祐真朋樹対談|Vol. 2 スタイリスト野口 強さん(前編)
祐真朋樹対談 vol.2(前編)
第2回目のゲストはスタイリスト野口 強さん(1)
新連載の第2回目にお迎えするゲストは、スタイリストの野口 強さん。トークのテーマとして選んだのは、今夏おこなわれた2014-15AWパリコレクション。これまで20年以上にわたって、パリコレクションを観覧しつづけているふたりの目に、最新のパリコレはどのように映ったのだろうか。
Interview & Text by SUKEZANE TomokiInterview Photographs by IWAKIRI Hitoshi
ここ数年のパリコレクションの傾向とは?
祐真朋樹(以下、祐真) 久々のコレクション対談ですね。どうですか? 最近のコレクションは。
野口強さん(以下、野口) ん~、なんか衝撃的なものはないよね。ショーの演出ひとつ取っても、昔のマックイーンとかトム・ブラウン、ジョン・ガリアーノみたいなインパクトはないんじゃないかな。寂しい限りです。まあ、時代的にそういう感じなのかな、とも思うけど。
祐真 「はみ出した感じ」ってのが今は受け入れられないのかも。企業色も強くなったしね。
野口 それもあるね。
祐真 エディ・スリマンが帰ってきて、一瞬「おおっ」と思ったけど、やっぱりマンネリ化している感は否めない。
野口 もう、彼の場合、好きなものが固まりすぎてるってのはあるんじゃないの?
祐真 かもね。まあそんな中で、なんですが、今回ショーで観たルックのベスト3を教えてください。
野口 じゃ、まずはエディのSAINT LAURENT。フォークロアですよね。
祐真 アメリカっぽかったですよね。まあ、最近はずっとアメリカっぽいけど、今回は特にそれが強くて『夕日のガンマン』みたいだった。
野口 アメリカというか、マカロニウェスタン?
祐真 まさにそれ。ジュリアーノ・ジェンマみたいというか。これって狙ってるのかなぁ。日本だとお笑いだけど。
野口 今回、凄くルックが多くなかった?
祐真 多かったです。60いくつかあったと思う。女の子が入ってるから、ってのもあったけどね。前回はウィメンズは入ってなかったでしょ? でも最近増えたよね、ウィメンズも一緒に見せるブランド。
野口 で、やっぱりこのベルベットのブルゾンですよね。刺繍にスワロフスキーのラインストーンが付いてた。
祐真 なんだか花火みたいですよね。
野口 テイラードもあったけど、ブルゾンの方がいいと思います。着丈はやや短め。
祐真 DIORの終わりの頃にも、背中に花火の柄をあしらったルックがあったよね?
野口 あぁ、あったあった。
祐真 あれ、持ってるよ。今もトランクルームに入ってます。
野口 マジ?
祐真 で、この花火ブルゾンにパツパツのパンツを合わせるわけね。
野口 GIVENCHYもビッグシルエットをやめにして、可愛かったですよ。祐真さんは来てなかったみたいだけど。
祐真 すいません。
野口 GIVENCHYも僕のベスト3のひとつ。このかすみ草プリントのやつがいいかな。靴もカッコ良かったんだよ、後ろがレースアップになってて。踵の後ろ側がクロスになってた。
祐真 ~。このルック、どうなってるの? エプロンみたい??
野口 そう。エプロンスカートみたいなの。
祐真 3つめのルックは?
野口 夏だから、VALENTINOの短パンかな。
祐真 おっ、短パンですか?!
野口 しばらく短パンブームは続くんだろうか。
祐真 暑いからね~。でも野口さんは短パンはかないでしょ?
野口 ゴルフ以外はね。ゴルフとロケ以外ははなかい。
祐真 あ、でもはくんだ、短パン。
野口 はくはく。普通のJ.Crewのとか。
祐真 マジで? 持ってるんだ。
野口 持ってますよ、各色。もうこの時期は長いパンツははいてられないよ、暑くて。
祐真 ラクでしょ
野口 そりゃもう。でもラクしちゃイカンよね。
祐真 このVALENTINOの革のシャツもカッコいいんだけど、暑くてとてもじゃないけど着てられないね。
野口 日本ではね~。でもベストルックには入れたいです。すごく着やすそう。かたちもきれいで、シャツとのレイヤードっていうのもいいと思う。
祐真 そうそう。革自体がいいんだよね、すごく。
野口 で、パンツは蝶々柄だっけ??
祐真 そうです。ウィメンズと共通ですね。
祐真 じゃ、強さんのベスト3はこれでいいかな?
祐真朋樹対談 vol.2(前編)
第2回目のゲストはスタイリスト野口 強さん(2)
話題はやはりエディのサン ローラン
祐真 さて、それじゃベストルック3つが出揃ったところで、気になるブランドを振り返ってみましょうか。じゃ、まずSAINT LAURENTから。
野口 パンツはブーツカットとスリムと2本あったでしょ?
祐真 強さんがベストルックに選んだブルゾンに合わせているのはブーツカットですね。若干広がってる。517よりちょっと細い。
野口 アクセサリーの使い方も凄いよね。手回りも首回りも。
祐真 ベルトの感じもいいよね。くたびれた感じで。
野口 でもさ、こういうナポレオンジャケットに花柄のシャツとかの方がイケてんのかな。
祐真 またですか?って感じは確かにあるけど、でもまあ考えたらもう7~8年前の話だからね。知らない人だって多いし、知らなきゃ新鮮に思うんじゃない?
野口 前のはだけ方とかかなり激しいよね。そこにジュエリーを合わせるという・・・。
祐真 なるほど。じゃあ野口さんは「ジュエリーの大胆な使い方が気になった」ということでいいですか?
野口 うん。今まであんまりこういうのなかったじゃない? もっとシンプルだったよね。
祐真 テクノのときにちょっとあったけど。
野口 でも今回はド直球で来たよ。
祐真 ザ・アメリカ、みたいな。
野口 そういう意味では新鮮さはあったかな。エディっぽさも残ってるし、また売れるんじゃない? これ、かなりキテレツですよ。あとは、このニットのケープみたいなのもいい!
祐真 このケープはねぇ、僕のベストルックに入れようと思ってますよ。これは好き。モチーフニットね。ところでブーツはどうですか? こういうの、履く?
野口 ブーツね。踵が高いんだよね。ウェスタンみたいに。かなり歩きづらいんじゃないの?
祐真 グラムのときのブーツと似てるよね。膝が折れるやつ。
野口 そうそう。歩くと膝がカックンってなるんだよね。
祐真 あれはカッコ悪いんだよな。歩いてると、ふとウィンドーに映った自分を見てすっごい落ち込むんだよね~(苦笑)。
野口 でも他にはないからいいんじゃないかな。少なくとも撮影向きではある。
祐真 エディはずっとこういうトンガリ系の靴を出しているよね。これは西海岸の影響なんだろうか。
野口 完璧にそうでしょ。でもサンプルはとんがってても実際の商品は丸くなってたりするからね。
祐真 それを言うならコム デ ギャルソン、凄いことになってたね。
野口 これはちゃんと商品にするって言ってたよ。歩くたびに脛に当たりそうだけど。
祐真 アリババみたいな靴。レニングラード・カウボーイズみたいでもある。あれ、実際に売るんですね。スキーみたいになってるけど?
野口 日本の職人は作るでしょ。すごい大変らしいけど。
祐真 じゃ、次、行きましょう。
野口 GIVENCHYですね。着こなしは相も変わらず、なんですけど、なんと言ってもかすみ草プリントが良かったです。
祐真 これは白黒なの?
野口 そう。でも色がついたのもある。
祐真 水墨画調ですね。これはシャツいち?
野口 シャツいちにエプロンと短パン。
祐真 で、黒のブーツに白い靴紐か。昔、みんな白い紐にして靴履いてなかった?
野口 そう。昔、みんなドクター・マーチン履いてたよね、白紐で。で、これはかすみ草のところに白いパールがついてるんですよ。会場には解体した飛行機を吊してました。だからミリタリーとエアフォースと、それにスクールと。後半にフライトジャケットも出たよね。
祐真 展示会で説明を聞いたんだ。
野口 聞きましたよ。
祐真 この靴紐の結び方とかって、どういう感じになってるの?
野口 後ろはデザインだけですね。もう予め編んである。で、前は普通にレースアップ。そして踵にクロスの同じ紐があるわけですよ。すっごい売れそう。後半に出てきたウィングチップのまわりにはパールを付けてあるんだよ。
祐真 なるほど。あと何かある?
野口 なんか今回、紙みたいに薄い革を使ったシリーズが多くなかった? VALENTINOをはじめとして。
祐真 多かったですね。
野口 BALENCIAGAもALEXANDER WANGも出してた。まあヨーロッパだったら夏でも着られるよね、革。
祐真 日本人としては「夏物でこんなの出されてもな~」だけどね。
野口 もうひとえに気候の違いだよね。でもシーズンの立ち上がりだったら日本でも着られるんじゃない? 3月とか。
祐真 か、冬だよね、東京の場合は。革はたとえ夏ものでも冬しか着られないよ。だから結局、シーズンが終わって秋冬になってから着たりしてる。VALENTINOのサンダルはどう?
野口 サンダルねえ・・・。個人的にはあんまり好きじゃないんだよね。
祐真 そういえば最近履いてないね。一時期、ビーサン時代もあったよね? どこのサンダルだったら許せる?
野口 ん~、VALENTINOのハワイアナスがあったじゃない? あれも悩んだけど、ま、いっか、ハワイアナスだし、と思って。
祐真 僕はあれ、買いました。全然履いてないけど。ハワイアナスはハワイアナスだけど、レザーでめっちゃ高かったです。でも何の迷いもなく買ったな。
野口 とにかくさ、今回、サンダルとスニーカーがすっごく多くない?
祐真 スニーカーは圧倒的に多いね。ガーンと増えました。VALENTINOについてはどう思う? 前シーズンあたりからみんな注目しはじめてますけど。どんな印象?
野口 プライスが、ウィメンズよりは買いやすい。で、こういうテイストは、ありそうで実は意外とない。カモフラとかデニムのパネル使いのスーツとか、特にラグジュアリー系では皆無じゃない? ラグジュアリー系以外ならあるかもしれないけど、クオリティの高さが全然違う。迷彩のパッチワークとか、意味わからない。すご過ぎて。
祐真 そうなんだよね。僕、ローマのアトリエまで行ってきました。お針子さんが90人ぐらいいて、ひたすら手作業で作ってましたよ。
野口 それを考えると、その割には高くないよね。
祐真 それが不思議。ウィメンズのドレスとかはオートクチュール並みに高いのに。
野口 まあ、きれいだから仕方ないけどね。
祐真 このパンツなんか、そのテクニックが活かされてる。今回は、メンズではこの4つがクチュールラインだよね。前回ほどのパンチはないけど、このレザーはかっこいいと思うな。
野口 デニムは3型くらいあったでしょう? デニムのオーダーも出来ますっていうけど・・・。
祐真 デニムのオーダーってどう?
野口 いや、要らないでしょ、オーダーは。
祐真 何のためにデニムをオーダーするんですかね?
野口 それはもう、人とは違う、っていうとこだけでしょ。
祐真 必要ないか。
野口 サンローランはやっぱり花柄シャツにしようかな。いろいろ見比べているうちに、こっちが地味に思えてきちゃったよ。大胆なアクセサリー使いを見るとね~。
祐真朋樹対談 vol.2(前編)
第2回目のゲストはスタイリスト野口 強さん(3)
祐真朋樹が選ぶベスト3ルック
祐真 じゃあ、僕のベスト3にいこうかな。う~ん、LOUIS VUITTONのイカれた感じも良かったんだよな。
野口 パンツは完璧にマイアミバイスだった。超ハイウエスト! 馬場圭介さんはルイヴィトンが一番好きだ、っておっしゃってましたね。
祐真 なんかわかる気がする。確かに僕も嫌いじゃない。でもこのモデルが嫌い。ところでヴァレンティノのアクセサリーはどう思った?
野口 あの、衿に付いてたやつ?? いい顔と嫌な顔があったね。
祐真 確かに。じゃ、僕はこの3ルックで。
野口 キテるな~、LOUIS VUITTON。
祐真 謎のプロデューサー風だよね。白い靴も効いてる。
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第2回目のゲストはスタイリスト野口 強さん(4)
祐真 じゃあ、ここからは「実際に買って着てみたい服」を教えて貰おうかな。
野口 エディのSAINT LAURENTの“おっさんスエード革ジャン”。
祐真 そういうの、既に家に何十着とあるでしょ?!
野口 まあ似たようなものばっかりなんだけど、でもやっぱり買うんだろうね。
祐真 そもそも、ジーパン何本持ってるの?
野口 去年数えたら420本ほどありました。
祐真 全部リジット??
野口 いやいや、リジットは80本くらい。それ以外は昔のドルチェ&ガッバーナとかディオールとかリーバイスとか・・・。うゎ~~~ってある。
祐真 全部はくの?
野口 いや、はくのなんて1ラックくらいよ。
祐真 はいたことのないデニムもあるわけだ。
野口 あるよ。リーバイスの復刻版とかね。祐真さんもシャツとか腐るほどあるんじゃないの?
祐真 処分に困ってます。
野口 そう言えば、麻布のクリーニング屋さん、めっちゃきれいになるね。
祐真 すごいでしょ、「レジュイール」。高いけど。
野口 高いよ。この前、Tシャツをきれいにしてもらおうと思って持って行ったら、10枚はなかったと思うんだけど、5万円くらい取られた。恐ろしい。
祐真 でもね、きれいになるんですよ。
野口 あれ?「おっさん革ジャン」って言ったけど、これは革じゃないかも。
祐真 ベルベットかな。でもどっちみちいっぱい持ってるでしょ? こんなんばっかり着てるじゃない。また買うの?
野口 だって微妙に腕の細さとか違うからね。袖がリブのバージョンとカフスになっているバージョンは別物だし、ボタンがくるみボタンのもあるし、いろいろあるからね。
祐真 これ買うの?
野口 いや、ベストルックを変えようかと持って。なんだか地味に思えてきたから。
祐真 ルック自体はかわいいよね。じゃ、野口さんのベストルック3つはこれで。
野口 で、祐真さんは何買うの?
祐真 実際に買うのはヴァレンティノのコートですかね。
野口 ああ、なるほどね。
祐真 この花柄のジャケットも欲しいんですよね。ちょっと、こういうのが着たい気分なんですよ。まあ実際に袖を通してみないとわからないけど。
野口 ショーサンプルは腕が細いよね。でも実際の商品は普通の太さになってたりもする。
祐真 だね。僕はこのコートはさらっと買うけど、こっちのジャケットは「試してみたい」って感じ。
野口 若かったらな~。
祐真 若かったらね~。・・・もし若かったら、何を買う?
野口 そのケープ、いったるわ。
祐真 僕がベストルックに選んだやつ?
野口 20代だったら買って着る! 今なら、リビングのソファに掛けるかも。
祐真 強さん、若い頃はHERMÈSのMA-1とか着てらっしゃいましたね。
野口 そう言えば、エルメスのスカーフ柄のMA-1の形のやつ、最近着てみたのよ。腕がこんなに太いやつ。でもあれ、「今っぽいわ」と思って。今着てみたら結構今っぽいんだよ。
祐真 それ、昔『POPEYE』で撮影したの覚えてる。でもあれって誰がデザインしてた時代のものなんだろう。
野口 全然わからない。
祐真 ああいうのもちゃんと残してあるんだ。
野口 ありますよ。
祐真朋樹対談 vol.2(前編)
第2回目のゲストはスタイリスト野口 強さん(5)
祐真 じゃ、次はベストショーについて。
野口 「JUNYA WATANABE MAN」かな?
祐真 僕もあれですね。
野口 ずっと笑ってたじゃない?
祐真 ヘアと音楽が面白かったし、ショーとしても良かった。
野口 RAF SIMONSも見せ方は面白かったよね。
祐真 うん。どっちかな~。
野口 やっぱり「JUNYA WATANABE MAN」にしようか。
祐真 JUNYA WATANABE MANのどこが良かった?
野口 やっぱり髪型でしょ? あと曲でしょ? 「能」からジャズに変わるところがカッコ良かったね。で、座ってると見えなかったけど、 モデルが出て来るところに屏風みたいなのがあったじゃない? それを最後に見た時には「なるほどな」と思った。
祐真 僕もジュンヤさんのショーのヘアと音楽にはビックリした。
野口 そうそう。だって笑いが止まらなかったじゃない?
祐真 「能」だもんね。「能」はじまりの「長唄」終わり。
野口 外国人は爆笑してましたからね。
祐真 そして確かに、モデルの出入口のところの壁(?)は立派でしたよ。きっちり本気だった。
野口 最初は全然気づかせないで、そしたらいきなり「よぉ!」でしょ、もの凄いパンチ力だったよね。
祐真 全体的にパンチがあったよね。ルック的にはどれを挙げたい?
野口 「男」Tシャツかな。
祐真 ヘアはリーゼントとチョンマゲがミックスしたような感じだった。
野口 正面だとわかりにくいね。・・・この、眉毛を描いてあるのもキテるよね。
祐真 よし、じゃ、これをベストショーの写真にしましょう。ベストショーに関しては僕もまったく同感です。あの、外国人が一斉に笑ってるってのはなんだったんだろう。
野口 音楽に対してじゃない?
祐真 「よ~、よ~」っていうやつね。喘ぎ声みたいに聞こえるからおかしいんだよね。
野口 周囲は大爆笑だったからな~。
祐真 隣のイタリア人に「この歌は何だ?」って訊かれて、「能だ」って言ってもわからないじゃない?
野口 「能」はわかんないよね。
祐真 「ジャパニーズ・トラディショナル」とかなんとか言ったんだけど、結局うまく説明できなくて「とにかく歌舞伎に近いもの」って言った。能はさぁ、3年くらい前に高校の後輩が公演するっていうんで観に行ったんだよね。あらかじめストーリーを読んで。そうじゃないとサッパリわかんないじゃない? 後輩はいい席を取ってくれたんで、眺めは非常にいいんだけど、途中からみんな寝るんですよ。グワ~っと(笑)。
野口 あはは。
祐真 100人くらいが一斉に寝るの。で、たまに舞台を観ると、舞台は舞台でまったく動かない(笑)。で、「いよぉ~!」じゃない? これは眠くなるわ、って感じ。で、休憩になるとみんなバチッと起きるんだよ。
野口 ヤバイね。
祐真 もしかしたら、これはみんな寝に来てるのかな、と思った。
野口 クラシックもそうでしょ?
祐真 オペラもね。でもね、僕の場合、あの能の鼓の音とかが、妙に頭に残るんだよね。観終わって道を歩いてるときも「ポーン」とか聞こえてきた。会場を出て、ひとりで神田を飲み歩きました。ちょっとこう、トランス状態だった。
野口 あ、そう?
祐真 幻想的で音だけが響いてくる、みたいな感じ。ちょっと催眠術に近いかも。そういう感じを、JUNYA WATANABEのショーでも受けた。