ワイヤーアニマルヘッドで話題のアーティスト HAyU インタビュー | MEDICOM TOY

MEDICOM TOY｜メディコム・トイ

園芸農家からワイヤーアート作家への華麗なる転身

金型なしのフリーハンドでつくりあげていくワイヤーアニマルヘッドをメインに、手にした人が自由な発想で自由にアレンジできるワイヤーアートで各方面から絶賛されているアーティスト・HAyU（ハユ）。
メディコム・トイも早くからその卓越した才能に注目し、『BE@RBRICK WORLD WIDE TOUR 3』』への参加、そして2月にMEDICOM TOY PLUSの移転オープン記念商品「HAyU Wire BE@RBRICK 400% & APPLE」が発売されることになった。
これを記念して、HAyUことデザイナーの小川学氏に、これまでの活動やBE@RBRICKの制作背景についてメールにてお話をうかがった。

Text by SHINNO Kunihiko｜Edit by TOMIYAMA Eizaburo

僕にとってメディコム・トイは、LV20前くらいのドラクエのダンジョン

ワイヤーアニマルヘッドで話題のアーティスト HAyU インタビュー | MEDICOM TOY

HAyU／小川学
1976年茨城県生まれ。東京、横浜で美容関係の仕事を経て、茨城に帰郷し園芸農家となる。2015年よりワイヤーアートの制作を開始。インテリア上のアートとしてワイヤーアニマルヘッドという独自のスタイルをつくる。17年、青参道アートフェアーで作家デビュー。現在、全国各地で抽選による販売会を開催。創作活動はインテリアアートにとどまらず、ホテルロビーや公共施設のディスプレイ、パブリックアートも手がけるほか、井上陽水氏のCDジャケットに作品を提供、テキスタイルのデザインなど多岐に活動中。

──もともと園芸農家をされていたそうですが、ワイヤーアートの制作に至るきっかけはなんだったんでしょう？

自宅の新築に合わせて、リビングの壁に何かアートを飾りたいというひらめきから始まりました。とはいえ絵の経験が全くなかったので、自分で絵を描いてもつまらないものしかできない。だったら園芸でパイプを結束していた針金が手元にあったので、それで何か作ってみようと思ったのがきっかけです。もしも手元に違うものがあったら、ワイヤーアートは作っていないと思います。

──ワイアーアート制作の技術はどのようにして身につけたのでしょうか？

ワイヤーアートの技術がどのようなものか未だに自分でもよくわかりませんが、立体的な作品になったのは園芸農家の前に美容師を10年ほどやっていたので、立体を作るのが自分の中では自然なことでした。

──ワイアーで動物を作るとき、特にこだわっている点、難しい点について教えてください。

目です。正確には瞳です。基本的に瞳から作るので、瞳の大きさで全体の大きさを決めています。また瞳の中心からのワイヤー渦が縦向きか、横向きかで、表情が変わりますので、各種動物の性格で使い分けています。難しい点は、細かい作業が苦手なんですが細かい作風にしてしまった事です。

──これまで影響を受けたカルチャーは？

もともとアーティストになろうと思ったこともないので、それを真似してデザインしたり作ってみようと思った人はいないんですが、影響を受けたいと思っているのは劇作家の寺山修司。実際に観てはいないんですが阿佐ヶ谷『ノック』（※）の話は衝撃的でした。

※1975年4月19日・30日、東京都杉並区阿佐ヶ谷の18カ所にて同時多発的に行われた観客参加型の30時間市街劇。住民からの苦情により警察が介入し公演を中止するなど、社会的にも大きな話題となった。

あとマルセル・デュシャン。このあたりから、参加型や能動的な作品が面白いと思っています。キース・ヘリングやウォーホルなどの80年台のポップアートも好きです。

元が美容師と園芸農家なので、どうしてもそこからの影響はあります。ヘアメークよりサロンワークが好きだったので、お客様の生活環境に合わせてアレンジできるスタイルを作ろうという部分。
園芸農家時代、大田花き市場の磯村社長に「現代の住居環境に合わせた花材を作ってほしい」というお話をいただき、住居のどこにどのように飾れるものがいいかなど、考えました。インテリアアートやテキスタイルデザインを作りたいと思うのはそこからです。今はSNSを通じてお客様と作品の共有できるのが楽しいです。

──ワイヤーアーティストとして広く認知されるきっかけとなったイベントについて教えてください。

H.P.FRANCEさん主催の「青参道アートフェア」で2017年の5月にデビューし、同年9月にもう一度出展する機会をいただきました。その時は台風の影響でほとんど来店する方もいませんでした。もう東京で展示する機会はないだろうと思っていた時に、雑誌のインタビューでインテリアスタイリストの石井佳苗さんに取り上げていただきました。その時、石井さんの友人の石田ゆり子さんがインスタグラムで紹介いただいたことで、作家をやってみようと思いました。

──HAyU（ハユ）というアーティスト名の由来は？

アーティスト名をつけたのは、友人のお店に飾ってもらう事になった時、アーティスト名を付けた方がプロっぽいかなと(笑)。もともと自宅用で自分の二人の子供のためにワイヤーを作っていました。二人とも動物が好きだったので。HAyUは二人の子供の頭文字から作った造語です。

──メディコム・トイとの出会いについて教えてください。

2019年3月に「TRUNK（HOTEL）」で行ったチャリティーオークションで、副社長の須賀泉水さんが作品を購入されたことがきっかけです。泉水さんには大変お世話になっています。

──それまでにもBE@RBRICKのことはご存知でしたか？

たぶん僕の世代の美容師やファッション関係では知らない人の方が少ないと思います。一見ブロックフィギュアですが、すごい表現の可能性があるな～と思っていました。ゆくゆくは日本のトラディショナルなものになると思っています。

──昨年12月に開催された『BE@RBRICK WORLD WIDE TOUR 3』には、ワイヤーで制作した1000％ BE@RBRICKで参加されました。さらに2月にはMEDICOM TOY PLUSの移転オープン記念商品として「HAyU Wire BE@RBRICK 400% & APPLE」が発売されます。メディコム・トイとはどのようなミーティングを重ねましたか。

僕らしく好きに作っていいように言われました。最初に制作のお話しをいただいたのが2019年で、忙しくてなかなか作業ができない状況だったんですが、僕のペースで暖かく見守っていただいて感謝しています。

──コンセプトについて教えてください。

基本的に作家である以上、作ったBE@RBRICKから僕が作っているものだと分からないといけないと思いました。ワイヤーで立体BE@RBRICK作る事自体は極端な言い方をすると誰でも技術的にはできる部分です。それだけでは特別ではないです。そこで、予めキャラクターを作りました（HAyUベア）。

──りんごにはどのような思いが込められているのでしょうか。

りんごはHAyUベアがセットであるものです。飾る方によって、りんごでもあるし、りんごの様な王冠でもあるし、別々にも飾れます。置いても、壁掛けで額装してもいいので、自由に楽しんでいただければと思います。

──制作で苦労した点は？

時間がなかったことです。コロナの影響で昨年からの延期になったイベントもある上に、私事ですが体調を崩したり、家族の事で仕事ができず、いろいろな方にご迷惑をおかけしました。

──完成したいまの感想を教えてください。

まずは形にできてほっとしました（まだこのインタビューに回答している時点では、400％が全部仕上がっていませんが）。時間があれば、もう一度1000％を作ってみたいです。

──小川さんにとってメディコム・トイはどのような存在ですか？

むずかしい質問ですね……LV20前くらいのドラクエのダンジョン的な感じというか。まだまだ未熟の自分にとってハードルも高いですが、一番成長を感じたり、発見があって面白いです。フラグとかあって、あとで回収できたらいいですね。

──今後メディコム・トイと一緒にやってみたいことは？

今の自分の技術では無理ですが、置き型じゃないBE@RBRICKを作れたらいいですね。あと、BE@RBRICK型の遊具。渋谷や原宿の公園にあったら、とてもシンボリックなパブリックアートだと思います。

HAyU Wire BE@RBRICK 400% & APPLE
サイズ｜各全高約270mm / 100mm
価格｜6万6000円
発売方法｜2022年2月11日(金・祝)に移転オープンする「MEDICOM TOY PLUS」（東京都渋谷区神宮前4-12-10 表参道ヒルズ西館B2F）にて抽選発売。
※2月11日(金・祝)～2月13日(日)の入場に関してはWEB上で事前抽選を行い、当選者の方のみ入店が可能となります。詳細は「メディコム・トイオフィシャルブログ（http／//www.medicomtoy.tv/blog）」にて発表いたします。
※本商品は1点1点手作りの為、個体差がございます。個体差によるお取替えはできません。
※本体がワイヤー製の為、形状が変形しやすい仕様となっております。変形等した場合、お客様ご自身で形状をお戻し願います。
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