『My Freedamn! Vol.5』 (1)
Fashion
2015年3月12日

『My Freedamn! Vol.5』 (1)

田中凛太郎氏インタビュー

『My Freedamn! Vol.5』 完成記念スペシャルトーク 第1回

『My Freedamn! Vol.5』P234-235より

2006年12月に発売されたばかりの田中凛太郎氏の最新作『My Freedamn! Vol.5』。その発売事前準備のために帰国していた田中氏にオウプナーズ編集室が緊急インタビューを敢行。気になる本の中身を含め、今回から3回に渡って彼の最新の声をお伝えします。

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『My Freedamn! Vol.5』Introductionより

テーマはエルヴィス以前のフィフティーズ

──まずは『My Freedamn!』最新号のお話をお伺いしたいんですが、今回はどんな内容なんでしょうか?

田中 テーマは「フィフティーズ」です。でもひとくちにフィフティーズといっても実はけっこう長いんですよ。エルヴィスが出てきたのが1954年でブレイクするのが56年。そして一般的に知られているフィフティーズはエルヴィスのブレイク以降、つまり56年以降のカルチャーのことを指します。ですが、今回の本には、あえてエルヴィス以前のフィフティーズを集約しました。

──じゃあ、40年代も入ってるんですね?

田中 そうです。年代でいうと1939年から朝鮮戦争ぐらいまでです。実をいうと最初はエルヴィス以降をメインにする予定でした。で、今回の内容のものをそのイントロダクションにするつもりで作っていたんですが、イントロダクションだけで一冊できてしまったというわけです。ですので、すでに次のVol.6も同時に作っています。そっちは、もっとロカビリーっぽい、みなさんがよく知っているフィフティーズの世界が登場します。

『My Freedamn! Vol.5』表紙

なんでもピークの直前が一番おいしい

──でも、このVol.5に描かれているフィフティーズが好きな人は多いと思いますよ

田中 そうですね。おいしいフィフティーズっていうのは、やっぱりエルヴィスの前なんですよ。どんなカルチャーでもピークに達する直前が一番いいじゃないですか。ブームになると薄まりますから。ですから、古着ファンの間ではエルヴィス以前のフィフティーズが好きな人っていうのが多いんです。

──ただし、最初のとっかかりはエルヴィス以降だったんですね?

田中 そう、意外とエルヴィス以降のフィフティーズの服の本って世の中にないんですよ。クルマの本や家具の本はたくさんあるのに服は不思議なほどない。で、やろうかな、と。

──なんででしょうね?

田中 やってみてわかったんですが、ウルサイ人が多いんですよ。だからこれまで誰も触らなかった(笑)。しかも量が膨大!

──あの頃のアメリカがどれだけモノを作っていたかってことですよね

田中 まさにそうですね。20世紀ってアメリカの世紀だったと思うんですが、中でもフィフティーズというのは20世紀を代表するカルチャーだったと思います。

(つづく)

           
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