強くこだわっているのは、「視覚・触感・味覚」

──2013-14年秋冬コレクションのテーマ／コンセプトは？

通年のテーマですが、テキスタイルとクオリティにこだわり、素材のもつ個性を生かしたデザインと、ノーブルでありながらもどこか力の抜けた温もりや優しさを感じるスタイルを提案しています。
ブランドの特徴となるのは、糸や織りの一つひとつにこだわり丹念に作りあげた素材と、その生地がもつ質感を引き立てるデザイン。服は半年という短いシーズンで切り替えられてしまうからこそ、つぎのシーズンにも気がついたら手にしていて着てもらえるような服を作り、強くこだわっている「視覚・触感・味覚」（「視覚」＝デザインや色、「触感」＝触ったときの感覚・感触、「味覚」＝着たときの着心地や、パターン）に自分なりのニュアンスや時代性を少しずつ詰め込んでいます。

また、テーマというものは毎シーズン明確に設けていないのですが、今季はここ数シーズンつねにつづいている“リラックス感”、その先にあるものを自分なりに模索し、リラックスした感覚は残しつつ少しシャープ感を加味しました。
また、スーチングなど固いアイテムもありながら、つねにストリートの感覚をもつようにしています。すべてを生真面目にみせるのではなく、どこかで微量の遊びをもたせ、抜けさせることが大切だと考えています。

──今シーズンのキールック（コーディネイト）は？

シャープ感が加味されたセットアップのルックや、キーカラーのアイテムを使ったルック。

グレーの上からオーバーダイしているロイヤルブルーとエレガントグリーンに注目

──キーアイテムとキーカラーは？

アイテムはジャケット。ジャケットはメンズのコレクションのなかでつねに基軸になります。今回は毛芯仕様のテーラード以外に1枚仕立てのパイピングジャケットや、パターン、縫製で歪みを表現した4Bのアンバランスジャケットなどバリエーションを増やしました。
キーカラーは、ロイヤルブルーとエレガントグリーン。グレーの上からオーバーダイしているのでメランジ感が出て色気としてあわせやすくなり、深み・しぶみがでています。

──今シーズンこだわった「素材」は？

定番素材のウール85％、カシミア15％のメルトン。トップ（糸染め）のグレーのものをオーバーダイすることで深いロイヤルブルー、エレガントなグリーンを演出しました。大人が冬に色を表現するのにもってこい！

また、120番双糸のウールのガンクラブチェックは非常に柔らかくリラックスした雰囲気。でもクラシックな柄です。
そしてウールパイル。定番素材（2シーズン目）を進化させたもので、表の糸を昨年より3倍細く、ただし中のつなぎの糸はよりもっちりするようにつくりました。完全にストレスフリーです。

＜主な取り扱い店＞
Barneys Japan、Ron herman USA、Beams、Edition、1LDK

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