LAST SAMURAI「ジョン ロブなオトコ」岡部哲也さん(3・最終回)
ネーヴェ代表 岡部哲也さん(3・最終回)
「ぜひ実現したい、3世代にわたる夢」
これまで3回にわたってお送りしてきました岡部哲也さんとの対談も最終回です。今回は、岡部さんをして、スキーヤーにとってもっとも重要とおっしゃる靴の話から、いまや実業家としてスキーを次世代へ伝える立場へと転身された岡部さんの現在、そして未来にむけての展望、夢などを語ってもらいました。
ホスト=松田智沖(ジョン ロブ ジャパン)まとめ=竹内虎之介(City Writes)Photo by Jamandfix
スキーの道具でいちばん重要なのがブーツ
松田 ここでちょっと靴のお話をお聞きしたいと思うんですが、やっぱりスキーにおいてもブーツは相当重要なものですか?
岡部 とにかくスキーの道具でいちばん重要なのがブーツです。靴が合っていなければまず戦えませんし、それは一般の方もおなじです。僕は雪の上を歩くときもブーツの底にラバーを装着して靴底を守っていました。それくらい大事なんです。
松田 フィッティングにおいて、もっとも大切なのはどの部分ですか?
岡部 これは普通の靴も同様だと思うのですが、まずは踵(かかと)のホールド感です。あとは内側の壁ですね。ちょっとした厚みとかインナーのフィット感がちがうだけでも滑りが変わってきます。スキーはパワーだけでなく反動を次の動きに伝えていくことが大切なんですが、足に合った靴でないとうまく伝わらないんです。どんなにトレーニングで鍛え上げてもそれだけではダメ。力を伝えるためにはそのあたりのことが重要なんです。
松田 踵のフィット感が重要という点は、ドレスシューズもまったくおなじです。
岡部 ドレスシューズもそうだと思うのですが、スキーブーツでもいいブーツは美しいんです。それから、スキーヤーと靴の関係においてはスキーブーツにこだわるだけではまだ不十分。僕はジョギングやトレーニングをするときのシューズも、足にあったインソールを入れるなどしてこだわっていました。普段履きの靴も、当時はまだファーマシーでしか買うことができなかったビルケンシュトゥックを、自分の足型に合わせて作ってもらって履いたりしていました。いま、自分の会社では3次元で足型を測定する機械を導入しています。スキースクールのお客さまには、その測定結果から合ったブーツをおすすめするとともに、その人だけのインソールを作るということもおこなっています。
松田 きょうお履きのジョン ロブもブーツタイプですが、スーツのときでもブーツが多いんですか?
岡部 そうですね。スキーをやっていたからということではないのですが、スーツにドレッシーなブーツを合わせるスタイルは好きですね。ジョン ロブは、このブーツがはじめてですが、これだけキレイなフォルムなのに全然ストレスがないところが気に入っています。足を違和感なく包み込んでくれる感じです。あと、歩いたときのネトッとした感触もいいですね。
松田 ありがとうございます。気に入ってもらえてうれしいです。
岡部 でも、本当に靴は重要ですからね。いま、若い人のなかにはぜんぜん足に合っていない靴を履いている人も多いですが、ああいうのを見ていると彼らの将来が不安になります。絶対身体によくないですから。
3世代で楽しめるアウトドアの村をつくりたい
松田 先ほどインソールのお話なども出ましたが、現在のネーヴェの活動をもう少し詳しく教えてください。
岡部 冬はスクール事業がメインなので、僕自身もほとんど雪の上にいます。スクールで受講される生徒さんは今季では6000人ぐらいです。そのほか、さきほどお話ししたギアやウエアの販売を代理店としておこなっています。
松田 30歳で引退されてこの道を選んだときは、どんな気持ちだったんですか?
岡部 とにかく、ずっとやってきたスキーをできるだけ多くの人に伝えたいという気持ちではじめました。そして当初から、ただスクールをやるだけでなく、その人のレベルにあったギアなどもすすめられたらいいな、と思っていました。もちろんふつうのお店でもギアを買うことはできますが、お店の人はその人のレベルまではわかりません。やはり、そのレベルを知っている僕らが相談にのるのがベストだと思うんです。
松田 ところで、こんど本も出されるとお聞きしましたが。
岡部 そうなんですよ。6月9日に秦文堂から僕が書いた『カンタン体操でおなかまわりスッキリ!』というDVD付きの本が出ました。僕自身3年ぐらい前に、ちょっとおなかが出てきたので危機感をいだき、1日10分の体操をはじめたんです。そうしたら見事に結果が出ましたので、みんなにもおすすめしようと思いまして。
松田 実証済みというわけですね。僕もぜひやってみます(笑)。そのほか、今後の展望としてはどんなことをお考えですか?
岡部 子どもたちを中心に3世代が、冬だけでなく四季を通してアウトドアライフを楽しめる「憩いの村」みたいなヴィレッジをつくりたい。これはぜひとも実現したい僕の夢です。
松田 それはすばらしい。ぜひ実現に向けてがんばってください。そして、きょうは貴重なお話の数々、ありがとうございました。楽しかったです。
岡部 こちらこそ、ありがとうございました。
岡部哲也著
DVD付き『カンタン体操でおなかまわりスッキリ!』
6月9日(月)発売
1400円(泰文堂)
「私が40歳になった頃、運動不足か暴飲暴食か……、気がつけばおなかまわりがポッコリ……、ジョギングをするのは好きではあるのですが、冬になると寒くて難しく……とにかく継続するのが難しくて……。そこで、毎日10分でも場所構わずコツコツと(これも嫌いなんですが)できることは「体幹運動」だなと、ゆっくり寝たまま無理せずからはじめ、なんと!どんなに忙しい時でも継続できているのでした。今、話題になっている「メタボ」にならないためにも、ぜひこの本を活用してくれれば幸いです(岡部哲也さん談)」
ネーヴェ
公式サイト│http://www.snowdreamer.jp/