特集|もつ喜びのあるカメラ フォトコミュニケーションをデザインする
写真でつながるフォトライフがもっと楽しくなる
コミュニケーションを加速する新世代カメラ(1)
スマートフォンをはじめとするモバイルデバイスが普及し、それらで写真を撮って、シェアして、ストックする機会が増えた。もはやモバイルデバイスを使ったコミュニケーションに写真は欠かせない。この環境の変化に対応するように進化を遂げたデジタルカメラは、撮影機器としての矜持を保ちつつ、写真を通じた“つながり”を促進する、コミュニケーションがデザインされたカタチだ。“つながり”が生み出すデザインが、フォトライフをもっと豊かなものに変えていく。
Photographs by JAMANDFIXText by TSUCHIYA Motohiro (OPENERS)
フォトライフの中心はコミュニケーション
多くの人のフォトライフの中心は、音声や文字とおなじように、現代には欠かせない対話のメソッドとしての役割に移りつつある。観賞するための“作品”を残すことではなく、日常のフォトジェニックなシーンを鮮明に撮影でき、写真をハンドリングよくファシリテーターにできることが、フォトライフを豊かにする。
“撮るため”の新設計に新生アプリが連動
キヤノン「EOS M3」
「EOS Mシリーズ」の三世代目として発売された「EOS M3」は、基本性能の高いミラーレス一眼として高い評価を得ている。有効画素2420万画素のAPS-CサイズのCMOSセンサー、映像エンジン「DIGIC 6」を搭載し、高速・高精度に撮影をサポート。AF(オートフォーカス)機能の精度と速度が格段に向上し、最高4.2コマ/秒というシャッター速度が組み合わさり、撮りたいシーンを逃さない。ファッション性を損なうことなく、前世代にくらべて、“撮るため”の基本性能がブラッシュアップされている。
撮影性能の向上とともに、ブラッシュアップされたのが、Wi-Fi機能を活かしたスマートフォンやタブレットとの連携。まず、あらたにNFC接続に対応したことで、デバイスとの接続がより簡単になったという。NFC対応のスマートフォンに近づけると、自動的に接続ができ、面倒な接続設定は不要。一度ペアリングしてしまえば、いつでもスマートフォンからカメラ本体をコントロールすることもできる。
また、2015年2月には専用アプリ「Camera Connect(キヤノンコネクト)」をリリース。アプリの機能はシンプルで、カメラで撮影した画像の閲覧と取り込み、接続方法の設定、リモート撮影、モバイルデバイスから位置情報を取得して撮影データにくわえる機能の四つ。画像の閲覧と取り込みの機能では、スマートフォン側に自動的に撮影データが一覧表示され、送信したい写真を選んで取り込めるからSNSへの写真投稿もスムーズだ。
また、NFC接続に対応した「EOS M3」は、「Connect Station CS100(コネクトステーション CS100)」というフォトストレージと連携するともっと便利に使うことができるという。「CS100」は1TBの大容量ストレージを備え、モバイル、テレビ、パソコンと、さまざまな機器が接続でき、写真を一元管理。約15万枚の写真を保存でき、家に帰って「EOS M3」を「CS100」にタッチすることで、撮った写真をさっと残すことができる。
別の場所にさらに一台「CS100」を設置しておけば、クラウド経由で離れている相手に写真を見せることもできる。「EOS M3」を軸にした写真を手軽に、いつでもシェアできるソリューションが、フォトコミュニケーションを劇的に変えていきそうだ。
EOS M3 EF-M18-55 IS STM レンズキット
価格|オープン(実勢価格7万7000円前後)
本体サイズ|W110.9×H68×D44.4mm
重量|約366g
(バッテリー、メモリーカード含む)
マウント|キヤノンEF-M
撮像素子| APS-Cサイズ CMOSセンサー
有効画素数|2420万画素
ISO感度|100~12800(拡張時25600まで)
キットレンズ|
EF-M18-55mm F3.5-5.6 IS STM
キヤノンお客様相談センター
Tel. 050-555-90002
http://canon.jp/
写真でつながるフォトライフがもっと楽しくなる
コミュニケーションを加速する新世代カメラ(2)
スマートフォンとシームレスにつながる機能を強化
カシオ計算機「EX-ZR1600」
カシオ計算機の独自技術によって生まれる“ハイスピード テクノロジー”で、さくさくシャッターを押すことができ、ピンボケ・手ブレ・タイムラグを抑えたきれいな写真を残すことができる「ハイスピードエクシリム」。最新モデル「EX-ZR1600」では、シャッター速度はもちろん、起動や連写、AFのスピードがさらに高速化されている。くわえてスムーズな自分撮りができるチルト液晶、フロントシャッターを備えるなど、撮影が楽しくなる機能も強化されている。
なかでも画期的なのが、スマートフォンとの連携機能だ。「Bluetooth Smart」によって常時接続ができるインターフェースを備え、接続されたスマートフォンへ撮影した写真が自動的に取り込まれる。専用アプリ「EXILIM Connect(エクシリムコネクト)」をスマートフォンにインストールして、最初に設定するだけで常時接続が可能になるという。シャッターを押すだけで、カメラとスマートフォンがBluetoothで接続され、撮影した画像が自動的に送信される。
「EX-ZR1600」で撮るだけで、写真がスマートフォンへ自動送信されるこの機能は、「エクシリム オートトランスファー」と名付けられた。スマートフォンがスリープ状態であっても、バッグに入ったままでも受信できる。「EX-ZR1600」と接続されたスマートフォンを持ち歩けば、スマートでシームレスに写真の閲覧ができる。
スマートフォンに保存された画像は、「EXILIM Connect」のトップ画面や画像送信後の画面から「Scene(シーン)」というアプリがダイレクトを呼び出せて、画像の確認、整理、共有を、スマートフォン上でおこなうことができる。
EXILIM EX-ZR1600
価格|オープン(実勢価格3万2060円前後)
本体サイズ|W108.3×H61.5×D33.6mm
重量|約242g(バッテリー、メモリーカード含む)
撮像素子|1/2.3型CMOSセンサー
レンズ|F値:F3.5〜5.9、
ズーム:光学18倍、最短撮影距離4cm(標準)
有効画素数|1610万画素
ISO感度|80~3200(拡張時25600まで)
カシオ計算機 お客様相談室
Tel. 03-5334-4611
http://casio.jp/
写真でつながるフォトライフがもっと楽しくなる
コミュニケーションを加速する新世代カメラ(3)
スマートフォンとシームレスにつながる機能を強化
パナソニック「LUMIX DMC-CM1」
スマートフォンライクなルックスの「LUMIX DMC-CM1(ルミックス CM1)」は、まさにスマートフォンとおなじような使い方ができるデジタルカメラだ。従来のデジタルカメラとのもっとも大きな違いは、対応する通信用SIMカードを挿入すれば、高速LTE通信が利用できること。日常の感動を外出先でもその場ですばやくSNSにアップできる利便性、そして限定生産2000台という話題性もくわわって人気を集めている。
OSにはAndroid 4.4を搭載。さまざまなAndroidアプリをダウンロードして、SNSや数々のカメラ・写真アプリを活用することができる。また、本体側面のスイッチでAndroidとカメラを素早く切り替えることができ、写真を撮るだけでなく、スマートフォンのようなコミュニケーションツールとしての威力を存分に力を発揮する。
いっぽうで撮影機能は、一般的なスマートフォンと大きな隔たりがある。有効画素2010万画素の1.0インチ高感度MOSセンサーを搭載。F値2.8の「LEICA DC ELMARIT(ライカDCエルマリート)」レンズを備え、デジタル一眼カメラに迫るボケ味を描き出す。
高品位のレンズと画像処理エンジンにより、ノイズを抑えた美しい写真を残すことができ、これまでのどのスマートフォンとも違う画質を体感することができる。
ただ、「LUMIX CM1」をスマートフォンではなく、デジタルカメラたらしめているのは、センサーの大きさや画素数ばかりではない。撮る楽しみを広げる操作性、撮影するための機器としてデザインされている点のほうが重要なポイント。ユーザーが撮影の可能性を広げ、技術を高める助けとなるように設計がなされており、フルマニュアルで撮影することができる。
大口径レンズを取り囲むコントロールリングを使って、シャッタースピードや絞り、感度などの主な撮影設定をコントロールでき、デジタル一眼カメラのような、撮影の楽しさも、難しさも味わうことができる。
LUMIX CM1
価格|オープン(実勢価格12万円前後)
限定数|2000台
本体サイズ|W135.4×H68.0×D21.1mm
重量|約204g
(メモリーカード、SIMカード含む)
撮像素子| 1インチ MOSセンサー
レンズ|F値:F2.8〜11、
ズーム:光学1倍、最短撮影距離10cm
有効画素数|2010万画素
ISO感度|125~12800
(拡張時ISO100、ISO25600まで)
パナソニック LUMIX ご相談窓口
Tel. 0120-878-638
http://panasonic.jp/