モンブランが威信をかけた、世界限定1点2億円相当の万年筆|MONTBLANC
Montblanc|モンブラン
"執筆"のメタファーである「スパイダー」がモチーフ
Montblancが、世界にたった一つ、150万ユーロ(日本円約2億円相当)の万年筆を発表した。スパイダーをモチーフにした装飾や、美しくカットされた宝石が散りばめられた特別なプロダクトだ。
Text by WASEDA Kosaku(OPENERS)
複雑な彫金とジュエリーで仕上げられた豪華絢爛な一本
古来より、執筆という創造行為のメタファーであった「スパイダー」(クモ)。選び抜かれた言葉を紡いだ文学作品は、その精微さゆえに「クモの巣のようだ」と表現される。
古代ギリシャの詩人オウィディウスが「変身物語」でアラクネ―を取り上げて以来、繰り返し文学に登場するモチーフであり、18世紀から20世紀初頭にかけては、詩人のヴァレリーやマラルメ、随筆家のポンジュの作品にみられるよう、頻繁に文芸作品のなかで取り上げられている。
モンブランはこのスパイダーの文学的・芸術的な存在感に敬意を払い、1920年代にスパイダーをモチーフにしたアイテムを発表している。それから約1世紀を経た2018年、モンブランは再び「スパイダー」にフォーカスを当てた。
世界でたった1点のみ製作された「モンブラン ハイヤーティストリー ヘリテイジ メタモルフォシスリミテッドエディション1」をリリースした。
スパイダーが糸を絹のタペストリーのように織り上げるのと同じように、モンブランの熟練した職人が美しい万年筆を生み出したのだ。最先端のツールでカットされたダイヤモンドを、複雑な彫金技法ペン先制作などのテクニックと組み合わせ、芸術作品のように仕上げられた。
Au750ホワイトゴールドのスケルトン構造のボディとキャップは、繊細の組みの美しさを写しとったもの。すべて手作業で彫刻され磨き上げられている。計13カラットのフルパヴェ大モンドが有機的なパターンで絡みつくボディのキャップには、ペアカットダイヤモンドで作られた立体的なスパイダーを配置。その脚にはさらに16個のダイヤモンドがセットされている。
このスパイダーの装飾は取り外しが可能で、ブレスレットやブローチとしても着用できる。またキャップトップにもスパイダーセットされ、胴体には5カラットを超える大粒なブリリアントカットダイヤモンドが光を放っている。そのふたつの目にもブリリアントカットダイヤモンドで製作されている。
そしてクリップ先端にはバゲットカットダイヤモンドがはめこまれている。キャップを外すと、Au750ソリッドホワイトゴールドのペン先が姿を現す。ペン先は精微に彫り込まれたクモの巣のグレービングと、2粒のブリリアントカットダイヤモンドで仕上げられた。
スパイダーがもつ文学的・芸術的価値、モンブランのクラフツマンシップ、美しい宝飾が織り成す、まさに甦ったマスターピースと呼ぶにふさわしいプロダクトだ。