〈2〉15年ぶりのケンタッキー州
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2015年3月12日

〈2〉15年ぶりのケンタッキー州

田中凜太郎 〈2〉15年ぶりのケンタッキー州

ケンタッキーといえば

ケンタッキー州を走るのはもう15年ぶりで、久しぶりに広大な麦畑を見ました。ケンタッキーといえばバーボン・ウイスキーが有名ですが、小説『ライ麦畑でつかまえて』の舞台として知っている人も多いでしょう。

小説の舞台となったこの界隈の広大な麦畑の景色は、15年の月日を経てさすがにちょっとモダンになった気がします。しかしやっぱり田舎は田舎ですね~。フリーウェイから外れると騒音がぴったりとなくなり、セミの鳴き声だけが大地を埋め尽くしています。

僕は排気ガスで潰れそうなロサンジェルスが最近ちょっと嫌いになり、気分を落ち着かせるため、アメリカの田舎をドライブするんです。そこで出会う人々はちょっと保守的ですが、しかし大変に親切な人ばかりで僕にはぴったりなのです。

カメラを2台肩にぶら下げながら

朝9時にモーテルをチェックアウトし、夕暮れ時の7時まで国道127号線上を走らせると、田舎とは思えない数のクルマを目にします。盛り上がっているエリアでは駐車の長い列ができ、沢山の人が歩いています。

古い食器を並べているおばあさん、子供のお古を売るお母さん、そしてハンティング用のガンを磨いているおじいさん。僕はカメラを2台肩にぶら下げながら、各ブースを見て回ります。

ケンタッキーのような田舎では日本人がいないため、たくさんの視線を感じますが、大きなカメラを2台も持っているため、僕の職業を勝手に当ててくれるようです。実際、「日本の何と言う雑誌だ?」と何度も聞かれた程ですから。

「Panama」&「Seattle」と刺繍された1963年製のお土産用枕カバーを発見した時でした。突然、ひとりの女性が声を掛けてきました。

(to be continued)


           
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