深澤直人による”日常に潜むデザイン”
日本を代表するプロダクトデザイナーである深澤直人がデザイン・ディレクターを務める「WITHOUT THOUGHT」のエキシヴィションが南麻布のギャラリー・ルベインで開催中。世界に驚きを与える新しい日本のデザインはここから生まれます。
文=加藤孝司写真=Jamandfix
深澤直人による"日常に潜むデザイン"
「WITHOUT THOUGHT」とは、DMN(ダイヤモンド・デザイン・マネジメント・ネットワーク機構)がプロダクトデザイナー深澤直人をデザイン・ディレクターに迎え、1999年から開催しているワークショップ。日頃企業に属しデザイン活動をしているインハウス・デザイナーたちとともに、自由な発想のもとに物の本質に根ざした創造活動をする。
毎回その成果をエキシヴィション形式でお披露目し、そこで発表されるプロダクトは今の時代に少なからず衝撃を与えてきた。そのワークショップの中からグッドデザインアワードに選定される作品や、深澤直人とタカラ社そしてダイヤモンド社との共同プロジェクトである「±0」や、無印良品の壁掛け式CDプレイヤーなど、ハッとさせられるデザイン、そして気づかされるデザインが生み出されている事実も興味深い。
現在西麻布のギャラリー ル・ベインで開催中のWITHOUT THOUGHT Vol.8は、「WIPE(拭く)」をテーマに掲げ、日常的な何気ない拭くという行為に潜在する本質に触れる作品を発表している。
前回までのテーマは2000年「つり革」、2001年「e-fashion」、2002年「product art」、2004年「ゴミ箱」、2005年「コイン」、2006年「朝食」。現在世界にも稀にみる人間の行為とデザインを結びつけるワークショップとして世界中のデザイン関係者が注目している。
「WITHOUT THOUGHT」とは、「考えない」ということ。そこにあるのはあるべき本来の物の姿。 万人が考えないで行動することの中にこそデザインの本質がある。行為そのものがその行為を導き出した関係性を示し、それが具体的なデザインとなっている。
日頃、人が無意識のうちに行っている行為や所作は、実は全くの自由の産物ではなく、人間が置かれている状況やシチュエーションといった周囲の環境に影響され決定つけられている。日常に潜むデザインの意味。そしてそこから生み出される具体的なかたちのプロダクトたち。それは機能そのものを超えて人間存在の本質に触れるモノとの関わりを示している。
[WITHOUT THOUGHT vol.8 NAOTO FUKASAWA + DMN DESIGN WORKSHOP EXHIBITION 2007]
会期 | 2007年8月21日(火)~9月7日(金)最終日17:00閉場
休廊日 | 不定休
開館時間 | 11:00~19:00
場所 | GALLERY le bain (ギャラリー ル・ベイン)
住所 | 東京都港区西麻布3-16-28
TEL | 03-3479-3843
FAX | 03-3479-9210
URL | http://www.le-bain.com/gallery/