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INTERIOR
2017年11月20日
あの「座イス」が、いよいよグッドデザイン ロングライフデザイン賞に|Tendo Mokko
Tendo Mokko|天童木工
北欧のエッセンスを受け継いだシンプルな機能美
1963年に発表された天童木工の「座イス」が2017年度のグッドデザイン賞の「ロングライフデザイン賞」を受賞した。
Text by YANAKA Tomomi
藤森健次による機能性とルックスを両立させたデザイン
旅館や飲食店で、今でも目にする座イス。今日では類似デザインが数多く出回るものの、その元祖と言えるのが1963年に発表された天童木工の「座イス」だ。
この座イスが、長年にわたりユーザーからの支持を得て、今後もその価値を発揮し続けるであろうデザインを顕彰する「グッドデザイン・ロングライフデザイン賞」に輝いた。
一枚の成形合板を三次元曲面へと加工した複雑構造でありながら、一切無駄のないデザインに仕上げたのは、北欧でデザインを学び、機能的かつ美しい家具を生み出してきた藤森健次(1919-1993)。
背もたれが背中にやさしくフィットし、“しなり”が圧迫感を和らげてくれるほか、座面の穴は座布団を置いた際のズレを防止したり、軽量化や反り返り防止の働きがある。
重さも1.7キログラムと軽く、積み重ねることも可能という考え抜かれたデザインで、アメリカ・フィラデルフィア美術館の永久収蔵品に選定。日本の生活文化に根付いた機能美を後世へと伝えている。
受賞した「座イス」は、11月1日(水)から11月5日(日)まで六本木の東京ミッドタウンで開かれた『グッドデザイン エキシビション2017』にて、ほかの受賞作品などとともに紹介された。
座イス
サイズ|W330mm×D490mm×H400mm
価格|2万1000円(税別)
問い合わせ先
天童木工
http://www.tendo-mokko.co.jp/