ナイジェル・ケーボンインタビュー(2)
Fashion
2015年4月14日

ナイジェル・ケーボンインタビュー(2)

Interview with Nigel Cabourn(2)

共通のインスピレーションと、ものづくりへの思い

新生『ナイジェル・ケーボン』となる初のシーズン(2008秋冬)、生産にまでこだわった「AUTHENTIC LINE」は、シーズンテーマとして“AIM HIGH(高きを目指せ)”を設定。ナイジェル・ケーボン氏のヒーローであるヒラリー卿に敬意を込めたコレクションとなっている。

まとめ=オウプナーズPhoto by Jamandfix

「AUTHENTIC LINE」と「MAIN LINE」を対比させることで見えるもの

──2008秋冬シーズンから新たに2つのラインでスタートしたお話を……

いい質問です(笑)。まず2つのラインに分けたのは僕の希望で、「AUTHENTIC LINE」は、僕が直接生地や付属品までを手配し、工場にも実際に通って生産管理までこだわってつくるライン。もうひとつの「MAIN LINE」は、今回のように僕が来日してミーティングをし、デザインをプレゼンして生地や附属品を選び、生産するというラインです。

──とくに「AUTHENTIC LINE」はイギリスにこだわっているとか

やはり英国の生地と工場には思い入れがあるからね。たとえばハリスツイードの生地とかグローヴァーオールやマッキントッシュの工場はやはり素晴らしい。昔からいい製品をつくりつづけている工場は大切にしたいよ。そういうこだわりは、なにものにも代えがたいものだよ。

「AUTHENTIC LINE」
“Tenzing”TENZING JACKET
9万9750円

「AUTHENTIC LINE」
“Wilfrid”CAMERAMAN JACKET
12万6000円

「MAIN LINE」
TRIUMPH BIKER JACKET
9万1350円

──「MAIN LINE」がディフュージョンという考え方ではないんですね?

そうだね。決してディフュージョンではない。「AUTHENTIC LINE」も「MAIN LINE」も基本的にはヴィンテージをベースにしたコレクションで、共通したデザインインスピレーションから生まれているし、「MAIN LINE」はよりコンテンポラリーな見え方を意識しているといえばいいのかな。ラインを明確に分けたことで、両方見てもらえるというメリットも感じている。

──いまは『ナイジェル・ケーボン』はどこで見られますか?

ビームスプラス、シップスワインレーベル、アンカットバウンド、J.S.ホームステッド、渋谷西武でも見てもらえる。

──日本のセレクトショップはいかがですか?

じつに興味深いね。このインタビューの前にビームスプラスのプレス向け展示会場に行ってきたんだが、「どうしてうちの商品を買ってくれるの?」と質問したんだ。
だって、彼らは立派な商品生産背景をもっているからね。全部自分たちでつくれるはずなんだ。
でも彼らは「あなたにしか出せない味があるから買っている」といってくれる。バイヤーは『ナイジェル・ケーボン』のコンセプトを完璧に理解していて、『エンジニアードガーメンツ』や『ポスト オーバーオールズ』と並べているのも素晴らしいね。

──ところで、インターネットは利用していますか?

ややや、んー(笑)。実際は全然使えない。Eメールもじつはアシスタントが全部やってくれている。ミハラは全部自分でやると聞いてびっくりしたんだ(笑)。
インターネットは便利だろうね。でも、みんななんでも知っている状態っていうのはどうなんだろう?

──ありがとうございました。春夏コレクションも楽しみにしています。

もちろん、いい服がたくさんあるよ。

ナイジェル・ケーボン
OUTER LIMITS
Tel. 03-5457-5631
http://www.outerlimits.co.jp/
http://www.cabourn.jp/

           
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