ALDENの魅力を語る(1)
Fashion
2015年5月19日

ALDENの魅力を語る(1)

ALDENとの出会いとその魅力を語る(1)

#31 NY・ALDEN・吉田カバン&シャンパンの思い出

ALDEN/1979~

ユナイテッドアローズといえば“オールデン”。ということで、ニューヨークでの出会いから物語は始まります。お楽しみください。

構成=梶井 誠(本誌)写真=Jamandfix

40年から50年代の復刻の木型に、アッパーを乗せ替えた珍しいモデル。6アイレットも目を引く。当時4万8000円

「オールデン」を最初に履いたのはブルックス ブラザーズのタッセルローファーです。28年前ですね。シップスの前・副社長だった中村 裕さんはもっとはやくから履いていましたよ。

私たちの世代はトラッド育ちなので、当時ニューヨークへ行ってまず買うものというと、ブルックスのコードバン(馬の尻革)のローファーなんです。

ニューヨークには77年から定期的に買い付けに行っていて、79年頃からラルフ・ローレンを中心としたニューヨーク・ファッションが一気にクローズアップされます。
ちょうど80年に平凡出版(現マガジンハウス)から雑誌『ブルータス』が創刊されて、ファッションディレクターの北村勝彦さんがそれらを取り上げました。

80年に「ニューヨークデザイナーズコレクティブ」という、ニューヨークとヨーロッパのマニアックなデザイナーだけを集めた展示会がスタートして、そこに日本人が2人だけ選出されて出展したんです。それが、コム デ ギャルソンと吉田カバンでした。

当時、吉田カバンの商品は日本ではテイジンメンズショップに入っていて、雑誌『ポパイ』で紹介されていて、すごいカバンだなと思っていたんですね。
そうしたら1981年にニューヨーク・デザイナーズコレクティブに出ていて、「日本で展開させてもらえますか」とお願いしました。日本のメーカーじゃないと思っていたんですよ。
吉田克幸さんがロンドンの鞄学校で修行されて、卒業して自分のコレクションを出したという情報は『ポパイ』で読んで知っていたんですが……。

それで、81年2月1日にオープンしたインターナショナルギャラリー ビームスに吉田カバンのコーナーを設けたんです。インターナショナルギャラリーにはポール・スミス、マルセル・ラサンス、ニューヨークのピンキー&ダイアンなどを揃えていました。

僕はいま、人生のなかでいちばん酒量が多いんじゃないかと思えるほどシャンパンを飲んでいますが、それのきっかけもニューヨークでした。

ニューヨークでの展示会が終わると吉田克幸さんが「ブルックリンへご飯を食べに行こうよ」と、リムジンを借りるんです。リムジンのなかにシャンパンがあって、本当にあの人の影響でシャンパン好きになりましたね。リムジン代? ワリカンでしたよ(笑)。

ALDENとの出会いとその魅力を語る(2)に続く
           
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