第9回 キモノを畳む
Fashion
2015年5月21日

第9回 キモノを畳む

男のキモノ、その形拵え(なりごしらえ)の「基本のキ」をイラストレーターの穂積和夫さんが解説します。
第9回はキモノの畳み方のはなし。他人まかせにせず、自分で後始末をするための、その方法についてお話しをうかがいます。

文とイラストレーション=穂積和夫

キモノに対する愛着も、これでなお深く

キモノを着ようと思ったら、着た後の後始末も出来なくてはいけない。他人まかせではなく、必ず自分で始末するクセを身につけよう。その方がよりキモノに対する愛着も湧くし、汚れやほころびなども常にチェック出来る。

そんなクルマには滅多に巡りあわない

まず、キモノを着た後は必ず衣紋竿(衣紋竹ともいう、いうなればキモノ専用のハンガーだ)に掛けて一晩吊して湿気を乾かしておく。
洋服のハンガーは撫で肩にできているから、うまく掛からない。

衣紋竿はキモノの肩幅いっぱいの一本ものが使いやすく、一本は持っていたいものである。
伸び縮みするものや半分に折れるものもあるが、これはどちらかというと旅行用として便利だ。

わたしは長襦袢、キモノ(長着)、羽織を重ねて掛けることにしている。その他の付属品、帯、伊達締め、足袋、手拭いその他の付属品は、その間に始末しておこう。

翌日になったら、衣紋竿からはずして畳む。この作業も必ず自分ですること。畳むのはゴザの上で行う。和室でも洋室でも同じことだ。わたしはベッドの上を平らにして、その上に花茣蓙(はなござ)をいっぱいに広げて、その上で畳むことにしている。畳み方はイラストをご覧いただきたい。

キモノ(長着)の畳み方

羽織の畳み方

長襦袢の畳み方

畳んだら、それぞれタトウに入れて箪笥に収納する。タトウ(紙製)には入れない方が良いという人もいるが、入れた方が箪笥の引き出しに収納しやすい。

箪笥は昔から桐箪笥がいちばん良いといわれている。箪笥の中には匂い袋などを入れたりするが、わたしは防虫剤をいきなり入れて収納する。ナフタリン系の防虫剤は匂いを嫌う人もいるが、わたしは案外この匂いが好きだ。気になるようだったらキモノを着る当日の朝から衣紋竿に掛けて、匂いを飛ばせればいい。

           
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