DESIGN /
ARCHITECTURE
2014年12月19日
「ザハ・ハディド展」で世界的な建築家の思想を体感
新国立競技場の国際デザインコンクールにて最優秀に選出された巨匠の建築を体感
東京オペラシティ アートギャラリーにて「ザハ・ハディド」展開催
現代建築の巨匠であると共に建築界を牽引する世界的な建築家、ザハ・ハディド。新国立競技場の国際デザインコンクールにて最優秀に選出され、日本でも実作が決定した。そんなザハの思想を体感できる「ザハ・ハディド」展が、東京オペラシティ アートギャラリーにて開催される。
Text by OPENERS
“アンビルトの女王”、ザハ・ハディドの歴史
1950年バグダッド生まれのザハ・ハディド。現在はロンドンに在住し、現代建築の巨匠であると共に建築界を牽引する世界的な建築家のひとりだ。1980年に自身の事務所を設立して以来、1983年には香港のレジャークラブ「ザ・ピーク」の国際コンペティションで勝利。この出来事をきっかけに、ザハの名は世界で一躍有名になった。
しかし、本プロジェクトをはじめザハの設計には当時の施工技術が追いつかず、独立後10年以上もの長い間、彼女の設計は実際に建設されることはなく、「アンビルト(=建設されない)の女王」という異名を与えられていた。
竣工されるようになったのは1993年に初めてヴィトラ社消防所のプロジェクトを手がけて以降、大規模なコンペティションで勝利してからのこと。そしてこのたび、日本の新国立競技場の国際デザインコンクールにて最優秀に選出され、ついに日本でも実作の建設が決定した。
空間をダイナミックに使った展示を前に、ザハの思想を体感
日本初の大規模な個展となる本展は、ザハのこれまでの作品と併せて現在の仕事も紹介され、ザハの思想に総合的に触れることのできる内容となっている。
膨大なリサーチに基づいて描かれたドローイング、世界各地の実作品の映像など、空間全体をダイナミックに使ったインスタレーションで紹介。本展によって初めてザハの名を目にした人から初期のザハを知る人まで、鑑賞者それぞれの視点でザハの思想を体感することのできる貴重な機会となるだろう。