LAST SAMURAI「ジョン ロブなオトコ」岡部哲也さん(2)
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2015年5月12日

LAST SAMURAI「ジョン ロブなオトコ」岡部哲也さん(2)

ネーヴェ代表 岡部哲也さん(2)

「ヨーロッパでプロフェッショナルを学ぶ」

前回に引き続き、元アルペンスキーヤーの岡部哲也さんにお話をうかがいます。一度は引退を決意しながら奇跡の復活を遂げ、30歳まで世界の舞台で活躍された岡部さん。今回は、現役時代多くの時間を過ごされたヨーロッパでの話などをうかがってみました。

ホスト=松田智沖(ジョン ロブ ジャパン)まとめ=竹内虎之介(City Writes)Photo by Jamandfix

ヨーロッパではプロとしての生き方を学んだ

松田 岡部さんは15歳のころからヨーロッパで活躍されていたわけですが、やはり日本にずっといるのとでは得るものが違いましたか?

岡部 それはもう全然ちがいますね。とにかくヨーロッパのスキーは層がものすごく厚いですから、みんなの真剣度がちがいます。さっき(前回)もお話ししましたが、小さな子どものころから目的意識が明確なんです。当時は日本人のばあい、ナショナルチームに入る以外、海外に行くチャンスはないわけですが、入ったからといってワールドカップですぐには歯が立たないんですよ。だから、ワールドカップよりも下のカテゴリーの試合に出て実力と結果をださなきゃいけない。コーチも全然ちがいますね。僕のばあい、いいコーチに巡り会えたことが本当に大きな財産になりました。彼はオーストリア人だったんですが、指導方法はもちろん、それ以外のことで学ぶことも非常に多かったですね。ハンティングやフィッシングなど遊びをとおしていろんなことを教わりました。マテリアルをチューニングしてくれるサービスマンやマッサーにもいろんな国の人がいて、そういう人々をとおしてインターナショナルなプロフェッショナル感覚を身につけることができました。

松田 アルペンスキーはヨーロッパでは国技のようなものですが、日本人として挑戦していくばあい、風当たりの強さみたいなものは感じませんでしたか?

岡部 当時、“東洋のスナイパー”なんて呼ばれましたが、それはいい意味だったと思います。なんで日本人が? というような雰囲気はなく、むしろ日本でよりもファンは多かったですよ。オーストリアとイタリアにファンクラブもありました。僕はどちらかというとパフォーマンスが好きだったので、まずイタリアの人が喜んでくれましたね。いまでも日本よりもヨーロッパでのほうが、全然知名度が高いかもしれませんね。

松田 ご自分の武器はどんなところにあったと思いますか?

岡部 器用なほうではなかったんですが、だからこそ、技術を習得するために地道にやることはできたんじゃないかと思っています。

松田 人知れず努力していたわけですね。

岡部 いやいや、努力は大嫌いなんですが(笑)、なにしろハードルの高さが並じゃありませんでしたから。心掛けていたのは、どんなに調子が悪くても体調が万全でなくても、そのなかで80%の力はつねに出せるようにということです。そのためにがんばることはできたかな、と。

最終的には、逆に影響を与えることもできた

松田 ヨーロッパでの普段の生活はいかがでしたか?

ネーヴェ代表 岡部哲也さん(2)「ヨーロッパでプロフェッショナルを学ぶ」

岡部 どうやら自分の性格のなかに、ちょっとだけラテンの血が入っているみたいで、積極的に外に出てコミュニケーションをとっていました。買い物も好きで、いい結果が出ると“自分にごほうび”を与えてましたね。そのうち、結果がまだ出ていなくても「コレ買ったんだから」みたいな感じで、モチベーションのためにも買うようになっちゃいましたけど(笑)。そうして自然と言葉も覚えましたし、海外でのコミュニケーションの取り方やマナーも学べた。とにかく北海道にずっといたら無縁だった世界にふれることができましたね。ヨーロッパの文化に気後れすることもありませんでした。逆にウエアなどに関しては自分のモデルを考えてオリジナルを作ったりしてましたから、逆にヨーロッパで影響を与えることができました。

結果を出せばテレビに映りますから、みんながほしがるようになったんです。もともとそういうアイデアを考えるのが好きだったことに加え、けっこうスタイル重視だったので、ゴーグルやストックも含めほとんどがオリジナルモデルでしたね。

松田 なるほど。そこらあたりのチャレンジ精神とアイデアマンぶりは、いまの仕事にもつながっていますね。

岡部 当時はそういう意識はなかったんですが、元来いろいろやってみることが好きなんでしょうね。

ネーヴェ代表 岡部哲也さん(2)「ヨーロッパでプロフェッショナルを学ぶ」

岡部哲也著
DVD付き『カンタン体操でおなかまわりスッキリ!』
6月9日(月)発売
1400円(泰文堂)
「私が40歳になった頃、運動不足か暴飲暴食か……、気がつけばおなかまわりがポッコリ……、ジョギングをするのは好きではあるのですが、冬になると寒くて難しく……とにかく継続するのが難しくて……。そこで、毎日10分でも場所構わずコツコツと(これも嫌いなんですが)できることは「体幹運動」だなと、ゆっくり寝たまま無理せずからはじめ、なんと!どんなに忙しい時でも継続できているのでした。今、話題になっている「メタボ」にならないためにも、ぜひこの本を活用してくれれば幸いです(岡部哲也さん談)」

ネーヴェ
公式サイト│http://www.snowdreamer.jp/

           
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