Levi’s® RED™|デザイン・ディレクター、マイルス・ジョンソンが登場
FASHION / FEATURES
2015年1月9日

Levi’s® RED™|デザイン・ディレクター、マイルス・ジョンソンが登場

Levi’s® RED™|リーバイス® レッド™

デザイン・ディレクター、マイルス・ジョンソンにインタビュー

リーバイス® レッド™が見せる未来(1)

先日、7年ぶりのコレクションを発表した「Levi’s® RED™(リーバイス® レッド™)」。実験的で革新的、そのクリエイションは、唯一無二としか言いようがない。今回、デザインチームを率いるマイルス・ジョンソン氏が来日したタイミングで、インタビューをおこなった。

Interview Photographs by ASAKURA KeisukeText by IWANAGA Morito(OPENERS)

リーバイス®におけるもっとも創造的なコレクション

──前回から7年ぶりのコレクションとなりましたね。

マイルス・ジョンソン(以下MJ) 機が熟したという言葉が適切でしょうか。とりかかったのは4年ほど前からでした。アムステルダムにオフィスをあたらしく構えたタイミングです。2007年の発表からかなり時間が経っていましたが、そのぶん長くあたためてきたものがあったのです。リーバイス®のプロジェクトのなかでも、もっともクリエイティブな表現ができるラインなので、楽しみながら取り組むことができました。

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──リーバイス® ビンテージ クロージングリーバイス® メイド アンド クラフテッド™も同時に進行しているなかで、ストレスなどはありませんでしたか?

MJ ストレスはありませんでした。むしろ反対ですね。それぞれが良い影響を及ぼし、クリエイティビティが満たされました。リーバイス® ビンテージ クロージングは過去、リーバイス® メイド アンド クラフテッド™はモダン、リーバイス® レッド™は未来、というように、すべて異なるパーソナリティをもっており、頭の使い方、ビジネスの進め方も異なるのです。

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また、単にデザインの作業だけをずっとつづけているわけでもありません。チームでプロジェクトに取り組むのですが、私たちはビジネスパートナー以上の関係性を築くために、チームでの共同生活を取り入れています。水曜日は私がコーヒーを淹れる番だったり、皿を洗う当番だったり──密な連携というものは、そのようなところから生まれるのです。

文具のデザインや、ショップのディスプレイなど、進行しているプロジェクトもさまざまです。毎日が新鮮な感覚で、退屈に感じることはありませんでした。

──今回のコレクションを作り上げていくうえで、気をつけたことは?

MJ リーバイス® レッド™のコレクションをつくるときには、とてもシンプルに考える必要がありました。規模の小さいコレクションのなかで、メンズとウィメンズの境界をあえて曖昧にするように、気をつけました。ユニセックスのアイテムを別のものと考えても、女性で10アイテム、男性で9アイテム、スペシャルアイテムで2型という非常に少ないラインナップです。

さらに、これまでのリーバイス®のアイデンティティを集めて、再構築し、あたらしいものをつくりだす。かつ、リーバイス®との関係性を残したままのプロダクトのレンジを調整する。これはとても難しいことなのです。例えば、すでに完成された「ジーンズ」というアイテムを、すべての面からリデザインする、ということを想像してみてください。

Levi’s® RED™|リーバイス® レッド™

デザイン・ディレクター、マイルス・ジョンソンにインタビュー

リーバイス® レッド™が見せる未来(2)

Interview Photographs by ASAKURA KeisukeText by IWANAGA Morito(OPENERS)

過去から未来を導き出す

──コレクションの出発点は?

MJ 今回の「ラインドレッド」は、アメリカンキルティングがデザインソースとなっています。歴史を紐解いていくなかで、その美しさに魅了されたのです。わたしたちがデニムと呼ぶインディゴのファブリックは、キルティングに用いられてきた経緯があります。その糸口から、アメリカにまつわるヒストリカルなものを作ろうと考えたのです。

──「キルト」と「カマーバンド」というアイテムが印象的でした。これらのアイテムを作った理由は?

MJ そのふたつは、実験的であり象徴的なプロダクトです。たっぷりの布で製作した「キルト」は詰め物の入ったインディゴシルクをパネル状に裁断し、へヴィなトップステッチをほどこしてつなぎ合わせています。切り口を3カ所つくっているので、そこから頭を出すこともできるし、腕を出すこともできる。身に纏うだけではなく、ソファやベッドのカバーにしたり、車のバックシートにかぶせてもいいでしょう。

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ルックでも腰に巻いている「カマーバンド」は、キルトに合わせると非常にマッチするアイテムですね。このアイテムは、リーバイス®の1870年代のエプロンのポケットから、デザインの影響を受けています。裏地はプリーツの入ったシルク地なので、そちらを表にすると、クラシカルなカマーバンドのように腰に巻くこともできます。これをビッグシルエットのキルトの上から巻き、ボリュームを調整することで、さまざまなスタイルを楽しむことができます。

──決まったかたちというものがないんですね。

MJ そうです。ふたりで着ることもできるんですよ(笑)。

──アイテムにはすべて中綿が入っています。その意図は?

MJ 「ラインドレッド」という今回のコレクションは、文字通り「ライニング」に注力しています。インディゴのアイテムは、表に目の詰まったコットンヘンプ、そのあいだに起毛したコットンフランネル、裏地のコットンシルク、この3層になっています。

ホワイトのトップス類には、軽く肌触りのよいコットンを使用しています。裏地にはコットンシルク、そのあいだにはブラッシングされたジャージー素材を入れました。すべてのインスピレーションは1870年代後期から1880年代のものです。

当時、乾燥した寒冷な気候のアメリカ北部で働く鉱夫のために、リーバイス®はブランケットをライニングとしたデニムのアイテムを作っていたようです。そのため、シルエットも非常に丸みを帯びたものでした。今回のコレクションのアイテムのシルエットも、そこに源流があるのです。

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──コレクションを青と白で統一した理由は?

MJ 青と白という色は、フレッシュでクリーンなイメージをもっており、白のTシャツとジーンズという、リーバイス®のスタイルを象徴する色だと考えています。ユニフォームとも言える、ブランドとは切っても切れない色だとも思いますね。

アイテムの点数は全部で17点。そのうち4点のユニセックスのアイテムを、メンズ、レディスで2アイテム分と数えても、21点しかありません。(この少なさで)4、5色を使っていたら、コレクションとしての統一感は出せなかったかもしれません。

──ルックブックの撮影はどこでおこなったのですか?

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MJ スペインの南部です。クリント・イーストウッドの『The good, the Bad and the Ugly(邦題:続・夕陽のガンマン)』をはじめとする西部劇も、この場所で撮られたそうです。わたしがアメリカに住んでいたら、ネバダで撮影をしていたとおもいますが、現在のオフィスがアムステルダムだったので(遠すぎて)実現しませんでした。でも、ネバダの砂漠の雰囲気が感じられますよね? リーバイス® レッド™は、未来を表現しているコレクションなので、非現実的な場所というか、地球上にはないSFの世界のような場所を選びました。

──コレクション全体で表現したかったことは?

MJ ルックブックを見てもらえるとわかるのですが、空気をたっぷりと含んだ軽さとやわらかさ、“エアーネス”や“自由”のイメージをかたちにしようと考えていました。秋冬に着てもあたたかいですし、空気が循環するよう通気性を考慮しているので、春夏も涼しいです。ゆとりのあるシルエットは、着用時のストレスを少なくしてくれます。

スキニーシルエットが長いあいだトレンドでしたが、別の選択肢として、このようなビッグシルエットのもの、ボリュームのあるものがあってもいいんじゃないか、と。ジーンズの創始者であるリーバイス®がそれをおこなうことで、トレンドに対する大きなアンチテーゼにもなるのではないでしょうか。

Levi’s® RED™“Lined RED”
展開店舗|ユナイテッドアローズ 原宿本店 メンズ館 Tel. 03-3479-8180
ユナイテッドアローズ 札幌店 Tel. 011-218-6001
ユナイテッドアローズ 熊本店 Tel. 096-311-7745
http://www.levisred.net/

           
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