VANDORI 2013-14年秋冬コレクション
VANDORI|ヴァンドリ
デビューシーズンのテーマは「Dusseldorf Man」
“Fit in Well”で作り出す美しいニットウェア
今シーズンのブランド立ち上げと同時に、8月30日(金)に青山本店をオープンするメンズニットブランド「VANDORI(ヴァンドリ)」。身体に溶け込み、無駄のないデザイン“Fit in Well”を追求し、カシミアやファインウールなど最高級の天然繊維を選定、熟練の職人によって、ハイクラスのニットウェアを展開する。代表でアーティスティックディレクターの大西賢尊氏がデビューコレクションを解説する。
Text by KAJII Makoto (OPENERS)
ブランドの目指すポストモダニズムの陰影を撮影で表現
──今シーズンのルック撮影でこだわったポイントと、注目してほしいところは?
奇をてらわず上質な佇まいを演出することを意識し、ロケ地となった場所にはオランダからレンガ職人ごと連れて来て、約9万個のレンガを手作業で積んだロケ場所を探し撮影しました。
それは、何百年と変わらず、そして今後も未来永劫に引き継がれるであろう建築物と現在のライフスタイルに合わせたリアルクローズとの融合であると捉えており、ヴァンドリの目指すポストモダニズムの陰影を最大限に意識しています。
──今シーズンのキールック(コーディネイト)は?
主力商品であるニットの柄はすべてオリジナルとなっています。また、編み地を切り替えることによって着ていただけるひとの体型をよりたくましく、また美しく見せるためのコンセプト“Fit in Well”のポリシーを大事にし、ウエストから首もとにかけて段々とたくましくなっていくさまを見せるようにしました。したがって、着用のパンツは他ブランドのもので細身のシンプルなものと組み合わせをしています。
鳥が羽を休めているさまを表現したカシミア100%のアウターガウン
──キーアイテムとキーカラーは?
キーアイテムはまず、カシミア100%のアウターガウン。上質なカシミアと成型による畔編を細身で表現し、動きやすいデザインに仕上げています。
クルマ文化が根深いヨーロッパで、ドライビングシーンを想定し、前身ごろのボタンはすべてなくし、羽織ったときの身体のシェイプを最大限に引き出すように、前身ごろの幅を狭くすることで胸から腰にかけて広がることを意識し、鳥が羽を休めているさまを表現しました。展開色は今シーズンのテーマである石の町デュッセルドルフのダークグレー、ブルージーンズ、スノーホワイトの3色です。
もう1点は総柄の丸首ニットです。上質なメリノウールで仕立てたニットでデュッセルドルフの細かい石畳に反射する空の青と、夕景になると石畳はオレンジ色に輝きます。したがって青、オレンジの2色で展開しています。
──今シーズンこだわった「素材」は?
VANDORIは上質なニットブランドです。使用する糸は国内外で調達できる最高のカシミア、シルク、メリノウール、ラムウールが主体となっています。とくにラムウールはスポンディツシュな膨らみと軽さがあるシェットランドタイプの羊毛から、ニュージーランド南島のクック山周辺の山岳地帯のみで飼育されているカシミアに匹敵する超極細ウールやシルク、カシミアを使用。すべての品番で、素肌に着られる心地良さにこだわっています。
──デザイナーの仕事のやりがいとは?
洋服のもつパワーは計り知れないと思っています。自分がビジネスを通じ世界各国を旅して経験してきた世界中の衣食住およびクルマを中心とした人びととの交流。そんな経験をニットデザインに落とし込み、商品を愛していただける方々がいらっしゃるのであれば、その経験を共有できたことのように感じることができます。デザイナーとしてのそれは最大の喜びだと思っています。
──ファンにメッセージを。
我々の目指すところのブランディングは、世界中のニットの原料・生産背景を活用し “Fit In Well”を心がけ、各国の気候や風土に合ったストーリーとともに日本のクリエイションを落とし込んでいくことです。今後のBIG BANGに期待してください。
そしてMADE IN JAPANではなく、POWERED BY JAPAN,CREATED BY JAPANを創造することを心がけていきたく思います。ぜひ、長くご愛用ください。
問い合わせ
Vandori青山本店
東京都港区南青山6-2-2-102
Tel. 03-6418-7832
http://vandori.jp/