軽さをまとった英国靴|JOHN LOBB
JOHN LOBB|ジョン ロブ
洒脱な大人は靴で遊ぶ「DRIFT」
足元に抜け感をもたらすスエードシューズ
春夏らしいリラックスした装いには、大人としての上質さや品格が欠かせない。そのふたつの要素が互いに補完することで、バランスの良いクラス感のあるコーディネートは完成する。そうしたスタイルにふさわしい靴が2016SSの新作「DRIFT(ドリフト)」だ。
Photographs by KOBAYASHI Takashi(ITARU Studio)Text by ITO Yuji
“伝統と革新”こそが、いまどきの英国らしさ
英国のイメージといえば伝統に重きを置き、ステッキをもった紳士が街を闊歩する。というのはいまとなっては想像上のなかでの遺物でしかない。実際に訪れてみれば、人びとの現代的なコーディネートに感心するはず。だが彼らが伝統を軽んじているかというと、そうではない。靴、ファッション、クルマなどライフスタイルにまつわる嗜好性は、やはり歴史のあるブランドを選ぶ。
そのようなモダン感性を持ったジェンツたちに愛されるブランドを見ていると、モノづくりにおけるある特徴に気づく。それが“伝統と革新”である。素材や技術といった核となる部分においては伝統を受け継ぎ、デザインや感性といった部分ではイノベーションを取り入れてゆく。
こうした特徴は、英国が数多くのデジタルガジェットやファッションのデザイナーを輩出していることからもうかがえるように、革新を得意とする国民性の証ともいえる。だからこそ英国のプロダクトからは目が離せない。このクラシカルなようでいて退屈さとは無縁のデザイン性、それを象徴するかのようなコレクションがジョンロブから発表された。
見た目もはき心地も軽やかな靴
ジョンロブの2016年SSコレクションとして登場する「DRIFT(ドリフト)」は、夏のカジュアルシーンにふさわしい軽やかなスエードのダービーシューズ。2アイレットのシンプルなデザインはモダンな印象で、リラックスしたスタイルを引き締めるアクセントとしての効能を持つ。
例えばベージュやカーキといったナチュラルカラーのコットンのセットアップの足元に、サンダルではなく自然な色のウェルトとソールを採用した「ドリフト」を合わせてみる。すると装いはグッと都会的なイメージになり、軽やかな抜け感をもったコーディネートに仕上がる。
このような視覚的な軽さに加え、履き心地にも軽さを追求しているのが今季の新作の特徴でもある。この靴もヴァンプ部分はアンライニング仕様となっており、柔らかなアッパーのスエードが心地よくフィットする。堅牢なウェルテッドシューズでありながら、それを感じさせない仕上がりは、いまどきの英国らしさ、という価値観を教えてくれる。
モデル名|「DRIFT(ドリフト)」
色/素材|Black,Slate,Indigo,Parisian Brown,Bruinn,Sand/Suede
ラスト|8695
ソール|シングルレザーソール(ナチュラル)
製法|グッドイヤーウェルト製法
価格|24万8400円
サイズ5E~9.5E