2015 ミラノサローネ 最新リポート|AGC旭硝子
AGC旭硝子
特集|ミラノサローネ国際家具見本市 2015
情報のインターフェイスとしてのガラスの可能性
AGC旭硝子がミラノサローネに初出展。「GLACIER FORMATION」というテーマのもと、新製品「Glascene™(グラシーン)」と「infoverre™(インフォベール)」を用いた空間展示をおこない、従来のデジタルサイネージの概念を覆す、ガラスによる“情報と空間のあたらしい関係”を提案した。
Photographs by NIKI TakehikoText by KAJII Makoto (OPENERS)
照明によって浮かび上がる「情報をもつガラス」
約200㎡の会場に、100枚のガラスが配置された空間――。そのうち48枚はプロジェクターからの映像をクリアに表示するスクリーンガラス「Glascene™(グラシーン)」が使用され、7台のプロジェクター、30台のモジュールLED、3台のLED投光機、10台の振動スピーカーにより演出されている。
グラシーンは、透明なガラスへの映像投影を可能にしたスクリーンガラスで、それを緻密かつダイナミックに配置することで、ガラスの質感、ガラスならではの透過と反射という特性を織り交ぜたあらたな映像空間を演出。
氷河のように堆積されたさまざまな映像アーカイブ・レコードからリアルタイムで生成を繰り返された映像情報が投影され、照明によって浮かび上がる「情報をもつガラス」は、ゆるやかに接続されるひとと情報との距離、位置の在り方を提示して、環境としてのガラスのあらたな可能性をアピールする。
予測不能な、不思議な空間を体験
AGC旭硝子は長年培ったガラスと化学の技術を融合し、デジタルサイネージをはじめとするさまざまな分野のニーズに応えているが、今回ミラノサローネで展示された「Glascene™(グラシーン)」と、クリアで美しい映像を映し出す「infoverre™(インフォベール)」の両製品は、建物の外装や内装に使われているガラスを“スタイリッシュな情報発信の場”に変えるという発想から誕生した。
本展示では、ガラスを建築に用いるノウハウに精通し、次代を切り拓く気鋭のクリエイターが、ガラスと情報が織りなすあたらしい世界を創出。空間デザインを手がけたARTENVARCH(アーテンバーク)の川島範久氏と佐藤桂火氏は、「ガラス(glass)と情報(information)で氷河のような空間(glacier formation)をつくることをテーマに、光を透過・反射するガラスの性質と情報を投影・表示させるという機能を利用して創り出されたこの空間を回遊することで、情報とのあたらしい関係性を体感することが可能となりました」と語る。
演出・映像デザインをディレクションしたLUFTZUG(ルフトツーク)の遠藤豊氏は、「ひとにフォーカスをあてた情報をもとに、うごめく世界を膨大なピースにより表現し、映像と光によって空間へ投影する。ネスト化され、ゆるやかに接続されるひとと情報との距離、位置のあり方を体験、かつ、それにより思考や感情の余白を生み出すことを期待しています」とコンセプトを説明する。
GLACIER FORMATION ―AGCによる情報との新しい関係―
会期|2015年4月14日(火)~19日(日)
会場|スーパースタジオ・ピュー内セントラルポイント
主催|AGC旭硝子
空間デザイン|ARTENVARCH(アーテンバーク)川島範久、佐藤桂火
演出・テクニカルディレクション|LUFTZUG(ルフトツーク)遠藤豊
映像デザイン|qubibi(クビビ)勅使河原一雅
ミラノサローネ特設サイト|http://www.agc-milan.com/mdw/jp.html