GUCCI|秋、詩情の旅へと誘うグッチの新作ラゲッジ
GUCCI|グッチ
2012-13年秋冬コレクションより新作到着
秋、詩情の旅へと誘うラゲッジ
クラッチなどの小振りなバッグが注目されるなか、グッチの秋冬コレクションから届いた新作ラゲッジは、どれもかなりのビッグサイズ。ボードレールやランボーなど、旅を愛した詩人たちにインスピレーションを得た新作ラゲッジのなかから、3つのトラベルバッグを紹介しよう。
Photographs by JAMANDFIXText by FUJITA Mayu(OPENERS)
表現者たちの探求の旅に寄り添うのは、味のあるラゲッジ
カラヴァッジョの絵画のような、深みのあるドラマティックなカラーパレットで描かれたグッチの秋冬コレクションが織りなす世界は、溢れる芸術性を漂わせながら戦う反逆者のための知的なラグジュアリースタイル。素材は現代のオスカー・ワイルドにふさわしいベルベット、アールデコ調のフローラルデザインのプリント、伝統的な手法によるジャカード織り──テーマはデカダンス。深遠なブルー、静かに燃えるレッドのベールをまとい、「悪の華」がプリントやジャカードに開花する。まるで詩人があらゆる体験の連続から一篇の詩を紡ぐように、レイヤードを重ね、さまざまなスタイルをミックスすることでパーソナルなスタイルを作り出す。
コレクションのなかでキーアイテムとして注目したいのが、表現者たちのあくなき探求の旅をイメージさせる大きなラゲッジだ。フローラルパターンのジャカード ベルベットや古地図をモチーフにしたトラベルバッグなど、さまざまなタイプのラゲッジが登場した。
とりわけ印象的であったのが独特な模様が特徴的なブリーフケース。馬車で旅をしていた時代を彷彿とさせるクラシカルなデザインと柔らかなシェイプは、まるで長旅をつづけるなかで表情に深みを増したような、味のある佇まいが魅力。エキゾチックレザーとも思わせる特徴的な模様の革は、じつはラムレザーである。上質なラムレザーを2色で染めたのち、軽石を使って表面を削ることでベースの色があらわれ、ラム特有のシボ感が強調された独特な表情を生む。すべて職人の手作業によるため、ひととつとしておなじ模様のラゲッジはないのだ。
アイボリーのキャンバス地が貼られた内装は大きくふたつに仕切られ、一方にはファスナー付きのポケットとペンホルダー。もう一方には大小3つのポケットを備える。ハンドルにはホーンを使用。印象的なコンビネーションロックをはじめ、メタルパーツにはツヤ消しのシルバーが使われるなど、アンティーク調のディテールからはいくつもの旅の物語を予感させる。
レザーバッグのほかにもうひとつ、コレクションのなかで存在感をみせたのが、まるでモネの絵画のような淡い色の連なりが美しいジャカードのバッグだ。この抽象的な柄をみて、いったいなにが描かれているのだろうと思われるだろうが、じつはジャカード生地を裏返しにして使用しており、本来の柄はバッグの内側に隠されている。木々や草花、鳥などといった森のなかを思わせる自然のモチーフに、ブランドのルーツに深くかかわる乗馬のモチーフが描かれている。
ハンドルとベルトには先に紹介したレザーバッグとおなじ独特な加工がされたラムレザーを使用。使い込まれたような、味のある雰囲気を醸し出す。カタチはスマートなトートタイプとがま口タイプのダッフルバッグが揃う。いずれも一泊、二泊の旅行ならば余裕をもってパッキングできるかなりのビッグサイズである。
ボードレールやランボーがそうだったように、あまたの表現者たちを旅へと駆り立てるものとはなんだったのか──自然が鮮やかに色づくこれからの季節、その答えを探しに旅へ出よう。彼らが本のなかに書き残したヒントを手に、詩情あふれる秋の大地へ。グッチの新作ラゲッジが男たちを旅へと誘う。
グッチ ジャパン カスタマーサービス
Tel. 03-5469-6611
http://www.gucci.com/