、近所の人たちのためにシャツを仕立てた。ここから、ボレッリ家の歴史がはじまる。
アンナの仕立てるシャツは瞬く間に評判となり、ナポリのしゃれ者たちがこぞって袖を通すようになった。
1918年、アンナはアトリエを構え、シャツづくりに人生を捧げるようになる。これを継いだのが、アンナの息子、ルイジである。
ルイジは、1957年、「ルイジ ボレッリ」と名乗るシャツメーカーを創業させる。“カミチュリア・ナポレターナ”(ナポリのシャツ屋)の誕生である。
それまでの平面的なカッティングと、硬い縫製のシャツばかりだった時代に、ルイジは人体を徹底的に研究し、ミシンとハンドワークを使い分けながら、量産を前提としつつ、最良の着心地のシャツづくりをめざす。
それは、シャツづくりのポイントとなる、袖つけ、衿つけ、ヨーク、前立て、かんぬき、ボタン、ボタンホール、ガゼットの8工程を手縫いで仕上げるというもの。
熟練の職人たちにより、甘く、ゆとりをもちながらも丁寧に縫われることにより、ソフトな着心地と耐久性を生み出している。
トータル・ラグジュアリーブランドへの挑戦
1980年代、ルイジの息子、ファビオ ボレッリが経営に参加し、世界でももっとも有名になったシャツだけでなく、クラヴァッタ(ネクタイ)も手がけるようになる。さらに1999年からは腕利きの仕立て職人たちを集め、スーツやジャケットを生産する体制づくりにも着手。2001年からは、シャツとおなじ発想で、上質な着心地と最高のクオリティを追求したスーツ、ジャケット、重衣料、ブルゾン、パンツ、ジーンズ、ニット、アンダーウェアや雑貨まで展開する、トータルファッションブランドとして歩みはじめる。
「前に進むために、振り返る」というブランド・フィロソフィー
アンナ、ルイジと受け継がれてきた大いなる遺産は、ファビオがしっかりと受けとめ、さらに研究、改良することによって、ハンドメイドの魅力をさらに輝かせている。
良質な素材選び、ナポリの伝統を継承する卓越した仕立て技術、独特な色彩感覚、それらの絶妙のバランスがひとつのハーモニーとなって、最高の着心地を約束。過去の伝統と、現在の洗練の融合によって、「ルイジ ボレッリ」の革新性はとどまるところを知らない。