ジンクスはなるべくつくらないようにしています

松田　プロ選手でも、必ずなんらかのジンクスをもっていると聞きますが、数字とかへのこだわりはありますか？ 以前、どこかで新幹線の座席は16か17しか乗らないとお聞きしたんですが。

藤田　あれは数字へのこだわりじゃなくて、出入り口に近いからという理由です。出入り口の近くで富士山が見える側、ということで16か17を選ぶんです。とはいえ、ユトレヒトでは背番号も16でしたし、やっぱり10と16は嫌いじゃないですね。クルマのナンバーを10にしたりはしないですが、たとえば、たまたま使ったロッカーの番号が10だったりすると、ちょっとうれしいですね。

松田　サッカーに関して、なにか必ずやっているこだわりみたいなものはありますか？

藤田　サッカーに関しては、そういうこだわりをあまりもたないようにしています。それに縛られちゃうのがイヤなんです。でも、なんにもないのもちょっと不安だから、試合前にユニフォームのマークのところに、ほんのちょっとだけ柑橘系のアロマオイルをつけてるんです。あとは、あまりおなかいっぱい食べないとか、その程度ですね。

松田　試合中にほのかに香るアロマ、いいですね。トレーニング方法なども、自分でいろいろ試してみたとおっしゃってましたが、そういった試行錯誤の結果よかったものを若い選手に伝えたりもしているんですか？

藤田　その方法をやるかやらないかは別にして、いいと思ったことはどんどん教えますよ。よくプロの選手は自分の方法を人には教えないなんていわれますが、僕はそんなことありません。逆に若い人の意見も積極的に聞きますし。

松田　それは素晴らしいですね。ベテランになってくると、だんだんまわりが否定しなくなりますからね。

藤田　それは不安ですね。だから、ベテランになるほど冷静に自分を判断しなくちゃいけないと、こころがけています。

ジョン ロブ丸の内店にて

2007YEAR COLLECTION

選手として、そして選手会長として……

松田　将来はやっぱり、指導者になりたいとお考えですか？

藤田　う～ん、まだわかりませんが、サッカーが好きですから離れられないでしょうね。もうちょっと時間が経つと、いまよりももっと監督になりたくなるんじゃないかと思うので、ライセンスは取っておこうと考えています。

松田　いまラモスさんやストイコビッチさん、長谷川(健太)さんなんかも監督になっていますが、黄金期の選手たちが監督になることで、もう一度ファンが戻ってきそうな気がしますね。

藤田　そういう意味では自分も同様の立場になりつつありますし、身をもって感じてみたいという思いはあります。監督というのは選手以上に厳しい世界。3連敗するとどんな人でも焦ります。そのとき自分がどうするのか、これもやってみないとわからないですから。松田さんもそうじゃないですか？

松田　そうですね。僕も社長になってから、それまでと仕事への姿勢が変わりました。すごく見方が細かくなりましたね。

藤田　やっぱりそうですか。サッカーの監督でも会社の社長でも、職種のちがいこそあれボスというのは、みんなおなじですよね。

松田　最後に今年の抱負を聞かせてもらえませんでしょうか？

藤田　1年間ケガなくフルに出て勝ちたい。これは今年に限らず、ずっと掲げてきた抱負です。まずは「1年間闘えます」と言えて、信頼されることが大切ですから。そのうえで今年は、選手会長としてもプレー同様、積極的に働きたいと思っています。以前はプレーで魅せればそれでいいんだと思っていた時期もありましたが、いまはそれだけじゃないと思えるようになってきました。ですから今年は、ある種ずうずうしくものをいっていかなければ、と思っています。みんなを引っ張っていかなきゃいけないし、盛り上がっていることは冷めないうちに決断を下さなければいけない。スピード感が大切という点では、プレーとおなじだと思っています。

松田　どうもありがとうございました。ご活躍を期待しています。

藤田　こちらこそ、ありがとうございました。

藤田俊哉公式サイト│http://www.toshiya.tv/

Jリーグ選手協会会長インタビュー│http://j-leaguers.net/special/special/file023.html

我那覇選手 ドーピング問題 仲裁手続募金 特設ページ│http://j-leaguers.net/ganaha/index.html