OLIVER GOLDSMITH|田中知之(FPM)、あこがれの復刻モデルの魅力に触れる(1)
OLIVER GOLDSMITH|オリバー ゴールドスミス
アンドリュー・オリバー・ゴールドスミス来日!
田中知之(FPM)、あこがれの復刻モデルの魅力に触れる(1)
初代オリバー・ゴールドスミス(Philip Oliver Goldsmith)がイギリス国内のオプティシャンへ1本1本丹念に手作りした鼈甲フレームを提供し始めたのが1926年。第二次世界大戦中は英軍の指定業者としてメガネを供給し、戦後は2代目オリバー・ゴールドスミス(Charles Oliver Goldsmith)による先進・先鋭的なデザイン&カラーのサングラスが一大ブームを巻き起こし、『オリバー・ゴールドスミス』はヨーロッパにおけるサングラスの代名詞とまで言われるようになる。
今回は3代目オリバー・ゴールドスミス氏が来日。東京・恵比寿のショップ「コンティニュエ」にて、自称・メガネ顔の田中知之さんが彼の物作りの精神に触れる。
Text by OPENERSPhoto by NAKAGAWA Akira
あこがれつづけたモデルがついに復刻!
田中知之 オリバー・ゴールドスミスさんはメガネにかかわって何年になられますか?
オリバー・ゴールドスミス 私が会社にくわわったのは1960年ですから、もう46年になりますね。
田中 46年ですか。すごいですね。今回の来日の目的を教えてください。
OG 今回は親しい友人たちとSAKEを飲んで、SUSHIを食べるために訪れました(笑)。ビジネスでは、1960、70年代に自分がデザインしたフレームを復刻するために、日本の生産拠点でのミーティングと、それに伴う日本発売のプロモーションです。今日も田中さんと再びお会いできてうれしいです。
田中 そうなんですよね。ちょうど1年前に、ルイ・ヴィトン表参道店の中にある会員制クラブ「CELUX(セリュックス)」だけで独占復刻するというパーティーでDJをさせてもらったときにご挨拶しているんですよね。
オリバー・ゴールドスミスさんは白のジャケットを着ていて、おしゃれな方だなという印象が残っています。ご自身のオールドデザインを復刻することは誰かから勧められたんですか?
OG 十数年つきあいのある日本のビジネスパートナーと「いつか昔のものを世に出したい」という話はずっとしていました。実は私の姪の4代目クレア・ゴールドスミスによって、昨年サングラスが復刻されています。サングラスはイギリスの職人の手による“ハンドメイドライン”と “日本生産ライン”の2ラインがあるのですが、フレームはやはり世界一の技術をもつ日本から世界に送り出したかったという思いがあります。
田中 サングラスの復刻もすばらしいですね。
OG 昔はイギリスにもたくさんの工場と職人がいたのですが、今は一社というか、ひとりしか修理屋のような職人がいません。サングラスのハンドメイドラインは全部その職人が手がけているのです。
田中 UKハンドメイドは大変貴重ですね。今日、オリバー・ゴールドスミスさんにまた会えるというので、自分が持っている写真集を持ってきたんですよ。僕、DAVID BAILEYの『GOODBYE BABY&A MEN』という写真集が大好きで、その中にマイケル・ケインが黒のセルのサングラスをしている写真があるんです。
それが彼の作品だと知らずに、ずっと、なんてかっこいい眼鏡をしたポートレートなんだろうとあこがれていたんです。オリバー・ゴールドスミスさんの作品だと知って感動しましたね。
OG それは60年代後半の写真集ですね。このモデルはちょうど来年(2007年)に復刻する予定で進行していますよ。
田中 本当ですか、絶対買います。
OG サンプルがありますから後でかけてみてください。
田中 東京スカパラダイスオーケストラの谷中 敦君と話をしていて「これが復刻したらいいなぁ」ってずっと言っていたんですよ。シェイプはほとんどおなじですね。
OG オリジナルが生産されていたときはハンドメイドだったので、素材のカットの仕方や角のシャープさなどはマシンメイドではなかなか完璧に表現できません。マイケル・ケインがかけているのももちろん当時隆盛だったイギリスの工場製ですね。ただ今回は日本の岐阜に優秀なセルフレームの工場があって、なんとその工場は設立年が『オリバー・ゴールドスミス』と同じ1926年という奇遇なんですが、職人さんたちが実に飲み込みが早くて、非常に手をかけた作りになっています。たとえば、レンズに向かってフレームのエッジが斜めにカットされた通称“TVカット”というディテールの表現など、私の話の内容をよく理解してくれるのに感心しました。
田中 納得できるテイストを次のジェネレーションが作るというのも難しい部分があるんでしょうね。
OG もちろん昔のイギリス的な機械では表現できない部分へのこだわりもありますが、今回のフレームの復刻では、オリジナルモデルと同様の肉厚なオリジナル8ミリの肉厚な素材を使用し、当時使っていた堅牢な10金・7枚蝶番や金のカシメ、なめらかな表面仕上げなども再現しています。と同時に、フィット感も重視した日本とアジア限定モデルもリリースします。
田中 それは今から楽しみですね。
取材協力: コンティニュエ
東京都渋谷区恵比寿南2-9-2 Calm恵比寿1F
12:00~21:00 第3水曜日休
TEL.03-3792-8978
www.continuer.jp/
『OLIVER GOLDSMITH』のアイウエアをはじめ、『OLIVER PEOPLES(オリバーピープルズ)』、『YELLOWS PLUS(イエローズ プラス)』、『REIZ GERMANY(ライツ ジャーマニー)』などオリジナリティの高いブランドが揃う。さらにショップオリジナル商品も展開。