10足目~16足目
Fashion
2015年5月19日

10足目~16足目

#10~16 大好きな運動靴(1)

60年代、70年代のこれらの運動靴からは、運動靴一足にさえここまで手間をかけたという豊かなアメリカが垣間見えます。戦勝国であり、生産国として世界一を誇った、アメリカの恩恵を受けたプロダクツたちは、自分が思い描いていたアメリカの黄金期を代弁してくれるものです。

RANDY/1965~67

photo by Jamandfix

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第17回「衣」 にまつわる話―マリッジリング編 (2)

上の「RANDY」のかかと部

16歳から18歳の頃に履いていたもので、もう40年以上前ですね(笑)。僕がカタチとして一番美しいと思っていたのが、この「RANDY」社の運動靴です。
当時、ケッズ、コンバース、トップサイダー、それと“赤ポチ”と呼ばれていたボールブランドなどがありましたが、歴代のアメリカのレースアップのテニスシューズの中で「RANDY」社製が最高の製品だと思います。

レースアップの羽根の長さ、履き口の長さ、そしてトゥの長さのバランスが整って、履いたときにもきれいで、美しく完成されていますね。

NO BRAND/1965~67

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これは米軍の配給靴で、船の甲板掃除用です。あの頃、横須賀に“ロッカークラブ”という横流し屋があったんですよ。店にロッカーがいっぱい並んでいて、水兵たちがそこに制服を預けて、服をレンタルして遊びに行くんです。それで遊んだら着替えて船に戻る。もちろんそこでレンタルする服は外人用ですから、ベースの購買部からの横流し品もあるわけです。その店と仲良くなって、売ってもらったのがこれですね。裏も貼ってないし、すごく簡素な実用靴です。
(1965~67年/500円)

CONVERSE/1976

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この「コンバース」はベースボール用で、1975年12月にビームスのオープン用として初めてロスに買い付けに行ったときに買ったものです。日本でいう洋品店にデッドストックで2足置いてありました。たぶんもう1足は岩城さん(現ユナイテッドアローズ代表取締役社長)が持っているんじゃないかな。

第17回「衣」 にまつわる話―マリッジリング編 (2)

60年代の新古品ですね。気に入ってよく履いていました。普通のコンバースの“チャックテイラー”と比べるとほんの少し薄くて、華奢で、細くて、ヨーロッパっぽい(笑)んですよ。ジョン・レノンが好んで履いていた運動靴に近いですね。
(1976年/10ドルぐらい)

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それと、この「コンバース」はデッドストックを買ってきてビームスで販売したもの。どこかに貸し出して、左足を紛失してしまいました。

Jack Purcell/1980

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第17回「衣」 にまつわる話―マリッジリング編 (2)

このBF GOODRICH社の「ジャックパーセル」は80年代始めにロスでヴィンテージで買ったものです。ロスにマニアックな60年代愛好家たちが立ち寄る“カウボーイ&プードル”というヴィンテージ屋があったんですね。70年代にジョン・レノンが白のスーツのバギーパンツに運動靴を合わせていて、そういう影響も受けて履いていました。

ユナイテッドアローズでもよく履いていましたね。色は極めて珍しい黒です。この後、ゴムの幅などのパターンが少しずつ変化していくんですね。
(1980/20ドル)

CONVERSE ALL STAR/1980

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これは水野谷弘一さん(現ユナイテッドアローズ常務取締役)が70年代に新品で買ったのを何かとバーターで交換した「コンバース」です。往年の一番いい時代の“チャックテイラー”と同型ですね。アメリカ人に言わせると「今でも何も変わっていない」(笑)というモデルです。

第17回「衣」 にまつわる話―マリッジリング編 (2)

           
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