tone|2014-15年秋冬コレクション
FASHION / COLLECTION
2014年12月29日

tone|2014-15年秋冬コレクション

tone|トーン

着る人の個性を引き立てる、素材を生かしたアイテム

シンプルでモダンな洋服が引き出す、あたらしい個性

「シーズンテーマはとくに設けていませんが、ブランドコンセプトである“ワードローブにずっと置いておきたい物作り”は基本としています」と語る「tone(トーン)」デザイナーの前出卓久氏。最新コレクションでも、クリーンで都会的な抜け感のあるニットを中心としたアイテムに注目したい。

Text by KAJII Makoto (OPENERS)

コートやパンツなどを豊富なバリエーションで展開

――2014-15年秋冬コレクションのテーマ/コンセプトは?

“ワードローブにずっと置いておきたい物作り”は普遍的なコンセプトですが、そのなかでどれだけ新鮮に感じてもらえるか、ありそうでなかったモノをシンプルな表現で伝えていきたいと思っています。

――今シーズンのルック撮影でこだわったポイントと、注目してほしいところは?

極力手をくわえないこと、洋服を着た人の個性を引き出せること。シンプルな洋服を着たときにこそ、その人の個性が前に出る瞬間だと思っています。ファーストシーズンからスタイリングをしてもらっている宇佐美陽平さんとカメラマンの石毛倫太郎さんは、その雰囲気をすごくナチュラルに表現してくださるので、そのあたりを感じていただきたいです。

――スタイリング、シルエット、カラーなど、昨年の秋冬コレクションとのちがいは?

コートやパンツなどバリエーションが増えたので、よりブランドのイメージを伝えることができました。

――今シーズンのキールック(コーディネイト)は?

コートとパンツが同素材でのセットアップスタイル=ワントーンコーディネイト。インナーのアームウォーマー付きのニットと同素材のマスクが、コートの雰囲気と相反しているのが面白いと思います。

禅寺の写真集にインスパイアされたコートとパンツに使用した素材

――キーアイテムとキーカラーは?

キーアイテムはコート。2種類の異なる糸を編みたてた生地を縮絨(しゅくじゅう)し、さらに芯地を貼り合わせることで独特のハリ感とニットの柔らかさが混在しています。縮絨されているので、裁ち落とし仕様にしたり、縦にスッと落ちたシルエットが気に入っています。色では、ネイビーとグレーが定番カラーなのですが、今シーズンは茶系やインナーで着る差し色のオレンジが新鮮に感じます。

――今シーズンこだわった「素材」は?

コートとパンツに使用した素材です。これは最初、禅寺の写真集を見ていて、苔の質感と着古して毛玉ができたニットのイメージが重なり、それを再現するところからはじまりました。
凹凸のある柔らかな雰囲気と縮絨することで生まれるハリ感がある面白い素材が出来上がったと思います。

――いま、ファッションシーンで注目している「こと・人・モノ」は?

グラフィックレーベル「SAYHELLO」が9月にギャラリーと店舗を備えたアートスペースを富ヶ谷にオープンします。toneも展開していただく予定なので今後の展開に注目しています。

――ウェブマガジンOPENERS(http://openers.jp/)に期待すること

自分のようにあたらしくブランドをはじめた人間がこうした企画で紹介していただけてとても光栄です。今後もあたらしい世代のクリエイションを発信するメディアであって欲しいです。

<主な取り扱い店>
WISM、RAYCOAL、RROOMM、CANDYRIM PROT.STORE、BINGOBONGO、SUBJECT

ELIGHT Inc.(イーライト)
Tel. 03-6427-7744
http://www.tonetokyo.com/

           
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