FARO|日本の職人技術が生みだす、世界最高峰の革小物(1)
Fashion
2015年8月12日

FARO|日本の職人技術が生みだす、世界最高峰の革小物(1)

FARO|ファーロ

日本の職人技術が生みだす、世界最高峰の革小物(1)

圧倒的な品質の高さから、さまざまな人気セレクトショップで扱われ、認知度も徐々に上がってきているFARO(ファーロ)の製品。だが、無駄を一切省いたデザインのため、手にとって見るまではよくある普通の革小物に見えてしまう。そんな製品が何故、国内有数の目利きバイヤーたちが支持するのか? そんな疑問は作業工程を知ることで理解できるはずだ。

写真=JAMANDFIX取材・文=富山英三郎

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薄いのに強度が高まる、ベタ貼りという手法

紳士革小物の代表格である財布は、本来スーツの胸ポケットに忍ばせるもの。そのため、厚みがあっては不細工となる。また、薄くすることでヘタってしまってもいけない。そこでFAROでは、0.4mmと極薄にすいた革を2枚貼り合わせることで強度を保つ“ベタ貼り”という手法を採用した。

薄いもの同士をしっかりと貼り合わせることでお互いの力がうまく作用し合い、コシのある驚きの強度を生み出すのだ。しかし、革は自然素材のため、ただ接着剤を付けるだけでは湾曲したり、縮んでしまったりする。簡単そうに見えるこの技術は、とある町工場のとある職人にしか生み出すことのできない世界屈指の技が駆使されている。革を張り合わす、そんな単純な作業にこそFAROはもっとも心血を注いでいるのだ。

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タンニンなめしの革だからできる、伝統的なコバ磨き

FAROではコバ磨きも昔ながらの作業でおこなわれる。これも一般的なクロムなめしの革では実現不可能なこと。革本来のたんぱく質が残るベジタブルタンニンなめしのものだけが、水で磨くだけでも熱の作用により美しい飴色に変化する。革製品の基本でもあるコバ磨きだが、実は奥が深いことが理解できるだろう。

水染めが可能にする、豊かな質感と風合い

革の色づけにおいても、塗料を噴きつけるのではなく、塗料を水に溶いて染め付ける“水染め”の手法を用いている。そのため、鮮やかな色は出にくいが、風合いのいい温かみのある製品に仕上がるのだ。水染めにこだわるFAROならではの“味”を楽しんで欲しい。

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裁断、縫製にも徹底的にこだわる姿勢

すじ目の美しさや繊維の方向を見極めながら、使用するパーツに適した部分を切り出していく裁断作業。この工程もまた、上質なものづくりを支える大事な要素となる。革がもっとも美しく見えるように裁断すること。それは基本のようにも感じるが、実は近年失われつつある難易度の高い技なのである。
縫製においても、2本の糸が交差する部分を極力革の中心部で留めることに尽力している。極薄の革を使いながら、それを実現させるには技術だけでなく高い集中力が求められる。ステッチが等間隔で美しく揃っていること。これもまた、簡単そうでいて実は非常に高度な職人技なのだ。

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あたり前のことをあたり前に仕上げる偉大さ

以上のことからもわかるように、FAROの考える最高峰とは、薄く、耐久性があり、無駄がなく、美しいこと。すべては至極まっとうで、誰もが思いつくようなことばかりである。しかしそれを極限で実現させることは難しい。FAROの魅力は実際に手に取り、使ってみることで理解できる。効率が求められる時代のなか、非効率な作業で生まれる妥協のないものづくり。そんな職人らしい伝統的マナーに準じた、本物の紳士革小物を是非体感してみて欲しい。

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