「ジョン ロブなオトコ」藤田俊哉さん(1)
Fashion
2015年5月12日

「ジョン ロブなオトコ」藤田俊哉さん(1)

名古屋グランパスエイト 藤田俊哉さん(全3回/1)

「自分がしてきたことは残したい」

今回のゲストは、1990年代後半から2000年代前半のジュビロ磐田黄金時代を支え、現在は名古屋グランパスエイトで活躍するJリーガーの藤田俊哉さんです。
昨年は前人未到の400試合出場を果たし、さらにグラウンドの外では選手会長としてサッカーへの情熱を注ぐ藤田さん。そんな藤田さんとは、たんに靴をとおしてだけの関係ではなく、共通の知人の紹介で知り合って以来、家族ぐるみでお付き合いさせていただいている仲。それもこれも彼の素晴らしい人間性に惹かれてのことなのです。
そこで今回は、サッカーの話、私生活の話などをざっくばらんにおうかがいしながら、あらためて人間・藤田俊哉の魅力に迫ってみたいと思います。

ホスト=松田智沖(ジョン ロブ ジャパン)まとめ=竹内虎之介(City Writes)Photo by Jamandfix

サッカー以外のことって本当に知らないんです

松田 あらためて考えてみれば藤田さんとは、かなり長い付き合いになりますね。

藤田 そうですね。いつもお会いできることを楽しみにしています。

松田 光栄です。

藤田 僕たちサッカー選手は、サッカー以外のことを学ぶ機会って本当に少ないんですよ。だから、松田さんのような自分のまわりにいないタイプの人とお話しするのは、すごく勉強になります。もともと人と会うのは好きですし、全然わからない世界のことを聞くのも好きなんです。でも、こうした出会いもサッカー選手でなかったらできなかったこと。そういう意味では、サッカーをとおしてできることはなんでもやりたいと思っています。実際、サッカー選手って本当にサッカー以外のことは知らないんですよ。僕だって、いまだに東京の地下鉄にはなかなか乗れないし(笑)。

名古屋グランパスエイト 藤田俊哉さん(全3回/1)「自分がしてきたことは残したい」

松田 それが道を極めた人というものですよ。

藤田 でも日本のサッカー選手は、極めてるわりにはステータスが低いですよ。プロとアマの最大のちがいは、サッカーをやっている人や広い範囲で応援してくれている人に夢や感動を与えられることだと思います。選手会長としては、いまよりもうちょっと夢を与えられるようにしたいと思っています。若い選手のなかには、かつてJリーグのチケットが取れなかったことを知らない人も多いぐらいですから。

松田 え、そうなんですか。でも、そんななかで、藤田さんはなにかを残していこうと思っているわけですよね。

藤田 そうです。とにかく自分がしてきたことは残したいと思っています。

正直いって、いまだに400試合の実感はないんです

松田 2003年にはオランダのFCユトレヒトでもプレーされましたが、いま振り返ってどういう感想をおもちですか?

藤田 まずはサッカー以外のことで疲れるという点で、日本でやっているのとは全然ちがいましたね。日本では自宅から練習場まで行くことなんて無意識でできますが、言葉が通じず土地勘もないところでは、そこからストレスになるわけです。だから、なかなかサッカーだけに集中できない。でも、僕にとっては刺激的でしたし、いまでもいい体験だったと思いますね。もちろんサッカーそのものの考え方も日本とはちがいます。日本ではエゴというのはネガティブな意味でとらえられがちですが、向こうでは監督がよく「お前を見せろ!」というんです。チームの輪のなかでばかリやろうとすると、それは逆に消極的に見えるんだと思います。欲をいえば、3年から5年くらいはやってみたかったですね。

松田 外に出ると、日本の見え方も変わってきますか?

藤田 ええ。外に出たことで日本のいいところがよく見えてきました。サッカーを取り巻く環境や、それ以外の生活面を考えても、日本くらいいい国はないなと感じましたね。

松田 ところで、昨年は前人未到のリーグ400試合出場をされました。おめでとうございます。

藤田 ありがとうございます。

松田 あのときはどんな感じでしたか?

名古屋グランパスエイト 藤田俊哉さん(全3回/1)「自分がしてきたことは残したい」

藤田 正直いって、いまだに実感がないんです。ずっと、次の試合に出たいという一心でやってきましたから、400試合といわれても「そうか」というぐらいです。そもそも入団したときには400試合なんてイメージもしていませんでしたし、本当に気がついたらという感じですね。これからもその気持ちは変わらないでしょう。
身体の方はまだまだ大丈夫だと自分では思っています。もちろん若いころと比較して基礎体力は落ちていると思いますが、そのぶん経験が生かせるようになってきています。サッカーって予測が大切なスポーツですから、補(おぎな)える部分は大きいですね。そのイメージにハマらなくなったらダメかなと思いますが、いまのところはイメージしたとおりの展開になることが多いですから。
それよりも気持ちが萎えてしまうとダメでしょうね。僕はいまでも本当にサッカーが大好きなんです。だから次もやりたいと強烈に思える。それがなくなることを考えるのがいちばん怖いですね。

藤田俊哉公式サイト│http://www.toshiya.tv/

Jリーグ選手協会会長インタビュー│http://j-leaguers.net/special/special/file023.html

我那覇選手 ドーピング問題 仲裁手続募金 特設ページ│http://j-leaguers.net/ganaha/index.html

           
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