BOLTS HARDWARE STORE|2009年12月オープンの京都の「金物屋」
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2015年4月22日

BOLTS HARDWARE STORE|2009年12月オープンの京都の「金物屋」

BOLTS HARDWARE STORE|ボルツ ハードウェア ストア

2009年12月オープンの京都の 「金物屋」

京都の金物屋「BOLTS HARDWARE STORE(ボルツ ハードウェア ストア)」は、オリジナルの金属製品や家具、パーツの企画、設計、製造、さらに国内外の家具金物や建築金物を販売している。とくにオリジナル製品はさまざまな協力工場と手を組み、ひとつひとつ丁寧に製作している。

写真=BOLTS HARDWARE STORE

経験によって育まれた“機能から生まれる造形美”

「BOLTS HARDWARE STORE」を主宰する朝陽鎮也さんは、家具やインテリアの内装関連の設計の仕事をつうじて、「金物」とほぼ毎日のように接する機会があった。

朝陽さんは語る。「近年の日本市場に出回っているインテリア金物はどこか過剰な装飾がほどこしてあったり、無駄ともいえるような機能が与えられ、一般の方はもちろんプロでも“いったいこれはどうやって使えばいいんだ?”というものが多く出まわってきています。私は金物は、しょせん“金物”されど“金物”という意識で、ほどよいバランスが必要だと思っています」。

ポイントとなるのは、機能から生まれる造形美。「BOLTS HARDWARE STORE」で扱っている既製金物製品は、国内外を問わず、そういった視点でセレクトされている。

ボルツ ハードウェア ストア|京都|金物屋

ボルツ ハードウェア ストア|京都|金物屋

さらに「BOLTS HARDWARE STORE」の最大の特徴はオリジナル製品で、既成概念にとらわれず、あらたな価値観を提示する。

たとえば「BOLT STOOL」は、真鍮(しんちゅう)の座面が特徴の回転スツール。座面をクルクル回すだけのシンプルな構造で、真鍮は塗装をあえてほどこしていないため、日々、表面は黒ずんで変化していく。朝陽さんは、「もちろん美しさを維持したければ磨けばいいのです。家具は傷がつかないようにするのが常識だと考えられがちですが、傷すらも楽しめてしまうこのスツールはあらたな感覚を呼び起こしてくれるかもしれません」という。

また「TOOL BOX」は、オールアルミニウムの工具箱。板金職人がひとつずつハンマーで叩いて形を形成している。これも表面は塗装などせず、バフ研磨のみの仕上げなので、ちょっとした傷は気にならず、万が一落としてボディが凹んでしまっても自分の手で直せるよう柔らかい純アルミ材を使用している。

「BOLTS HARDWARE STORE」が扱っている商品は、どれも手間のかかる商品ばかり。「それはひとりでも多く工具をもって木材を切ったり、壁にビスを打ったりできるひとが増えてくれることを願っているからです。世の中は便利な商品ばかり増えて、自ら考えて使いこなして楽しむ製品が減っているように思います。私たちの製品を通して、手を動かす楽しさを感じていただければ幸いです」。

BOLTS HARDWARE STORE
京都市北区小山下初音町43-2
Tel. 075-432-8024
http://bolts-hardwarestore.com/

           
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