MIJカプセルコレクションを発表|Ermenegildo Zegna
Ermenegildo Zegna|エルメネジルド ゼニア
アマン東京でカクテルパーティを開催
イタリアンデザインとジャパニーズクラフトの融合(1)
「エルメネジルド ゼニア クチュール」コレクションのヘッドデザイナー、ステファノ・ピラーティ氏のデザインを日本の素材、職人の技術を用いてクリエイションするMADE IN JAPAN カプセルコレクション。その発表を記念したパーティがアマン東京を舞台に開催された。
Text by Ito yuji
アマン東京初となるイベントを開催
「エルメネジルド ゼニア」が会場として選んだのは、都内でも屈指のラグジュアリーホテル「アマン東京」。昨年12月にオープンして以来、ホテルがパーティ会場となったのは初めてのことだという。会場にはステファノ・ピラーティ氏も訪れ、ディナー、そしてカクテルパーティが開催された。
窓際には今回のイベントの主役である、MADE IN JAPAN カプセルコレクションが展示され、写真家ホンマタカシ氏が次世代を担う5人のキー オピニオン リーダー(KOL)を東京の都市風景とともに撮影した「メイド イン ジャパン」写真展もお披露目となった。
デジタルサイネージに映し出されるのは、ホンマ氏によるポートレートとムービーで、カプセルコレクションを纏ったKOLたちの姿を東京を象徴する場所で撮影された。このビジュアルのコンセプトとなったのは、エルメネジルド ゼニアが提案するボーダレススタイルで、それにホンマ氏独自の解釈がくわえられている。
ステファノ・ピラーティ氏が語るプロジェクトの鍵
――カプセルコレクションのパートナーとして日本を選んだ理由は
世界最大級の店舗である銀座グローバルストアのオープンを祝して、カプセルコレクションを発表したいとかんがえていました。エルメネジルド ゼニアが誇る価値観である、ファッション感度の高さ、最上級のクオリティ、傑出したクラフツマンシップに支えられた、上質かつ男性的なエレガンスを称えるプロジェクトです。
――イタリアと日本のモノづくりにおける共通点とは
イタリアと日本は、おたがいにクラフツマンシップやサルトリアスタイルの卓越性といった価値観を共有できる国だとおもっています。特にパートナーを選ぶにあたり、テキスタイルメーカーを出自とするエルメネジルド ゼニアが、そのクオリティの高さに敬意を表している日本の生地メーカーとの関係性や、イタリア式テーラーリングやエレガンスに対する経験値のあるトップクラスの技術者をリサーチするなど、タイムレスな芸術作品をつくるために注力しました。
――カプセルコレクションのデザインにおいてもっとも気を使った点は
エルメネジルド ゼニアらしさを失わず、日本のクラフツマンシップを感じるものになるように配慮しました。どちらかに偏ることなく、双方の良さをいかした作品になるようにバランスをコントロールしました。
――コレクションを発表した感想や周囲からのリアクションは
予想を超えるみなさんの高い関心、細部や詳細を知りたいという欲求に驚きました。でもこの熱心さが、まさに品質や趣、クラフツマンシップに対する、イタリアと日本に共通した情熱からくるものなのでしょうね。
――今回のイベントを通じて感じたこと
とても素晴らしいひとときで、MADE IN JAPAN カプセルコレクションのアイデアを頂点に高めることができました。プレゼンテーションの場所もパーティ自体もエキサイティングで、本当に感動的でした。KOLとの会話も楽しむことができましたし、彼らとのコラボレーションを将来のプロジェクトにつなげていけたらと願っています。
Page02. ホンマタカシ氏が語る「メイド イン ジャパン」写真展の魅力
Ermenegildo Zegna|エルメネジルド ゼニア
アマン東京でカクテルパーティを開催
イタリアンデザインとジャパニーズクラフトの融合(2)
モデルは次世代を担うキー オピニオン リーダー5人
ホンマタカシ氏が撮影した「メイド イン ジャパン」写真展は、エルメネジルド ゼニアがかんがえるボーダレスを視覚的に表現したもの。パーティにはホンマ氏、そしてキー オピニオン リーダー(KOL)として選ばれた、加瀬 亮(俳優)、ムラカミカイエ(クリエイティブディレクター)、渋谷慶一郎(音楽家)、重松象平(建築家9、長谷川在祐(ミシュラン二つ星シェフ)の5人も出席した。
作品はいずれも生命感あふれるフォトドキュメンタリーとなっており、エルメネジルド ゼニアによるMADE IN JAPANプロジェクトの理念を、多角的な観点からビジュアルとして表現。ホンマ氏の写真と5人のKOLたちがもつ世界観が融合した作品は“ローカルでありながら、また極めてグローバルである”という新時代における理想的な男性像のひとつの断面を示したものとなった。
ホンマタカシ氏が語る「メイド イン ジャパン」写真展の魅力
――今回のモデルを選ぶにあたってのキーワードは
日本人なのに海外で通用する人たち。彼らのパワーを感じられる写真を撮ることを心がけて挑みました。自分にとってはもちろんですが、彼らのリアルを撮るためにあえて、つくりこむようなことはしませんでしたね。
――撮影した場所、テーマの選定について
今回は日本限定のコレクションということだったので、それらしさを感じさせる場所と人との組み合わせを選んだつもりです。ただし、ファッションシューティングではなく、あくまでも彼らを切り撮るポートレートとして撮影しました。
加瀬さんは東京湾を背景に工業的な景色が見えるルーフトップで、ムラカミさんは森山邸で個々の建物が林立するなかの、たったひとつの存在をテーマに。そして渋谷さんは、彼のスタジオとオフィスなどが舞台となっています。長谷川さんと重松さんに関しては国際文化会館の庭園と室内で、日本的なニュアンスとモダニズムといった要素を取り入れました。
――撮影現場の様子はどのような雰囲気でしたか
イタリアからもスタッフがやってきて、現場でも好評でしたね。わかりやすい日本らしさだけではなく、現代の東京としての風景も入れることで表現の幅を広げることができたとおもいます。カメラはスチールと同じもの使って、実験的な撮影でありながらも本番という緊張感も心地よかったですね。
ホンマ氏の撮影でKOLたちが着用したアイテムは銀座店では9月5日(土)より、大阪店では10月1日(木)に発売されている。ぜひショップを訪れて、生命感に溢れるポートレートとムービーとともに、MADE IN JAPANプロジェクトがもたらすあたらしい価値観を体感してほしい。