STUDIOUS|ステュディオス谷 正人×ファクトタム有働幸司対談(1)
FASHION / MEN
2015年7月24日

STUDIOUS|ステュディオス谷 正人×ファクトタム有働幸司対談(1)

STUDIOUS|ステュディオス

STUDIOUS代表取締役CEO 谷 正人×FACTOTUMデザイナー有働幸司(1)

今考える、“ファッションの原点”とは

「TOKYOクリエイションで世界と勝負する」――“日本発ファッションスタイルを世界へ”をコンセプトに掲げ、日本国内ブランドに特化した次世代セレクトショップ「STUDIOUS(ステュディオス)」を率いる谷 正人氏が、OPENERS初登場。昨年30歳になった谷氏が、「今、会って話してみたいひと」を指名し、ファッション観はもちろん、お互いの理想と夢を語り合う。第一回は、ブランド10周年を迎えた「FACTOTUM(ファクトタム)」のデザイナー、有働幸司氏を迎える。

Text by KAJII Makoto (OPENERS)Photographs by SUZUKI Simpei

お客さんにも“次世代”の意気込みを感じます(有働)

「STUDIOUS(ステュディオス)」は、海外の良いモノ・ブランドを集めて日本に紹介する従来のセレクトショップと真逆の発想から2007年に創業。現在、ECをふくめて15店舗、スタッフ約120人を擁し、100ブランドを超える日本国内ブランド(TOKYOブランド)をステュディオスのフィルターを通して発信している。

大きな特徴は、谷社長自らがバイヤーとして各ブランドの展示会に出かけ、また、各店舗の店長もバイヤーとして商品を買い付けているので、たとえば、原宿店と新宿店では買い付けている商品が異なり、店長の個性がそのまま店の雰囲気を作っていることも挙げられる。

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谷 正人 今回OPENERSで短期集中連載をするにあたり、第一回目はぜひ有働さんにとお願いしました。

有働幸司 それはありがとうございます。

 有働さんとは、ステュディオスがファクトタムを扱いたいとオファーしているときに紹介していただいたのがきっかけでしたね。

有働 谷君と話すようになって、谷君の「自分がいいと思うモノをストレートに扱いたい」という熱い思いが伝わってきて、ステュディオスが目指していることが理解できるようになりました。これからのあたらしい時代を切りひらくひとだと、興味深く見守っています。

 ありがとうございます。昨年30歳になりました。

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有働 ステュディオスのショップを見ると、ブランドや商品を大切に考えていることがよくわかります。服をきれいに見せてくれるディスプレイで、服を売るのと同時に、“ものを伝える”というプロセスを大切にしていますね。
セレクトショップが多様化しているなかで、日本のものづくりをベースにした着眼点も新鮮で、お客さんにメッセージが伝わりやすいですね。

 次世代セレクトショップというと、合理的な運営だと思われがちで、ステュディオスはあたらしいことをやっているように見えますが、じつは時代と逆行して、昔スタンダードだったことを今の時代に合わせてやっています。

有働 たとえば、日用品としてのファッションなら、ネットで買って済ますような合理的な買いものでいいんですが、嗜好品としてのファッションは非合理的なことも求められていますよね。ステュディオスを見ていると、服とブランドをしっかり打ち出しながら、販売員がエンターテイナーのような接客をして、お客さんは接客もふくめて“時間を買って”いる。
そうしてステュディオスで買いものを楽しんでいるひとは、いろんなブランドを上手にミックスして着ているおしゃれな方が多いですね。そこにも“次世代”の意気込みを感じます。

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今の日本のリアルが伝わるショップを海外へ(谷)

 有働さんから見て、日本のファッションマーケットはどう見えますか。

有働 ファクトタムの2014年春夏コレクションのクリエイションでは北欧のフィンランドを訪れたのですが、日本人のファッション感度はまちがいなくずば抜けて高いですね。日本のファッションはいい意味でミックスカルチャーで、僕たち世代は、古着とモードブランド、谷君の世代はドメスティックとワールド、さらに古着などでよりミックスされた感覚がありますね。

 たしかにラグジュアリーから、ファストファッション、ゴスロリまで、ファッションショップがこれだけ密集している原宿は世界中のどこにもない独特な雰囲気で、カオスなおもしろさもありますね。

有働 ステュディオスはそのおもしろさの一翼を担っているし、コンセプトをお店で表現しているのがステュディオスの強み。今後どうなっていくのかが楽しみですね。ひょっとしてファッションを超えてなにかやるかもしれない。

 じつは今年から海外へ打って出る予定で、感度の高い東京のリアルなファッションを伝えたいと思っています。日本というとサブカルチャーばかりがスポットを浴びますが、たとえばリアルクローズを提唱するファクトタムなどのブランドで、向こうの文化を変えることが、今の日本のリアルが伝わりやすい土壌を作ることになると思っています。

有働 そういう視点はあたらしいですね。期待しています。

STUDIOUS代表取締役CEO 谷 正人×FACTOTUMデザイナー有働幸司(2)につづく

谷 正人|TANI Masato
STUDIOUS代表取締役CEO。1983年10月静岡県生まれ。2006年中央大学商学部卒業。同4月デイトナ社入社、STUDIOUS事業を一から立ち上げ。2009年2月同社STUDIOUS事業部 事業部長を経て退職。同3月MBOにてSTUDIOUSを創業。

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STUDIOUS 原宿本店
東京都渋谷区神宮前4-26-32 吉田ビル 1F
Tel. 03-5785-1864
営業時間|12:00~20:00
http://www.studious.co.jp/

FACTOTUM
http://www.factotum.jp/

INFORMATION|FACTOTUM Gallaryで「アオキ アキラ」初の個展開催

昨年8月のFACTOTUM代官山店リニューアルと同時に、「FACTOTUM appartement」内に併設された「FACTOTUM Gallary」は、国内外、形式にとらわれず、デザイナーの有働氏が選んだモノとコトにフォーカスして発信する場所としてオープン。
記念すべき第1回目のアーティストとして、国内外のブランドのアートディレクションやグラフィック、アートショーを数多く手がけるアーティスト、アオキ アキラ初の個展「ONESWER」が、2014年1月25日(土)から2月2日(日)まで開催される。

FACTOTUM Gallary EXHIBITION「ONESWER」
期間|2014年1月25日(土)~2月2日(日)
時間|13:00~20:00
東京都渋谷区鶯谷町11-3
FACTOTUM Gallary(FACTOTUM appartement内)

           
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