MARGARET HOWELL|マーガレット・ハウエル
英国らしさへの“原点回帰”
マーガレット・ハウエルらしさとはどのようなものだろうか。受けとる側によってさまざまかもしれないが、その“らしさ”を構成する要素のひとつとして、「英国的であること」は当然欠かせない。
ジョンスメドレーやマッキントッシュ、ブランドスタート時からの“付き合い”になるフォックス ブラザーズなど、おなじく英国サプライヤーとのコラボレーションがおおいことも、英国的であることに貢献しているだろう。しかし、それだけが理由ではない。
マーガレット・ハウエルから感じられるのは、どことなく懐かしいようでいて、ときにハッとさせられる鮮烈さ。好きなものへのこだわりが貫かれた、いい意味での頑なさ。そうした印象こそが「英国的なるもの」のそれと重なっているのではないだろうか。
今シーズンは英国らしさへ原点回帰しているともいえるマーガレット・ハウエル。その軽やかさと重厚さとが交差する最新のコレクションをご覧いただこう。
ハリスツイードやウーステッドなど英国らしいマテリアルや機能的な素材の活躍の場はやはり秋冬シーズン。マーガレット・ハウエルはそれらの扱いを熟知している。
女性デザイナーでありながらメンズアイテムにも造詣が深い。その当然の帰結としてマーガレット・ハウエルには秀逸なアウターウェアが豊富に揃うことになる。
マーガレット・ハウエルの魅力はどのようなものか。一見して派手なデザインやカラフルな色にあふれているわけではないその服は、玄人好みと捉えられがちだが、果たしてそうなのだろうか。プレスやスタイリストなどマーガレット・ハウエルと関わりの深い3人に、その魅力について語っていただいた。
着るひとの自由であることは承知のうえだが、それでも敢えて言わせてもらうなら、マーガレット・ハウエルの服はほんのすこしだけ、身体が服のなかで“泳いで”いるのが似合う。コンパクトなシルエットではあるものの、タイトすぎない着心地はそれを見ているひとの気持ちまでゆったりとさせてくれるようだ。
マーガレット・ハウエルの冬を待つ装いには、ブランドを代表するアイテムでもあるシャツやリラックス感溢れるニット、あるいはツイードのざっくりした風情のジャケットやコート、ほかにもゴアテックスが寒風をシャットアウトするパーカなど、いくつもの魅惑的なアイテムがいまや遅しと出番を待っている。
マーガレット・ハウエルの服づくりにおいて、デザイナーズブランドでありながらも「英国伝統」というキーワードはつねに欠かせないものとなっている。とくに今季は原点回帰を打ち出し、原点──つまり「英国的なるもの」を再認識したコレクションとなった。今回はそのなかから象徴的なアイテムを紹介しよう。
1枚の写真でそのブランドの世界観を伝えきらなければならない、キャンペーンビジュアル。その大役を委ねられるフォトグラファーという存在は、デザイナーにとって“もうひとりの自分”のようなものかもしれない。そして、マーガレット・ハウエルはヴェネシア・スコットを選んだ。彼女たちがつくりあげたあたらしいシーズンのイメージは、どのようなものになったのだろうか。
“原点回帰”がキーワードとなった今シーズン。ブランドのアイコンともいえるフェアアイル柄や、アーガイル柄といった、英国の伝統的なパターンをポイントにしながらも、無彩色を中心に据えたカラーパレットにより、マーガレット・ハウエルの世界観がコンテンポラリーに表現されている。そんなコレクションのランウェイから、代表的なルックを選りすぐって紹介しよう。
今シーズンのラインナップからまず秋に身にまといたいアイテムをご紹介。ハイゲージニットでおなじみのジョンスメドレーにはじまり、英国の伝統的なファブリックメーカー、フォックス ブラザース、ほかにデニムの老舗EDWINや吉田カバンなど「MADE IN JAPAN」にこだわるクラフツマンシップをもったサプライヤーも。それらはとても“マーガレット・ハウエル”的に仕上がっているのはさすが。
アングローバル
Tel. 03-5467-7874
www.margarethowell.jp