DEGREE|ディグリー
Design
2015年4月22日

DEGREE|ディグリー

DEGREE|ディグリー
オーナーの顔の見える個性的なセレクト

今回紹介する「ディグリー」は、山口にあるインテリア雑貨を中心に扱うライフスタイルショップ。むかしながらの町屋をリノベーションしたクリーンな印象の店内には、世界中から集められた良質なデザインがあふれています。

文=加藤孝司

萩焼の作家・濱中史朗氏の作品にみる現代的なエッセンス

山口市下竪小路は、室町時代より氏族大内氏の城下町として栄え、江戸時代には萩往還の宿場町として賑わいをみせた、いまでも蔵づくりの商家や町屋風情が残る歴史と情緒ある町だ。ふるい町屋が点在するこのエリアには、都会的な背の高い建物がないかわりに、人々の生活の息遣いが聞こえる丁寧な暮らしの蓄積がある。かつて栄えた面影の残る歴史豊かな下竪小路には、いまもこの町が築いてきた伝統と格式が通奏低音のように静かに流れている。

ディグリーは、2007年3月にこの町にオープンしたインテリア雑貨を中心に扱うライフスタイル提案型のショップだ。ふるい町屋を改装した外観とはうらはらに、シャンデリアのさがる白い壁が印象的なモダンな店内には、古今東西、世界中から選りすぐりのインテリア雑貨がならぶ。

デザインという概念は曖昧なものだ。それが人の知恵から生まれ、暮らしを豊かにするという極めてあたりまえの目的から生まれたのならなおさら、それは受け手によっていかようにも解釈が可能なのだから。

萩焼の作家、濱中史朗さんがつくる山口という土地から生まれる焼き物は、ディグリーがリコメンドするモノのひとつだ。濱中さんの焼き物は、萩焼の伝統に従いながらもフォルムや釉薬の使い方に現代的なエッセンスを注ぎ込んだ独自のスタイルが特徴。なかでも人体に結びつけて器の機能を考える濱中さんの思想を具現化したような、スカルをモチーフにしたゴブレットはオブジェとしての存在感も大きい。

県内各地、ときには福岡や東京といった遠方からこの店を目指して来るお客も少なくない。来客が途絶えることのない店内には、あたたかく人を迎え入れる空気と、お客をもてなそうというオーナーの心のこもった接客がある。今後ますますこの地域のものづくりを反映した、オーナーの顔の見える個性的なセレクトで、進化していく楽しみなショップだ。

<br /><br /><h1>DEGREE|ディグリー<br><br>オーナーの顔の見える個性的なセレクト</h1><br /><p>

DEGREE|ディグリー
山口県山口市下竪小路103-7
営業時間|11:00~20:00
定休日|月曜
Tel. 083-921-9850
http://www.shop-degree.jp

           
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