バイ リクエストから感じるジョンロブへのリスペクト(後編)|JOHN LOBB
FASHION / MEN
2018年8月24日

バイ リクエストから感じるジョンロブへのリスペクト(後編)|JOHN LOBB

JOHN LOBB | ジョンロブ

バイリクスエトの完成形にみる、渡辺真史の率直な感想

100種類を超える現行モデルやアーカイブをベースに、素材や色やウィズなどを選べる「BY REQUEST(バイリクエスト)」は、ホスピタリティに満ちたジョンロブのパターンオーダーシステム。2018年3月、その贅沢なサービスを体験したベドウィン&ザ・ハートブレーカーズのディレクターの渡辺真史氏は、この日を心待ちにしていた。自身のスタイルに取り込むことを第一に考え、定番のローファー「ロペス」をパテントに。ストリート育ちの渡辺らしい独特のアイデアだが、その完成形を想像することは自身でも難しかったという。オーダーから約半年後、自分だけのジョンロブを手にした瞬間の感想とは?

Photographs & Video by NAGAO MasashiText by OZAWA Masayuki

ストリートの発想もジョンロブなら最高級に仕上げてくれる

――改めて、渡辺さんのオーダーの意図をご説明ください。

渡辺 このオーダーのお話をいただいてから、まず自分でキャップトゥオックスフォードの「CITY II(シティ2)」を購入しました。みなさんもよくご存知の普遍的でドレッシーなモデルです。定番を手にすることでジョンロブの世界を知りたくて。その上で次にカジュアルにも使えるジョンロブが履きたくなり、大好きなローファー型の「LOPEZ(ロペス)」でパテントが欲しくなりました。ビジネスでは不向きだけど、日常から華やかなパーティまで使えるでしょう。スタッフの丁寧なご説明やご対応のおかげで、のびのびとオーダーできたことも印象深いです。さすがジョンロブだなと。

――出来上がってみて、どうでしょうか?

渡辺 見た瞬間、100点でしたが、足を通したら100点以上、とも思いました。格が違うというか、自分がワンランク上に登ったようなうれしい気持ちです。

僕は貧乏性というか、コレクター気質でもあるから、世界に一足と思うと履かずに飾ってしまう性分で。しかし先日、漆塗りの産地で有名な石川県の輪島市に行き、職人に器について話を伺う機会をいただき「高級なものほど、毎日使ってこそ、その良さがわかる」と考えを改め直しました。もったいないな、という気持ちもありますが、履けば履くほどジョンロブが自分の靴になっていく気もしています。

渡辺 履き心地は最高です。フィットがすごく良く、遊びがありません。足が包み込まれている感覚がありながら、特別に当たって気になる部分もない。1日履いても疲れなさそうと素直に感動しました。

――足の内側のラインがとてもまっすぐ伸びていて、美しいです。

渡辺 僕のラストはDでした。思ったより小さなサイズになりましたが、全体のバランスが整っているからか、鏡で見ても足が小さく見えません。スラックスはもちろん、ショーツを合わせてもバランスがきれいです。カジュアルに合わせたら、より履く日数も増えます。つまり毎日がランクアップしているみたいで、楽しい気分になります。

――今まで履いてきた、数多くのローファーと比べてどうですか?

渡辺 革の高級感が違うのは、パテントでもわかります。あと幅と長さのバランスや、サドル部分の楕円形の窓の形状とか、シルエットもディテールも出で立ちが男前ですよね。

渡辺 僕にとってジョンロブは、フランスとイギリスのちょうど中間的というか、いいとこどりした魅力があります。英国靴による質実剛健で丁寧なつくりと、フランス靴らしいエレガンスがすべてに表われています。だからこそ、僕みたいな無知でわがままなオーダーにも応えてくれるというか。カジュアルにジョンロブを、というアイデアは、我ながら日本人らしいと思う一方で、その道のプロには邪道だと怒られそうですが、現物を見て「あ、これもいいね」と思わせる不思議な魅力があります。だからこそ、ガシガシ履きたいです。ぜったいに「それどこの靴」って聞かれそう。

――あえてのパテントが、今回のリクエストの妙ですね。

渡辺 自分のブランドでも、別注やコラボレーションをさせて頂く機会は多いですが、常に自分のライフスタイルやファッションの原体験がベースにあります。「こうだったらもっと履くのに」と、ベースモデルに付け加えることもあれば、なくすこともある。カスタムカルチャーが常に存在していて、D.I.Y.的に自分色に染めていく作業です。

渡辺 今回の「BY REQUEST(バイリクエスト)」も、個人オーダーですが考え方は同じ。飾るだけでなくデイリーに履くことで、僕なりにジョンロブを輝かせたいという観点でみれば、パテントは正解でした。しかし、毎日スーツを着てここ(丸の内)を歩いているビジネスマンの方なら、また違う理想があると思うし、だから企画の意味があると思いました。ローファーとパテントの組み合わせは、スケートボードや自転車が身近な自分らしい発想だと思うし、最高級を遊んでみたいという発想もストリートカルチャー育ちの欲だと思う。格式と歴史のある最高級のメーカーに対して「僕だったらどんなリクエストができるか」を考え「何をどう作っても最高級である」と実感できる。ジョンロブの虜にならざると得ない素晴らしいシステムです。

――最後にどんな、スタイルに合わせたいですか?

渡辺 夏は素足にローファーを合わせたい。今日は以前のジョンロブのコーポレートカラーだったイエローをどうしても合わせたくて履いてきました(笑)

カジュアルに合わせるときは、赤や白いソックスもいいかな。靴から考えるスタイリングも楽しい。そして一年を通して履けるな、と改めて思いました。冬だったらジーンズもいいし、ピンストライプのスラックスにソックスを少し覗かせて色で遊びたい。とにかく靴の顔立ちがきれいなので、ボトムスの裾を靴に被さず、少し短い丈で目立たせたい。何より、このジョンロブを履いている人は、世界で僕だけですから。

渡辺真史|WATANABE Masafumi
モデルとしてキャリアを始動した後、イギリスへの留学などを経てデザイナーとして独立。2004年にベドウィン&ザ・ハートブレイカーズをスタート。ディレクターとして活躍する傍ら、アディダス オリジナルスなど世界的なブランドとのコラボレーションなども手がける。

問い合わせ先

ジョン ロブ ジャパン

03-6267-6010

http://johnlobb.com/jp

           
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