信國太志|テーラーサロン『THE CRAFTIVISM taishi nobukuni』オープンその後
Fashion
2015年2月25日

信國太志|テーラーサロン『THE CRAFTIVISM taishi nobukuni』オープンその後

連載|信國太志

テーラーサロン『THE CRAFTIVISM taishi nobukuni』スタートから半年経過

第14回 3.11が訪れました

一年を経て、長く短いその一年間をどのように過ごしたのか、またあのときはどのような日常で、あのとき以来それがどう変わったのか? 黙祷とともに自問された方も多いでしょう。
僕はといえば、あのころ街の仕立て屋になるべく修行していたのですが、一年後のいま銀座のサロンで仕事しているなんて思ってなかったので、変化の早さというか自分の行動の早さに驚くような呆れるような――

Text by NIBUKUNI TaishiPhotographs by HOZUMI Hitomi (fixakey)

サロンが直面した現実と、これからの課題

そもそもテーラーにシフトしてきたこの僕の連載初期から読んでいただくと、どんな早い流れに僕が身を任せた(実際は主体的に時間を巻いていったんですが。だって急がないと仕立ての世界が崩壊しちゃうから)かがご理解いただけます。

で、サロンなのですが、予想どおり当初は職人不足や衰退する国内産業の現実に早々にぶつかりました。というのも、サブ的な提案でありながらメインストリームを占めるパターンオーダーより、完全にオリジナルな仕立てをお求めになる方が予想以上に多いという、うれしい現実もその理由の一端ですが。

やはりオリジナルでクオリティ高いものを求められる方が確実におられるということ。

しかし供給を満たせるアルチザンが育っていないという現実。

その後、スタッフの尽力もありバックグラウンドも整ってはきましたが、やはり将来を見据えて自分たちでも家内制手工業(書いてるとなんか良い言葉だな、、、)を確立し、人材を育てる努力が必須だと感じています。

信國太志|銀座サロン 03

信國太志|銀座サロン 07

このほんの数ヵ月に、さまざまなご注文をこなしました

ドクターのオーダーによるハウンドトゥースのコラージュのコート。某映画監督のオーダーによるモールスキンのジェシージェイムスふうスリーピース。女性レストランオーナーのビッグショルダー……。

振り返ると、テーラーにはふさわしいお客さまがみえるというか、皆さんのお顔や服を思い返すと個性的なラインナップでうれしくなります。

なんかこんな調子で生涯つくりつづけて、死に際にでもそんなお客さまたちや服をおもい返して、映画『ワンス・アポン・ア・タイム』の(ロバート・)デニーロのようにニヤリと笑って死ねたらなんて夢想します。

信國太志|銀座サロン 09

信國太志|銀座サロン 12

今年の秋冬からは国内のテーラーが誰もやってない提案をはじめます

スカートを提案します。

仕事中エプロンすること多いのですが、なんかスカート感覚っていいです。ジャケットと組でぜひどうぞ。

え、大丈夫か? お前おかしくないか? ですって?

大丈夫。

私はもとからオカシイ、サイコテーラーですから。HUHUHU,,,,,,,,,

信國太志|銀座サロン 17

THE CRAFTIVISM taishi nobukuni
東京都中央区銀座2-11-11 5F
Tel:03-3547-5341
営業時間|12:00~20:00(月~金曜)
※アポイント制
http://www.taishi-nobukuni.co.jp/craftivism/

           
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