国立本店|Kunitachi Honten
Design
2015年4月22日

国立本店|Kunitachi Honten

国立本店|Kunitachi Honten
国立デザインセンターが主催運営する「BOOK&CAFE」

中央線沿線のなかでもっとも西に位置する、文化の薫りの高いエリア国立。ここからエリア全体に拡がりをみせる新たなカルチャーの中心となりうるショップを紹介します。

文=加藤孝司Photo by ABE Ryokan

地域性にとらわずグローバルな視点からのモノやコトを提案

東西に長い東京という都市は、その東と西側とでは異なる発展を遂げてきた。23区を中心に、その中央に皇居をもち、その周辺にいくつもの繁華街、そしてその周辺に人が住むための宅地を築き、そこにまた新たな町がいくつもできた。

国立本店とは、西東京に位置する町である国立に由来のあるデザイン・建築関係や編集などの仕事に携わる人たちで構成された国立デザインセンターが主催運営する「BOOK&CAFE」だ。また、おなじ国立にある、つくし文具の店主萩原修さん主宰の「中央線デザイン倶楽部」の活動の拠点でもあり、デザインに興味があるヒトたちが主体的に集まり、何かを起こそうという、活気にみちた空間でもある。

かつてのサブカルチャー、たとえばニューミュージックの歌のタイトルや舞台になったいくつもの街の風景、趣味人たちのちいさなコミュニティといったイメージの“中央線沿線”とは異なる、もっとそこに関わりのある、地域とヒトビトの日常に根ざしたもの。都心部で働くクリエイターが多く居を構えるこのエリアだからこそ、無理な背伸びのない等身大のものづくりという、このエリアでしか発信しえない地域性のあるものが生まれる。

店内のギャラリースペースで開催される企画展は、この地域に関わりの深いクリーターたちが、地域性にとらわれることのないグローバルな視点からのモノやコトを提案することで、本来それぞれの地域がもっているはずの個別性を広義に結びつける役割を担っているようにみえる。

もともと文化度の高いこのエリアにあって、密接に地域に関わりをもちながら、何か活動を起こすことは、ヒトやモノ、そしてそれを繋ぐ情報という面において利便性が良い。それに着目したという点においても国立を中心に活動するこのショップの先見性には鋭さがある。

あらたな拡がりと展開をみせる中央線沿線のカルチャーの中心地として、ヒトとヒトとの関わりのなかから楽しみながら生まれてくるコトやモノに積極的に関わりつつ、その動向に注目してみたい。

Kunitachi Honten 国立本店

東京都国立市中1-7-62
営業時間|12:00~17:00
定休日|火曜
Tel. 042-575-9428
http://honten.chub.jp

           
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