人類初の快挙、南極大陸横断60周年を讃えた最新コレクション|Nigel Cabourn
FASHION / MEN
2015年10月30日

人類初の快挙、南極大陸横断60周年を讃えた最新コレクション|Nigel Cabourn

Nigel Cabourn|ナイジェル・ケーボン

コンセプトは「THE TRANS-ANTARCTIC EXPEDITION & ROYAL AIRFORCE」

南極大陸横断60周年を讃えた最新コレクション

「Nigel Cabourn(ナイジェル・ケーボン)」の今シーズンのコレクションは、1955年から58年にかけて、英国人のヴィヴィアン・フックスとニュージーランド人のエドモンド・ヒラリーによる人類初の南極大陸横断探検のストーリーからインスパイア。デザイナーのナイジェル・ケーボン氏は「死ぬまでに一度、南極大陸に行ってみたい」と語る。

Photographs by SUZUKI Shimpei Text by KAJII Makoto (OPENERS)

探検開始から60周年に敬意を表して

ナイジェル・ケーボン氏に南極大陸横断探検に惹かれた理由を尋ねると「まず、テンジン・ノルゲイとともに、1953年にエベレストの人類初登頂に成功したエドモンド・ヒラリーが、55年には英国連邦がスポンサーとなったイギリス連邦南極横断探検に参加したこと。さらに彼は南極氷床高原のあらたなルートを開拓し、改造した農耕用トラクターを使って南極点まで到達したこと。エンジンつきの乗り物を南極にもち込んだことにも敬意を表します」と語る。

さらに「ヴィヴィアン・フックスと、のちにサーの称号を得ることになるエドモンド・ヒラリーは、それぞれ別チームを組んで、南極の北と南から南極点を目指したというのもすばらしい。そういうストーリーにはとても惹かれます」とつづける。

ナイジェル・ケーボン|2015-16年秋冬コレクション

ナイジェル・ケーボン|2015-16年秋冬コレクション

キャッチーなカラーのオレンジの意味

この南極大陸横断探検は、食糧やベースキャンプを設営するための物資を、当時のイギリス空軍やアメリカの軍用機から調達し、探検隊も当時の軍人が数多く参加。軍服をカスタマイズした防寒服を着用していたという。

今シーズンのコレクションには、ネイビージャケットやオリーブパンツ、ニットキャップなど、当時のミリタリーデザインからインスパイアされたものが多く見られるが、とくにオレンジの使い方が印象的だ。これについてナイジェル氏は「キーカラーのオレンジは、たとえばアメリカを代表するブランドのフィルソンでは、誤射を防ぐための重要なカラーです。それとおなじく、オレンジは発見されやすい色として南極大陸探検では重用されていました」と解説する。

ナイジェル・ケーボン|2015-16年秋冬コレクション

ナイジェル・ケーボン|2015-16年秋冬コレクション

ナイジェルが男の冒険に惹かれる理由

「エベレスト登頂とおなじように、南極大陸横断探検も壮絶を極めた冒険だったはずで、それに挑んだ彼らには敬意しかありません。その名前は永遠に語り継がれますが、彼らを守ったのは服で、その存在にも感動を覚えます。当時の服は、現在に比べれば素材も貧弱ですが、50年代に冒険をおこなった彼らには、1930年代後半に世に出たベンタイル(VENTILE)生地があった。軍用で綿を高密度で織った水を通さない防水用の生地がどれほど彼らを助けたか。ベンタイルはナイジェル・ケーボンの普遍的なキーマテリアルですが、ひとが身を守るためにつくられた、決して変わることのないよさをこれからも伝えていこうと思います」と語る。

ナイジェル氏のアイデアソースとなっているのは歴史的な古着アーカイブだが、1979年から35年かけて現在では4000ピースにのぼるという。「第一次・第二次世界大戦、探検家、ミリタリー、スポーツまで、コレクションはまだまだ増えつづけています」と笑う。

昨年9月にロンドン・コベントガーデンにオープンしたショップ「Nigel Cabourn THE ARMY GYM London(ナイジェル・ケーボン アーミー・ジム ロンドンストア)」のことを訊くと「1年経ってよい感じになってきました。GYM、つまり鍛える場所にふさわしい内装で、東京のショップに似ています」とのこと。

「今シーズンのコレクションを通じて、男のパッションを感じてほしい」とメッセージを結んだ。

問い合わせ先

OUTER LIMITS

Tel. 03-5457-5637

http://www.cabourn.jp/

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