中田英寿がトライオンで訪れたパリのアトリエ(1)|JOHN LOBB
JOHN LOBB|ジョンロブ
パリ・モガドー通り32番地にあるジョンロブ ビスポークの聖地
中田英寿がトライオンで訪れたパリのアトリエ(1)
1863年にプリンス・オブ・ウェールズのために靴を製作し、1866年にロンドンに店をオープン。そして1902年にパリに進出し、1976年にエルメスグループに入ったジョンロブ。既製靴(レディーメイド)の工場はイギリス・ノーサンプトンにあるが、誂え(ビスポーク)はすべて、このパリのアトリエで製作される。
Text by MATSUNAGA MaikoPhotographs by MATSUNAGA Manabu
写真からも機械の音が聞こえてこない
パリの中心部、モガドー通りにあるビスポークアトリエの2階は、天井が高く自然光の差し込む美しいスペースだ。そんななかでジョンロブの有能な職人たちは、靴づくりの行程のすべてを分業で、手作業で進めている。
アトリエに入ると、ひとつ目の部屋で、フランソワ・マドニーニ氏を含むマスターラストメーカー3人が大きな木のテーブルで作業をしている。フランソワ、ジョン、ミッシェルの3人が“フォーミエ(フォーム)"をの製作を担当。部屋の中にはゆったりとした空気が流れる。
つぎの部屋には、明るい窓際にビスポークの行程順に机が並べられ、スムーズに流れ作業がおこなえるようになっている。
型紙を引くパトロニエ(パトロン)、革の一番上質なところを選ぶ“ラ・ルヴェ”の担当はヒューゴ、型紙通りに革を切る“クップ(カット)”はノエミが担当。
つぎに、裏地をつけて縫いつける“ラプレタージュ”は、イザベル、エディット、カリーヌが担当する。そしてソールを縫いつける“モンタージュ”は、クリストフとオリヴィエが担う。
それぞれのスペシャリストが一足の靴と向き合う
靴ができあがると、マスターラストメーカーのミッシェルが革のソールの部分にロゴ印を押しに、1階の作業場へ降りて行く。その隣には、シデの木を削り込んだ木型(ラスト)が保存されている部屋がつづく。
注文を受け、トライオン(仮縫い)をおこなうたびに木型も変化し成長していく。いうなれば、木型の補正はその人の歩んできた痕跡ともいえる。なんともロマンチックではないか。
ジョンロブ「ビスポーク」
価格|99万3600円~(税込)
※同一ラストでの2足目以降は89万1000円
期間|メジャーメントから約4カ月でトライオン(仮縫い)、さらに約4カ月後に納品
ジョン ロブ ジャパン
Tel. 03-6267-6010
http://www.johnlobb.com/jp