中田英寿が繋ぐ、ジョンロブと「祇園ない藤」の職人の出会い(4)|JOHN LOBB
JOHN LOBB|ジョンロブ
中田英寿が繋ぐ、ジョンロブ マスターラストメーカーが出会う日本の伝統
「祇園ない藤」主人、内藤誠治さんが語る伝統(4)
「今の世の中はインターネットもあって、さまざまなことが、お客さまの方が情報を多くもっていらっしゃいますが、この世界では私たちの方が情報をもっています。たとえば、草履は“場を作る履きもの”です。日本は靴を脱いで家に上がる文化で、玄関で草履を見ると何の用事で来たのかがわかる、今日はどっちが主役かがわかる履きものです」と、「祇園ない藤」5代目主人の内藤誠治さん。「だから、うちの好みではなく、誰がどんなときに履くのかを聞いて、私たちが提案します。フォーマルな場で履きたいなら、それにふさわしいものをつくりますが、お客さまも丁寧に大事にしたい気分が出てくるものです」。
中田英寿が繋ぐ、ジョンロブと「祇園ない藤」の職人の出会い(3)
Photographs by HOZUMI HitomiText by KAJII Makoto (OPENERS)
履きものは、ファッショではなくて環境
「日本の建物は木でできていて、土の道で暮らしてきた。西洋の建物は石でできていて、石の道で生きてきた。そういう風土や考え方の違いがそのまま出ているのが履きものです」と内藤さん。
「自分たちの仕事はずっとあるもので、自分たちの良さや特徴は自分たちではわからない」と謙遜するが、内藤さんの仕事から生まれる履きものは、「ファッショではなくて環境、いうなれば建物に近い」と言う。
「ファッションとは、世の中が変わっていくなかであぶり出されるもの。昔はジーンズに下駄はだらしないと言われましたが、それがファッションになると流行になり、イコール消費の楽しみになっていきます。履きものを“環境”とたとえたのは、着物を着ることによってつくられる環境が良いときに私たちは着物を着ています。とくに重要なのはマテリアル。素材によって季節を感じ、知らない間に最適なものを選んでいますね」と語る。
まったくあたらしいカタチのビーチサンダル「JoJo」
ない藤さんの店で、ほかの商品とは一風変わった新素材の草履を見つけた。昨年5月に発表したビーチサンダル「JoJo」(http://www.jojo-manaproject.com/)だ。
「草履の知恵をどう展開していくか考えたときに、古い作り方で、材料をあたらしくして、あらたなものをつくり、それがコミュニケーションの道具になったらと考案したのが、このビーチサンダルです。ほ乳瓶の乳首と同じ素材を使うなど、作り方を説明すると、みなさん興味をもってくれます。それから私も教えていただく。視野が広がって面白いものができました」。
ビーチサンダルは4サイズ展開で、海外でも積極的に販売し、これから3年で20カ国ぐらいで販売できればと内藤さん。「こういう気さくなものから、草履を履いてみようかなと思ってくれることが大事なんです」と語る。
中田英寿のジョンロブ“ビスポーク”がついに完成(1)へつづく
祇園ない藤
京都市東山区祇園縄手四条下ル
Tel. 075-541-7110
営業時間|10:30~18:00
定休日|不定休
http://gion-naitou.com/
ジョン ロブ ジャパン
Tel. 03-6267-6010
http://www.johnlobb.com/jp