グッチ「ビットモカシン」の魅力を3人の“先達”がムービーで披歴
その感動と衝撃を、今もなお忘れさせない
グッチ「ビットモカシン」の魅力
グッチの「ホースビットモカシン」。それは半世紀以上ものあいだ世界の伊達男たちの心を虜にしつづけている、まぎれもない名品である。「ビットモカシン」が鮮烈なデビューを飾ったとき、世界の伊達男たちはみな、ビットという小さな輝きがもたらす感動と衝撃に酔いしいれた。時が経てもまだ色褪せることのない「ビットモカシン」の魅力──その登場を目の当たりにした当事者3人による、ムービーで見せるそれぞれのコーディネイト。
文=大住憲生
35年前、東京じゅうを探しまわって
ようやく手にいれたビットモカシンの鮮烈な記憶
アメリカの雑誌を眺めていたら、トラッドのスーツに金具つきの靴を履き、ニューヨークのマジソンを闊歩するビジネスマンのスナップショットに目がとまった──僕がビットモカシンを発見したのは、1974年のことです。すぐに輸入品を売ってそうな福生やアメ横など、東京じゅうを探しまわって、銀座の舶来品店で購入しました。
それまで履いていたアメリカ製の靴とはちがい、厚みのある革なのにアッパーがやわらかく、その革のにおいがとてもいい。なにより足をつつみこむホールド感には感動。モカシン縫いですからね。スナップショットのビジネスマンに倣い、トラッドのスーツに履いたのをおぼえています。
初代ビットモカシンの色はチョコレートブラウン。それから35年、クローゼットにはスウェードのモスグリーンやバーガンディ。白のカーフも。どんな服にもあわせられる懐のふかい靴ですが、今シーズンはシニョリーア(グッチのスーツ)のダブルブレストにコオディネイトしましょうか。
ビットローファーそれは‘色気’をもつ稀有なクラシック
鴨志田康人さん
ユナイテッドアローズ/クリエイティブディレクター
'70年代風のロングノーズと、グッチのもうひとつのアイコン、‘ウェブ’。'00年代に購入したという鴨志田さんのビットモカシンは、色気溢れる佇まい。「ネイビーブレザーに合わせたジョージ・ペパードがイメージ。スタイリングに華を添える役割として、私の着こなしに欠かせません。
知性と華やぎを同時に醸すシャンパンゴールド
ソリマチアキラさん
イラストレーター
古きよき伊達男の世界を今に伝える、イラストレーターのソリマチアキラさん。落ち着いたネイビーのアッパーに、シャンパンゴールドのビットを纏った一足は、パーティには欠かせない存在という。「つんと澄ました表情は、英国靴中心の私のクローゼットの中でも、異彩を放っています」